Qt GUIプログラミング：サーフェス型判別をマスターする！QSurface::surfaceType() 関数と代替方法

QSurface::surfaceType() 関数は、QSurface オブジェクトの型を返します。QSurface オブジェクトは、Qt GUI でレンダリング可能なサーフェスを表す抽象クラスです。この関数は、サーフェスがウィンドウサーフェスなのかオフスクリーンサーフェスなのかを判断するために使用されます。

構文

QSurface::SurfaceType QSurface::surfaceType() const;

戻り値

QSurface::RasterGLSurface: サーフェスがソフトウェアラスターライザーを使用してレンダリングでき、かつ OpenGL もサポートする場合に返されます。このサーフェス型は内部的な Qt 使用を目的としており、非公開 API の使用が必要です。
QSurface::OpenGLSurface: サーフェスが OpenGL と互換性があり、QOpenGLContext と組み合わせて使用できる場合に返されます。
QSurface::RasterSurface: サーフェスがピクセルで構成され、Qt のラスターペイントエンジンなどのソフトウェアラスターライザーを使用してレンダリングできる場合に返されます。

QSurface surface;

if (surface.surfaceType() == QSurface::RasterSurface) {
    // サーフェスはラスターベース
} else if (surface.surfaceType() == QSurface::OpenGLSurface) {
    // サーフェスは OpenGL 対応
} else {
    // サーフェスは RasterGL または不明な型
}

サーフェスの型は、作成後に変更することはできません。
サーフェスの型は、作成時に指定されます。
QSurface::surfaceType() 関数は、サーフェスの作成後にのみ呼び出すことができます。

例 1: サーフェスの型を検査する

#include <QApplication>
#include <QSurface>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // ウィンドウサーフェスの作成
    QWindow window;
    window.resize(500, 300);
    window.show();

    // ウィンドウサーフェスの取得
    QSurface *surface = window.surface();

    // サーフェスの型を検査
    if (surface->surfaceType() == QSurface::RasterSurface) {
        qDebug() << "サーフェスはラスターベースです。";
    } else if (surface->surfaceType() == QSurface::OpenGLSurface) {
        qDebug() << "サーフェスは OpenGL 対応です。";
    } else {
        qDebug() << "サーフェスの型は不明です。";
    }

    return app.exec();
}

例 2: OpenGL 対応サーフェスの作成

#include <QApplication>
#include <QSurface>
#include <QOpenGLContext>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // OpenGL 対応サーフェスの作成
    QSurface *surface = new QSurface(QSurface::OpenGLSurface);
    surface->setFormat({
        .width = 500,
        .height = 300,
    });

    // OpenGL コンテキストの作成
    QOpenGLContext context;
    context.setFormat(surface->format());
    context.create();

    // サーフェスとコンテキストを関連付け
    context.makeCurrent(surface);

    // ... OpenGL でレンダリングを行う ...

    // コンテキストとサーフェスの解放
    context.doneCurrent();
    surface->deleteLater();

    return app.exec();
}

説明

例 2
この例では、OpenGL 対応サーフェスを作成し、OpenGL コンテキストとの関連付けを行います。OpenGL コンテキストは、OpenGL でレンダリングを行うために必要です。
例 1
この例では、ウィンドウサーフェスの型を検査します。ウィンドウサーフェスは通常、ラスターベースですが、OpenGL 対応のものもあります。

これらの例は、QSurface::surfaceType() 関数の基本的な使用方法を示しています。この関数は、サーフェスの型を判断し、適切なレンダリング方法を選択するために使用できます。

サーフェスと OpenGL コンテキストの使用方法については、Qt GUI ドキュメントを参照してください。
実際のアプリケーションでは、より複雑なサーフェス管理が必要になる場合があります。

QSurfaceFormat::format() メソッドの使用

利点

サーフェスの型だけでなく、ピクセルフォーマット、サイズ、解像度などの情報も取得できます。
サーフェスのフォーマットに関するより詳細な情報を取得できます。

欠点

QSurface::surfaceType() 関数よりも冗長なコードが必要になります。

例

QSurfaceFormat format = surface->format();

if (format.renderContextType() == QSurfaceFormat::OpenGL) {
    // サーフェスは OpenGL 対応
} else if (format.renderContextType() == QSurfaceFormat::Raster) {
    // サーフェスはラスターベース
} else {
    // サーフェスの型は不明
}

サーフェスの作成方法の確認

利点

コードが簡潔になります。

欠点

サーフェスの型を直接判断することはできません。

例

QSurface *surface = new QSurface(QSurface::OpenGLSurface);

// ...

QSurface *surface2 = new QWidget(); // ラスターベースのサーフェス

// ...

動的な型チェックの使用

利点

qobject_cast() 関数を使用して、サーフェスオブジェクトを派生クラスにキャストすることで、サーフェスの型を判断できます。

欠点

型チェックが失敗する可能性があります。

例

QSurface *surface = ...;

QOpenGLSurface *openglSurface = qobject_cast<QOpenGLSurface *>(surface);
if (openglSurface) {
    // サーフェスは OpenGL 対応
} else {
    // サーフェスは OpenGL 対応ではない
}

カスタムロジックの使用

利点

特定のニーズに合わせたサーフェスの型判断ロジックを作成できます。

欠点

コードが複雑になる可能性があります。

例

bool isOpenGLSurface(QSurface *surface) {
    // ... カスタムロジック ...

    return ...;
}

QSurface *surface = ...;

if (isOpenGLSurface(surface)) {
    // サーフェスは OpenGL 対応
} else {
    // サーフェスは OpenGL 対応ではない
}

QSurface::surfaceType() 関数は、サーフェスの型を判断する一般的な方法ですが、状況によっては代替方法の方が適切な場合もあります。上記で紹介した代替方法の利点と欠点を考慮し、アプリケーションのニーズに合った方法を選択してください。

サーフェスと OpenGL コンテキストの使用方法については、Qt GUI ドキュメントを参照してください。
実際のアプリケーションでは、より複雑なサーフェス管理が必要になる場合があります。