QPixmap::rect() 関数の徹底解説：Qt GUIにおけるピクセルマップ領域取得

QPixmap::rect() 関数は、Qt GUI においてピクセルマップ (QPixmap) の領域を定義する矩形 (QRect) を取得するために使用されます。この関数は、ピクセルマップに描画されたコンテンツの境界線を示す矩形を返します。

構文

QRect QPixmap::rect() const;

戻り値

ピクセルマップの領域を表す矩形 (QRect) オブジェクト。ピクセルマップが空の場合、空の矩形 (QRect()) が返されます。

例

QPixmap pixmap("image.png");
QRect rect = pixmap.rect();

// rect.x() はピクセルマップの左上角の X 座標を取得します。
int x = rect.x();

// rect.y() はピクセルマップの左上角の Y 座標を取得します。
int y = rect.y();

// rect.width() はピクセルマップの幅を取得します。
int width = rect.width();

// rect.height() はピクセルマップの高さ取得します。
int height = rect.height();

詳細

QPixmap::rect() 関数は、ピクセルマップ内のすべての非透過ピクセルを含む最小の矩形を返します。ピクセルマップに透過チャンネルがない場合、この矩形はピクセルマップ全体の領域を表します。

この関数は、ピクセルマップの一部を切り取って別の場所に描画したり、ピクセルマップの境界線に基づいてウィジェットのサイズを設定したりする場合に役立ちます。

ピクセルマップのサイズを変更するには、QPixmap::resize() 関数を使用します。
ピクセルマップの領域を変更するには、QPixmap::setClipRect() 関数を使用します。
QPixmap::rect() 関数は、ピクセルマップの内部データに直接アクセスするため、パフォーマンスに優れています。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QPixmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ピクセルマップを作成
  QPixmap pixmap("image.png");

  // ピクセルマップの領域を取得
  QRect rect = pixmap.rect();

  // QLabelを作成
  QLabel label;

  // ラベルにピクセルマップの情報を設定
  label.setText(QString("ピクセルマップの領域:\n"
                        "X座標: %1\n"
                        "Y座標: %2\n"
                        "幅: %3\n"
                        "高さ: %4")
                .arg(rect.x())
                .arg(rect.y())
                .arg(rect.width())
                .arg(rect.height()));

  // ラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}

QApplication オブジェクトを作成し、Qt アプリケーションを開始します。
QPixmap オブジェクトを作成し、"image.png" という名前の画像ファイルを読み込みます。
QPixmap::rect() 関数を使用して、ピクセルマップの領域を取得します。
QLabel オブジェクトを作成します。
QString::arg() 関数を使用して、ピクセルマップの領域に関する情報をフォーマットされたテキスト文字列に変換します。
QLabel::setText() 関数を使用して、フォーマットされたテキスト文字列をラベルに設定します。
QLabel::show() 関数を使用して、ラベルを表示します。
QApplication::exec() 関数を使用して、Qt アプリケーションを実行します。

QImage::pixelMap()

短所：
- ピクセルマップの領域を定義する矩形を直接返しません。
- ピクセルマップの領域を取得するには、追加処理が必要となります。
長所：
- QPixmap::rect() 関数よりも高速な場合があります。
- ピクセルデータへの直接アクセスを提供します。

QImage image("image.png");
QPixmap pixmap = QPixmap::fromImage(image);

// ピクセルマップの幅を取得
int width = image.width();

// ピクセルマップの高さ
int height = image.height();

// 領域を定義する矩形を作成
QRect rect(0, 0, width, height);

// 処理

ループによるピクセルスキャン

短所：
- 他の方法と比べて処理速度が遅くなります。
長所：
- ピクセルマップのアルファチャンネル情報を含む領域を取得できます。

QPixmap pixmap("image.png");

// 領域を定義する矩形を初期化
QRect rect(0, 0, 0, 0);

// ピクセルマップをスキャン
for (int y = 0; y < pixmap.height(); ++y) {
  for (int x = 0; x < pixmap.width(); ++x) {
    if (pixmap.pixelColor(x, y).alpha() != 0) {
      // 領域を更新
      rect.setTop(std::min(rect.top(), y));
      rect.setLeft(std::min(rect.left(), x));
      rect.setBottom(std::max(rect.bottom(), y + 1));
      rect.setRight(std::max(rect.right(), x + 1));
    }
  }
}

QPainter::setClipRegion()

短所：
- 描画処理が必要となるため、他の方法と比べて処理速度が遅くなります。
長所：
- 複雑な形状の領域を抽出できます。

QPixmap pixmap("image.png");
QPainter painter(&pixmap);

// 領域を定義するパスを作成
QPainterPath path;
path.addRect(QRect(10, 10, 50, 50));

// パスをクリップ領域に設定
painter.setClipRegion(path);

// 領域を描画
painter.fillRect(QRect(0, 0, pixmap.width(), pixmap.height()), Qt::red);

// 処理

短所：
- Qt以外のライブラリの導入と学習が必要となります。
長所：
- 画像処理に特化したライブラリは、高度な機能を提供することがあります。