Qt GUIプログラミング：QImageをQPixmapに変換する便利ツール QPixmap::convertFromImage() 関数

QImage は、ピクセルデータの行列として画像を表します。一方、QPixmap は、ウィジェットに表示したり、印刷したりするのに適した形式で画像を表します。

QPixmap::convertFromImage() 関数は、次の引数を取ります。

flags: 変換オプションを制御するビットワイズ OR フラグ。デフォルト値は Qt::AutoColor です。
image: 変換する QImage オブジェクト

flags パラメータには、次のフラグを指定できます。

Qt::SmoothTransformation: Qt は、画像を滑らかにスケーリングします。
Qt::Dither: Qt は、色の数を減らすために画像をディザリングします。
Qt::KeepColorSpace: Qt は画像の色空間を変更しません。
Qt::AutoColor: Qt が画像の色空間を自動的に変換します。

QPixmap::convertFromImage() 関数は、変換が成功した場合は true を返し、失敗した場合は false を返します。

例

次のコードは、QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換し、ラベルに表示する方法を示しています。

QImage image("image.png");
QPixmap pixmap;

if (pixmap.convertFromImage(image)) {
  QLabel label;
  label.setPixmap(pixmap);
  label.show();
} else {
  // エラー処理
}

QPixmap::convertFromImage() 関数は、画像の形式を変更できます。画像の形式を変更するには、format パラメータを QPixmap コンストラクタに渡します。
QPixmap::convertFromImage() 関数は、画像のサイズを変更できます。画像のサイズを変更するには、width と height パラメータを QPixmap コンストラクタに渡します。

例 1: QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換してラベルに表示する

この例では、QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換し、ラベルに表示する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QImage>
#include <QPixmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // QImage オブジェクトを作成
  QImage image("image.png");

  // QPixmap オブジェクトを作成
  QPixmap pixmap;

  // QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換
  if (pixmap.convertFromImage(image)) {
    // ラベルを作成
    QLabel label;

    // ラベルに QPixmap オブジェクトを設定
    label.setPixmap(pixmap);

    // ラベルを表示
    label.show();
  } else {
    // エラー処理
    qDebug() << "画像の変換に失敗しました。";
  }

  return app.exec();
}

例 2: QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換し、サイズを変更して別の形式で保存する

この例では、QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換し、サイズを変更して別の形式で保存する方法を示します。

#include <QImage>
#include <QPixmap>

int main() {
  // QImage オブジェクトを作成
  QImage image("image.png");

  // QPixmap オブジェクトを作成
  QPixmap pixmap;

  // QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換
  if (pixmap.convertFromImage(image)) {
    // QPixmap オブジェクトのサイズを変更
    pixmap = pixmap.scaledToWidth(100);

    // QPixmap オブジェクトを別の形式で保存
    pixmap.save("image.jpg");
  } else {
    // エラー処理
    qDebug() << "画像の変換に失敗しました。";
  }

  return 0;
}

例 2 では、image.png ファイルが image.jpg という名前で JPEG 形式で保存されます。
例 1 では、image.png ファイルがラベルに表示されます。
コードを実行するには、image.png ファイルをプロジェクトディレクトリに配置する必要があります。
上記のコードは、Qt Creator でコンパイルして実行できます。

代替方法を選択する際の考慮事項

コードの簡潔性: QPixmap::convertFromImage() 関数は、コードを簡潔に保つのに役立ちます。ただし、より簡潔な代替方法がある場合もあります。
機能: QPixmap::convertFromImage() 関数は、画像の形式を変換したり、サイズを変更したりするなどの機能を提供します。必要な機能が QPixmap::convertFromImage() 関数で提供されていない場合は、代替方法を検討する必要があります。
パフォーマンス: QPixmap::convertFromImage() 関数は、画像のサイズや形式によっては時間がかかる場合があります。パフォーマンスが重要な場合は、代替方法を検討する必要があります。

代替方法

QBitmap::fromImage() 関数を使用する**

QBitmap::fromImage() 関数は、QImage オブジェクトを QBitmap オブジェクトに変換します。 QBitmap は、1 ビットの画像を表すクラスです。 QPixmap はカラー画像を表すクラスなので、QBitmap はカラー画像ではないことに注意してください。

例

QImage image("image.png");
QBitmap bitmap = QBitmap::fromImage(image);

ペイントエンジンを使用する

ペイントエンジンを使用して、QImage を QPixmap に直接描画することもできます。この方法は、より多くの制御と柔軟性を提供しますが、コードが複雑になる可能性があります。

例

QImage image("image.png");
QPixmap pixmap(image.size());
QPainter painter(&pixmap);
painter.drawImage(0, 0, image);

Qt 5.15 以降を使用する

Qt 5.15 以降では、QImage::convertToPixmap() 関数が導入されました。この関数は、QImage オブジェクトを QPixmap オブジェクトに変換するためのより効率的な方法を提供します。

QImage image("image.png");
QPixmap pixmap = image.convertToPixmap();