【図解】Qt GUIで2つのポリゴンのポイントデータを一瞬で入れ替える！QPolygonF::swap()の魔法

Qt GUIのQPolygonF::swap()メソッドは、2つのQPolygonFオブジェクトのポイントデータを互いに交換します。このメソッドは、効率的にポイントデータを交換したい場合に役立ちます。

構文

void QPolygonF::swap(QPolygonF &other);

パラメータ

other: 交換対象のQPolygonFオブジェクトへの参照

戻り値

なし

詳細

QPolygonF::swap()メソッドは、内部的にポインタスワップと呼ばれる手法を使用して、2つのQPolygonFオブジェクトのポイントデータを交換します。この手法は、データをコピーする必要がないため、非常に効率的です。

例

QPolygonF polygon1;
polygon1 << QPointF(10, 20) << QPointF(30, 40) << QPointF(50, 60);

QPolygonF polygon2;
polygon2 << QPointF(70, 80) << QPointF(90, 100) << QPointF(110, 120);

polygon1.swap(polygon2);

// ここで、polygon1にはpolygon2のポイントデータが格納され、polygon2にはpolygon1のポイントデータが格納されます

このメソッドは、QPolygonFオブジェクトの所有権を変更しません。交換後も、それぞれのオブジェクトは元の所有者に属します。
QPolygonF::swap()メソッドは、2つのQPolygonFオブジェクトが同じサイズであることを前提としています。サイズが異なる場合は、予期しない動作が発生する可能性があります。

#include <QApplication>
#include <QPainter>
#include <QPolygonF>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 2つのQPolygonFオブジェクトを作成
  QPolygonF polygon1;
  polygon1 << QPointF(10, 20) << QPointF(30, 40) << QPointF(50, 60);

  QPolygonF polygon2;
  polygon2 << QPointF(70, 80) << QPointF(90, 100) << QPointF(110, 120);

  // ポイントデータを交換
  polygon1.swap(polygon2);

  // ウィジェットを作成
  QWidget widget;
  widget.resize(200, 200);

  // ペイントイベントハンドラを設定
  widget.setAttribute(Qt::WA_StaticContent);
  widget.show();

  QPainter painter(&widget);

  // 交換後のポリゴンを描画
  painter.setPen(Qt::red);
  painter.drawPolygon(polygon1);

  // 交換前のポリゴンを描画
  painter.setPen(Qt::blue);
  painter.drawPolygon(polygon2);

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

右側の三角形は、polygon2のポイントデータで描画されます。
左側の三角形は、polygon1のポイントデータで描画されます。
左側に赤い三角形、右側に青い三角形が表示されます。

このコードは、QPolygonF::swap()メソッドを使用して、2つのQPolygonFオブジェクトのポイントデータを交換し、それぞれを異なる色で描画する方法を示しています。

以下のコードは、QPolygonF::swap()メソッドを使用して、2つのポリゴンの順序を入れ替える方法を示しています。

#include <QApplication>
#include <QPainter>
#include <QPolygonF>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 2つのQPolygonFオブジェクトを作成
  QPolygonF polygon1;
  polygon1 << QPointF(10, 20) << QPointF(30, 40) << QPointF(50, 60);

  QPolygonF polygon2;
  polygon2 << QPointF(70, 80) << QPointF(90, 100) << QPointF(110, 120);

  // ポリゴンの順序を入れ替える
  polygon1.swap(&polygon2);

  // ウィジェットを作成
  QWidget widget;
  widget.resize(200, 200);

  // ペイントイベントハンドラを設定
  widget.setAttribute(Qt::WA_StaticContent);
  widget.show();

  QPainter painter(&widget);

  // ポリゴンを描画
  painter.setPen(Qt::red);
  painter.drawPolygon(polygon1);
  painter.setPen(Qt::blue);
  painter.drawPolygon(polygon2);

  return app.exec();
}

右側の三角形は、polygon1のポイントデータで描画されます。
左側の三角形は、polygon2のポイントデータで描画されます。
左側に青い三角形、右側に赤い三角形が表示されます。

このコードは、QPolygonF::swap()メソッドを使用して、2つのQPolygonFオブジェクトのポインタを交換し、その結果、描画されるポリゴンの順序が入れ替わることを示しています。

標準ライブラリの std::swap を使用する

C++ の標準ライブラリには、std::swap 関数があり、2つの変数の値を交換することができます。この関数はテンプレート化されており、さまざまな型で使用できます。

#include <algorithm>

void swap_polygons(QPolygonF &polygon1, QPolygonF &polygon2) {
  std::swap(polygon1, polygon2);
}

この方法は、QPolygonF::swap() メソッドと同じように効率的ですが、algorithm ヘッダーをインクルードする必要があります。

利点

さまざまな型で使用できる
標準ライブラリの関数を使用するため、コードが簡潔になる

欠点

algorithm ヘッダーをインクルードする必要がある

手動でポイントデータをコピーする

以下のコードのように、ループを使用して手動でポイントデータをコピーすることもできます。

void swap_polygons(QPolygonF &polygon1, QPolygonF &polygon2) {
  QPointF temp;
  for (int i = 0; i < polygon1.size(); ++i) {
    temp = polygon1[i];
    polygon1[i] = polygon2[i];
    polygon2[i] = temp;
  }
}

この方法は、常に動作しますが、QPolygonF::swap() メソッドよりも非効率的です。

利点

ヘッダーをインクルードする必要がない
常に動作する

欠点

QPolygonF::swap() メソッドよりも非効率的

QDataStream を使用する

QDataStream クラスを使用して、2つの QPolygonF オブジェクトをシリアル化し、その後、シリアル化されたデータを交換することができます。

#include <QDataStream>

void swap_polygons(QPolygonF &polygon1, QPolygonF &polygon2) {
  QByteArray ba1;
  QDataStream ds1(&ba1, QIODevice::WriteOnly);
  ds1 << polygon1;

  QByteArray ba2;
  QDataStream ds2(&ba2, QIODevice::WriteOnly);
  ds2 << polygon2;

  std::swap(ba1, ba2);

  QDataStream ds3(&ba1, QIODevice::ReadOnly);
  ds3 >> polygon2;

  QDataStream ds4(&ba2, QIODevice::ReadOnly);
  ds4 >> polygon1;
}

この方法は、複雑で非効率的ですが、シリアル化とデシリアル化が必要な場合に役立ちます。

利点

シリアル化とデシリアル化が必要な場合に役立つ

欠点

複雑で非効率的

QPolygonF::swap() メソッドは、多くの場合、2つの QPolygonF オブジェクトのポイントデータを交換するのに最適な方法です。しかし、状況によっては、上記の代替方法の方が適している場合があります。

このメソッドは、QPolygonF オブジェクトの所有権を変更しません。交換後も、それぞれのオブジェクトは元の所有者に属します。
2 つの QPolygonF オブジェクトが同じサイズであることを確認する必要があります。