Qt Widgetsでボタンを作成する：QToolButtonとQPushButtonの違いと使い分け

主な特徴

押下されたときの動作をカスタマイズ可能
QActionオブジェクトと密接に連携
ツールバー内に配置するのに適している
メニューやポップアップウィジェットを表示可能
アイコン、テキストラベル、またはその両方を表示可能

QToolButtonとQPushButtonの違い

QToolButtonとQPushButtonは、どちらもユーザー入力を受け付けるボタンウィジェットですが、いくつかの重要な違いがあります。

動作
QToolButtonはデフォルトでクリック時に信号をemitしますが、QPushButtonは通常、クリックされたときにスロットを呼び出します。
外観
QToolButtonは通常、アイコンやテキストラベルのみを表示するのに対し、QPushButtonはより多くの装飾やスタイルを適用できます。
主な目的
QToolButtonは特定の機能やオプションへの迅速なアクセスを提供することに重点を置いているのに対し、QPushButtonはより汎用的なボタンとして使用されます。

QToolButtonの使用方法

QToolButtonを使用するには、以下の手順に従います。

ヘッダーファイル #include <QToolButton> をインクルードします。
QToolButton オブジェクトをインスタンス化します。
アイコン、テキストラベル、またはその両方を設定します。
必要に応じて、メニューやポップアップウィジェットを設定します。
信号とスロットを接続して、ボタンの動作をカスタマイズします。

例

#include <QCoreApplication>
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QToolBar>
#include <QtWidgets/QToolButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QToolBar *toolBar = new QToolBar(&window);

  QToolButton *toolButton = new QToolButton;
  toolButton->setIcon(QIcon::fromTheme("file"));
  toolButton->setText("Open");

  toolBar->addWidget(toolButton);
  window.addToolBar(Qt::TopToolBarArea, toolButton);

  window.show();
  return app.exec();
}

この例では、QToolButton オブジェクトが作成され、アイコンとテキストラベルが設定されます。ボタンはツールバーに追加され、メインウィンドウに表示されます。

QToolButtonの詳細については、Qtドキュメントを参照してください。

QToolButtonは、C++だけでなく、PythonやQMLなどの他のプログラミング言語でも使用できます。
QToolButtonは、Qt DesignerなどのGUIデザイナーツールを使用して作成することもできます。

基本的な QToolButton

この例では、アイコンとテキストラベルを持つシンプルな QToolButton を作成します。

#include <QCoreApplication>
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPushButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QPushButton button("開く");
  button.setIcon(QIcon::fromTheme("file"));

  button.show();

  return app.exec();
}

QToolButton のクリックシグナルへの接続

この例では、QToolButton の clicked シグナルに接続し、ボタンがクリックされたときにメッセージボックスを表示します。

#include <QCoreApplication>
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPushButton>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QPushButton button("開く");
  button.setIcon(QIcon::fromTheme("file"));

  QObject::connect(&button, &QPushButton::clicked, []() {
    QMessageBox::information(nullptr, "ボタンが押されました", "ファイルを開きます。");
  });

  button.show();

  return app.exec();
}

QToolButton でメニューを表示

この例では、QToolButton をクリックするとメニューが表示され、その中からオプションを選択できます。

#include <QCoreApplication>
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMenu>
#include <QtWidgets/QToolButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QToolButton button;
  button.setIcon(QIcon::fromTheme("file"));
  button.setText("開く");

  QMenu menu;
  menu.addAction("開く(&O)");
  menu.addAction("名前を付けて保存(&S)");
  menu.addAction("最近使ったファイルを開く(&R)");

  button.setMenu(&menu);

  button.show();

  return app.exec();
}

この例では、QToolButton をクリックするとポップアップウィジェットが表示され、その中にカレンダーが表示されます。

#include <QCoreApplication>
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QToolButton>
#include <QtWidgets/QCalendarWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QToolButton button;
  button.setIcon(QIcon::fromTheme("calendar"));
  button.setText("カレンダー");

  QCalendarWidget calendar;
  calendar.setPopup(true);

  button.setPopup(&calendar);

  button.show();

  return app.exec();
}

以下に、QToolButton の代替として検討できるいくつかのオプションを示します。

QPushButton

QPushButton は、QToolButton と同様にボタン機能を提供しますが、より汎用的な用途に適しています。アイコン、テキスト、またはその両方を表示でき、さまざまなスタイルを適用できます。

例

QPushButton button("開く");
button.setIcon(QIcon::fromTheme("file"));

QMenu

QMenu は、ドロップダウンメニューを表示するウィジェットです。複数のオプションをユーザーに提示する必要がある場合に適しています。

例

QMenu menu;
menu.addAction("開く(&O)");
menu.addAction("名前を付けて保存(&S)");
menu.addAction("最近使ったファイルを開く(&R)");

QToolButton button;
button.setMenu(&menu);

QAction

QAction は、アプリケーション内のアクションを表すオブジェクトです。メニュー項目、ツールバーボタン、またはキーボードショートカットに関連付けることができます。

例

QAction action("開く");
action.setIcon(QIcon::fromTheme("file"));

QToolButton button;
button.setDefaultAction(&action);

カスタムウィジェット

より複雑な機能が必要な場合は、カスタムウィジェットを作成することもできます。

例

class MyButton : public QWidget {
public:
  MyButton() {
    setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
    setCursor(QCursor(Qt::PointCursor));
    connect(this, &MyButton::clicked, this, &MyButton::onClicked);
  }

  void paintEvent(QPaintEvent *event) {
    QPainter painter(this);
    painter.setRenderHint(QPainter::Antialiasing);

    // ボタンの外観を描画する
  }

signals:
  void clicked();

private:
  void onClicked() {
    // ボタンがクリックされたときに実行する処理
  }
};

最適な代替手段を選択する

最適な代替手段は、特定のニーズによって異なります。以下の要素を考慮する必要があります。

開発の容易さ
ウィジェットの開発と実装が容易かどうか
使いやすさ
ユーザーにとってウィジェットが使いやすいかどうか
外観
ウィジェットの外観がアプリケーションに合っているかどうか
機能
必要とする機能をウィジェットが提供しているかどうか

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