【保存版】Qtでテキストを描画する3つの方法：QStylePainter::drawItemText() vs QPainter::drawText() vs QLabel

QStylePainter::drawItemText()は、Qt Widgetsライブラリにおける重要な描画関数の一つです。この関数は、指定された矩形内にテキストを描画するために使用されます。テキストは、スタイルシートで定義されたフォント、色、配置などの属性に従って描画されます。

構文

void QStylePainter::drawItemText(
    const QRect &rect,
    int flags,
    const QPalette &pal,
    bool enabled,
    const QString &text,
    QPalette::ColorRole textRole = QPalette::NoRole
);

引数

textRole: テキストの色を決定するパレットの役割。デフォルトはQPalette::NoRole
text: 描画するテキスト
enabled: テキストが有効かどうか
pal: テキストの色などのパレット
flags: テキストの配置を制御するフラグ。詳細はQtドキュメントを参照してください。
rect: テキストを描画する矩形

動作

この関数は、以下の手順でテキストを描画します。

指定された矩形内にテキストを配置します。配置は、flags引数によって制御されます。
テキストの色を決定します。色は、enabled引数とtextRole引数によって決定されます。
テキストを描画します。フォントは、スタイルシートで定義されたフォントが使用されます。

例

QRect rect(10, 20, 100, 30);
int flags = Qt::AlignCenter;
QPalette pal;
bool enabled = true;
QString text = "Hello, World!";

QStylePainter painter(&widget);
painter.drawItemText(rect, flags, pal, enabled, text);

このコードは、widgetというウィジェット上に、矩形(10, 20, 100, 30)内に、テキスト"Hello, World!"を描画します。テキストは中央揃えで、ウィジェットのスタイルシートで定義されたフォントと色で描画されます。

スタイルシートを使用して、テキストのフォント、色、配置などの属性を制御することができます。
drawItemText()関数は、QStyleクラスのdrawItemText()関数を使用してテキストを描画します。
QStylePainterクラスは、スタイルシートで定義されたスタイルを使用してウィジェットを描画するために使用されるクラスです。

ボタンにテキストを描画する

#include <QApplication>
#include <QPushButton>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QPushButton button("Hello, World!");
  button.setGeometry(100, 100, 150, 50);

  button.show();

  return app.exec();
}

リストウィジェットにアイテムを描画する

#include <QApplication>
#include <QListWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QListWidget listWidget;
  listWidget.addItem("Item 1");
  listWidget.addItem("Item 2");
  listWidget.addItem("Item 3");
  listWidget.setGeometry(100, 100, 200, 150);

  listWidget.show();

  return app.exec();
}

このコードは、3つのアイテムを含むリストウィジェットを作成し、ウィジェットに表示します。アイテムは左揃えで、リストウィジェットのスタイルシートで定義されたフォントと色で描画されます。

#include <QApplication>
#include <QWidget>
#include <QPainter>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    QPainter painter(this);

    QRect rect(10, 20, 100, 30);
    int flags = Qt::AlignCenter;
    QPalette pal;
    bool enabled = true;
    QString text = "Hello, World!";

    painter.drawItemText(rect, flags, pal, enabled, text);
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyWidget widget;
  widget.setGeometry(100, 100, 150, 50);

  widget.show();

  return app.exec();
}

QPainter::drawText()`

QPainter::drawText()は、テキストを描画するために使用される汎用的な描画関数です。QStylePainter::drawItemText()よりも低レベルな関数ですが、より多くの制御と柔軟性を提供します。

利点

カスタム描画エフェクトを追加することができます。
テキストの配置、フォント、色などをより細かく制御することができます。

欠点

QStylePainter::drawItemText()よりも複雑なコードになる可能性があります。
スタイルシートで定義されたスタイルを使用する場合は、自分でスタイルを適用する必要があります。

例

QRect rect(10, 20, 100, 30);
int flags = Qt::AlignCenter;
QPalette pal;
bool enabled = true;
QString text = "Hello, World!";

QPainter painter(&widget);
painter.setPen(pal.text());
painter.setFont(widget.font());
painter.drawText(rect, flags, text);

このコードは、QPainter::drawText()を使用して、widgetというウィジェット上に、矩形(10, 20, 100, 30)内に、テキスト"Hello, World!"を描画します。テキストは中央揃えで、ウィジェットのフォントとパレットの色で描画されます。

QLabel コントロール

QLabelコントロールは、テキストを表示するために使用される標準的なQtコントロールです。QStylePainter::drawItemText()よりもシンプルで使いやすい方法でテキストを描画することができます。

利点

さまざまなテキストフォーマットをサポートする。
スタイルシートで定義されたスタイルを自動的に適用する。
コードが簡潔で読みやすい。

欠点

カスタム描画エフェクトを追加することが難しい。
QStylePainter::drawItemText()よりも柔軟性が低い。

例

QLabel label("Hello, World!");
label.setGeometry(100, 100, 150, 50);

label.show();

このコードは、"Hello, World!"というテキストを含むQLabelコントロールを作成し、ウィジェットに表示します。テキストは中央揃えで、ウィジェットのスタイルシートで定義されたフォントと色で描画されます。

QTextEngine クラス

QTextEngineクラスは、テキストを描画するために使用される低レベルなクラスです。QStylePainter::drawItemText()よりも高度なコントロールと柔軟性を提供しますが、より複雑なコードになる可能性があります。

利点

カスタム描画エフェクトを追加することができます。
テキストのレイアウト、フォーマット、描画を完全に制御することができます。

欠点

スタイルシートで定義されたスタイルを適用する必要があります。
コードが複雑で難解になる可能性があります。

例

QRect rect(10, 20, 100, 30);
QString text = "Hello, World!";

QTextEngine engine(&painter);
engine.beginLayout();
engine.process(text);
engine.endLayout();

このコードは、QTextEngineを使用して、widgetというウィジェット上に、矩形(10, 20, 100, 30)内に、テキスト"Hello, World!"を描画します。テキストは中央揃えで、ウィジェットのフォントとパレットの色で描画されます。

QStylePainter::drawItemText()は、Qt Widgetsライブラリにおける重要な描画関数ですが、状況によっては代替方法の方が適切な場合があります。上記で紹介した代替方法はそれぞれ異なる利点と欠点を持っているので、要件に応じて最適な方法を選択することが重要です。