わかりやすく解説！Qt Widgets：QProgressBar::formatでテキストフォーマットを自由自在に

QProgressBar::format は、Qt Widgetsライブラリにおける QProgressBar ウィジェットのテキストフォーマットを設定するためのプロパティです。このプロパティを使用することで、進捗状況バーに表示されるテキストの内容や形式を自由にカスタマイズすることができます。

フォーマット文字列

QProgressBar::format プロパティは、フォーマット文字列と呼ばれる特殊な文字列を受け取ります。このフォーマット文字列には、以下のプレースホルダを含めることができます。

%m: 最大値
%v: 現在の値
%p: 進捗率（パーセンテージ）

例：

progressBar->setFormat("%p% - %v/%m");

この例では、進捗率（パーセンテージ）、現在の値、最大値をカンマ区切りで表示します。

カスタムフォーマット

上記以外にも、独自のフォーマット文字列を作成することができます。例えば、以下の例では、完了した部分と残りの部分をバーとドットで表現しています。

progressBar->setFormat("[=%.50p] (%.2f%%)");

QProgressBar::format プロパティは、Mac OS X上で動作する場合、常に空文字列を返します。この場合は、QLabel ウィジェットを追加してテキストを表示する必要があります。

例

以下のコードは、QProgressBar ウィジェットを使用してファイルの読み込み進捗状況を表示する例です。

#include <QApplication>
#include <QFile>
#include <QProgressBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QFile file("myfile.txt");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    qDebug() << "Error opening file";
    return 1;
  }

  QProgressBar progressBar;
  progressBar.setFormat("%p% - %v/%m");
  progressBar.setMaximum(file.size());

  while (!file.atEnd()) {
    QByteArray buffer = file.read(1024);
    progressBar.setValue(file.pos());

    QApplication::processEvents();
  }

  file.close();
  progressBar.setValue(progressBar.maximum());

  progressBar.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、QFile オブジェクトを使用してファイルを開き、そのサイズを QProgressBar ウィジェットの最大値に設定します。その後、ファイルの内容を 1KB ずつ読み込み、読み込んだバイト数に応じて QProgressBar ウィジェットの値を更新します。

例 1: 進捗率と残り時間

この例では、進捗率と残り時間を表示するフォーマット文字列を使用します。

#include <QApplication>
#include <QElapsedTimer>
#include <QProgressBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シミュレートされた処理時間 (秒)
  const int totalTime = 10;

  QElapsedTimer timer;
  timer.start();

  QProgressBar progressBar;
  progressBar.setFormat("%p% - %s剩余");
  progressBar.setMaximum(totalTime);

  while (timer.elapsed() < totalTime * 1000) {
    int remainingTime = totalTime - timer.elapsed() / 1000;
    progressBar.setValue(timer.elapsed() / 1000);

    // 残り時間をフォーマット
    QString remainingTimeStr = QString::number(remainingTime) + " 秒";
    progressBar->setFormat("%p% - " + remainingTimeStr + "剩余");

    QApplication::processEvents();
  }

  progressBar.setValue(progressBar.maximum());
  progressBar.show();

  return app.exec();
}

例 2: カスタムフォーマットとスタイル

この例では、独自のフォーマット文字列とスタイルを使用して、バーとドットで進捗状況を表現します。

#include <QApplication>
#include <QProgressBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QProgressBar progressBar;

  // カスタムフォーマット文字列
  progressBar.setFormat("[=%.50p] (%.2f%%)");

  // スタイル設定
  progressBar.setStyleSheet("QProgressBar::chunk { "
                          "background-color: #33cc33; "
                          "width: 1px; "
                          "margin: 0.5px; "
                          "}");

  progressBar.setMaximum(100);
  for (int i = 0; i <= 100; ++i) {
    progressBar.setValue(i);
    QApplication::processEvents();
  }

  progressBar.show();

  return app.exec();
}

これらの例は、QProgressBar::format プロパティを使用してテキストフォーマットをカスタマイズする方法をほんの一例です。創造性を発揮して、ニーズに合った独自のフォーマットを作成することができます。

コードを実行するには、Qt Creator などの IDE を使用してプロジェクトを作成する必要があります。

カスタム QLabel ウィジェットを使用する

QProgressBar ウィジェットの横に QLabel ウィジェットを配置し、進捗状況に関する情報を表示することができます。この方法は、柔軟性が高く、より複雑なフォーマットやレイアウトを作成することができます。

利点

画像やアイコンを含めることができる
柔軟性の高いフォーマットとレイアウトが可能

欠点

コード量が増える
QProgressBar ウィジェットとの統合が難しい場合がある

例

QLabel label;
label->setText("0% 完了");

QProgressBar progressBar;
progressBar->setMaximum(100);

connect(progressBar, SIGNAL(valueChanged(int)), label, SLOT(setText(const QString&)));

progressBar.show();
label.show();

QProgressBar::setValueText() を使用する

QProgressBar::setValueText() メソッドを使用して、進捗状況バーに表示されるテキストを設定することができます。この方法は、単純なフォーマットを設定する場合にのみ適しています。

利点

シンプルで使いやすい

欠点

カスタムフォーマットやレイアウトを作成できない
フォーマットオプションが限られている

例

QProgressBar progressBar;
progressBar->setMaximum(100);
progressBar->setValueText("%p% 完了");

progressBar.show();

サードパーティ製のライブラリを使用する

QProgressBar ウィジェットのテキストフォーマットを拡張するサードパーティ製のライブラリがいくつか存在します。これらのライブラリは、より高度なフォーマット機能や、カスタムテーマの作成機能を提供する場合があります。

利点

コード量の削減
カスタムテーマ
高度なフォーマット機能

欠点

ライブラリのドキュメントが十分でない場合がある
ライブラリのインストールと設定が必要

例

最適な代替方法の選択

どの代替方法が最適かは、ニーズによって異なります。シンプルなフォーマットを設定する場合は、QProgressBar::setValueText() メソッドが最も簡単な方法です。より複雑なフォーマットやレイアウトが必要な場合は、カスタム QLabel ウィジェットを使用するか、サードパーティ製のライブラリを検討する必要があります。

コードを実行するには、Qt Creator などの IDE を使用してプロジェクトを作成する必要があります。