【決定版】Qt GUIでサーフェースを作成・操作するベストプラクティス:QSurface::QSurface()徹底解説
QSurface::QSurface()は、Qt GUIにおけるレンダリング可能なサーフェースを抽象化したクラスのコンストラクタです。このコンストラクタは、指定されたサーフェスタイプに基づいて新しいQSurfaceオブジェクトを作成します。
構文
QSurface::QSurface(SurfaceClass type);
引数
type
: 作成するサーフェスタイプを表すSurfaceClass型の値。QSurface::Window
: サーフェースがQWindowインスタンスであることを示します。QSurface::Offscreen
: サーフェースがQOffscreenSurfaceインスタンスであることを示します。
戻り値
なし
詳細
サーフェスタイプ引数は、作成されるサーフェースの種類を決定します。QSurface::Window型を指定すると、サーフェースはウィンドウに関連付けられます。QSurface::Offscreen型を指定すると、サーフェースはオフスクリーンになります。
// ウィンドウサーフェースを作成
QSurface surface(QSurface::Window);
// オフスクリーンサーフェースを作成
QSurface offscreenSurface(QSurface::Offscreen);
- サーフェースの詳細については、QSurfaceクラスのドキュメントを参照してください。
- QSurface::QSurface()コンストラクタは、明示的に呼び出す必要はありません。QWindowやQOffscreenSurfaceなどの他のクラスのコンストラクタは、内部的にこのコンストラクタを呼び出して、関連するサーフェースを作成します。
例 1: ウィンドウサーフェースの作成
#include <QApplication>
#include <QSurface>
#include <QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェットを作成
QWidget widget;
widget.setWindowTitle("ウィンドウサーフェース");
widget.show();
// ウィンドウサーフェースを取得
QSurface *surface = widget.surface();
// サーフェースサイズを設定
surface->setSize(widget.size());
// 描画処理を行う...
return app.exec();
}
このコードは、まず QApplication オブジェクトを作成します。次に、QWidget オブジェクトを作成し、ウィンドウサーフェースを取得します。最後に、サーフェースサイズを設定して描画処理を行います。
例 2: オフスクリーンサーフェースの作成
#include <QSurface>
#include <QPainter>
int main() {
// オフスクリーンサーフェースを作成
QSurface surface(QSurface::Offscreen);
// サーフェースサイズを設定
surface.setSize(500, 300);
// ペインターを作成
QPainter painter(&surface);
// 描画処理を行う...
// 描画結果を画像として保存
surface.toImage().save("offscreen.png");
return 0;
}
このコードは、まずオフスクリーンサーフェースを作成します。次に、サーフェースサイズを設定し、ペインターを作成します。最後に、描画処理を行い、描画結果を画像として保存します。
- 例 2 では、QSurface::toImage() メソッドを使用して、描画結果を画像として保存します。
- 描画処理は、QPainter オブジェクトを使用して行われます。
- 両方の例で、QSurface::setSize() メソッドを使用して、サーフェースのサイズを設定します。
- 例 2 では、QSurface::QSurface(SurfaceClass type) コンストラクタを使用して、オフスクリーンサーフェースを直接作成します。
- 例 1 では、QWidget::surface() メソッドを使用して、ウィジェットに関連付けられているウィンドウサーフェースを取得します。
しかし、状況によっては QSurface::QSurface() コンストラクタの代替方法が必要となる場合があります。以下に、いくつかの代替方法とそれぞれの利点と欠点をご紹介します。
QWindow::surface() メソッド
QWindow::surface() メソッドは、ウィンドウに関連付けられているサーフェースを取得するためのメソッドです。このメソッドは、ウィンドウサーフェースを作成する最も簡単な方法です。
利点
- ウィンドウサーフェースを取得する最も簡単な方法
- シンプルで分かりやすい
欠点
- サーフェスタイプを明示的に指定できない
- オフスクリーンサーフェースを作成できない
例
// ウィジェットを作成
QWidget widget;
widget.setWindowTitle("ウィンドウサーフェース");
widget.show();
// ウィンドウサーフェースを取得
QSurface *surface = widget.surface();
// サーフェースサイズを設定
surface->setSize(widget.size());
// 描画処理を行う...
QOffscreenSurface クラス
QOffscreenSurface クラスは、オフスクリーンサーフェースを作成するためのクラスです。このクラスは、QSurface::QSurface() コンストラクタよりも柔軟な制御を提供します。
利点
- サーフェースサイズ、フォーマット、ピクセルフォーマットなどのプロパティを個別に設定できる
- サーフェスタイプを明示的に指定できる
- オフスクリーンサーフェースを作成できる
欠点
- QSurface::QSurface() コンストラクタよりも複雑
例
// オフスクリーンサーフェースを作成
QOffscreenSurface surface(500, 300);
// ペインターを作成
QPainter painter(&surface);
// 描画処理を行う...
// 描画結果を画像として保存
surface.toImage().save("offscreen.png");
プラットフォーム固有の API
プラットフォーム固有の API を使用して、レンダリング可能なサーフェースを作成することもできます。この方法は、高度な制御が必要な場合に役立ちます。
利点
- 高度な制御が可能
欠点
- 移植性が低い
- プラットフォーム固有のコードが必要
例
Windows
// Windows 用のプラットフォーム固有の API を使用してサーフェースを作成
HDC hdc = GetDC(NULL);
HBITMAP hbitmap = CreateCompatibleBitmap(hdc, 500, 300);
HGDIOBJ oldBitmap = SelectObject(hdc, hbitmap);
// 描画処理を行う...
// 描画結果を画像として保存
Gdiplus::Bitmap bitmap(500, 300, PixelFormat32bppARGB);
Gdiplus::Graphics graphics(&bitmap);
graphics.DrawImage(hdc, hbitmap, 0, 0);
bitmap.Save(_T("offscreen.png"), Gdiplus::ImageFormatPNG);
// サーフェースを解放
SelectObject(hdc, oldBitmap);
DeleteObject(hbitmap);
ReleaseDC(NULL, hdc);
上記以外にも、QOpenGLWidget や QGLContext などのクラスを使用して、レンダリング可能なサーフェースを作成することができます。これらのクラスは、OpenGL グラフィックライブラリを使用して描画を行う場合に役立ちます。
最適な代替方法の選択
QSurface::QSurface() コンストラクタの代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- 移植性
- 必要な制御レベル
- 作成するサーフェスタイプ (ウィンドウサーフェースまたはオフスクリーンサーフェース)