C++/PythonでのQt GUI開発：QPixmap::isNull() 関数で画像の有無を効率的にチェック

QPixmap::isNull() 関数は、Qt GUI における QPixmap オブジェクトが有効かどうかを確認するために使用されます。QPixmap オブジェクトは、画像やグラフィックデータを保持するために使用されるクラスです。

戻り値

false: オブジェクトが有効な場合
true: オブジェクトが有効ではない場合

詳細

QPixmap オブジェクトは、以下の場合に無効になります。

オブジェクトが明示的に破棄された場合
画像ファイルの読み込みに失敗した場合
オブジェクトが初期化されていない場合

使用例

以下の例は、QPixmap::isNull() 関数を使用して、画像ファイルが読み込まれたかどうかを確認する方法を示しています。

QPixmap pixmap("image.jpg");

if (pixmap.isNull()) {
  // 画像ファイルの読み込みに失敗しました
  qDebug() << "Failed to load image";
} else {
  // 画像ファイルの読み込みに成功しました
  // pixmap を使用して処理を行う
}

オブジェクトの内容を確認するには、width() や height() などの関数を使用する必要があります。
QPixmap::isNull() 関数は、オブジェクトの状態のみを確認します。オブジェクトの内容については確認しません。

Qt のバージョンによって、関数の動作や仕様が異なる場合があります。
本解説は、Qt 6.7.2 を基に作成しています。

C++

#include <QCoreApplication>
#include <QPixmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // 画像ファイルを読み込む
  QPixmap pixmap("image.jpg");

  // 画像ファイルが読み込まれたかどうかを確認する
  if (pixmap.isNull()) {
    qDebug() << "Failed to load image";
  } else {
    // 画像ファイルの読み込みに成功しました
    // pixmap を使用して処理を行う

    // 画像の幅と高さを取得する
    int width = pixmap.width();
    int height = pixmap.height();

    qDebug() << "Image width:" << width;
    qDebug() << "Image height:" << height;

    // 画像を QImage に変換する
    QImage image = pixmap.toImage();

    // 画像のピクセルデータを取得する
    const QImageData *imageData = image.constData();
    const uchar *data = imageData->data();

    // ピクセルデータの処理を行う
    for (int i = 0; i < width * height * 4; ++i) {
      // 各ピクセルの R、G、B、A 成分を処理する
      uchar r = data[i];
      uchar g = data[i + 1];
      uchar b = data[i + 2];
      uchar a = data[i + 3];

      // 処理内容を記述

      // ...
    }
  }

  return 0;
}

import sys
from PyQt5.QtCore import QCoreApplication, QPixmap
from PyQt5.QtGui import QImage

app = QCoreApplication(sys.argv)

# 画像ファイルを読み込む
pixmap = QPixmap("image.jpg")

# 画像ファイルが読み込まれたかどうかを確認する
if pixmap.isNull():
    print("Failed to load image")
else:
    # 画像ファイルの読み込みに成功しました
    # pixmap を使用して処理を行う

    # 画像の幅と高さを取得する
    width = pixmap.width()
    height = pixmap.height()

    print("Image width:", width)
    print("Image height:", height)

    # 画像を QImage に変換する
    image = pixmap.toImage()

    # 画像のピクセルデータを取得する
    imageData = image.constData()
    data = imageData.data()

    # ピクセルデータの処理を行う
    for i in range(width * height * 4):
        # 各ピクセルの R、G、B、A 成分を処理する
        r = data[i]
        g = data[i + 1]
        b = data[i + 2]
        a = data[i + 3]

        # 処理内容を記述

        # ...

画像ファイルを読み込む
画像ファイルが読み込まれたかどうかを確認する
画像ファイルが読み込まれた場合、以下の処理を行う
- 画像の幅と高さを取得する
- 画像を QImage に変換する
- 画像のピクセルデータを取得する
- ピクセルデータの処理を行う

具体的な処理内容は、ご自身の目的に合わせて変更する必要があります。

代替方法

QPixmap::size().isEmpty() 関数

QPixmap::size().isEmpty() 関数は、QPixmap オブジェクトのサイズが空かどうかを確認します。オブジェクトのサイズが空であれば、オブジェクトは無効であると判断できます。

if (pixmap.size().isEmpty()) {
  // オブジェクトが無効です
}

QPixmap::data() 関数のポインタが nullptr かどうかを確認

QPixmap::data() 関数は、QPixmap オブジェクトの画像データへのポインタを返します。ポインタが nullptr であれば、オブジェクトは無効であると判断できます。

const uchar *data = pixmap.data();

if (data == nullptr) {
  // オブジェクトが無効です
}

QPixmap::swap() 関数

QPixmap::swap() 関数は、2 つの QPixmap オブジェクトの内容を交換します。オブジェクトの内容が空であれば、オブジェクトは無効であると判断できます。

QPixmap emptyPixmap;

pixmap.swap(emptyPixmap);

if (pixmap.isNull()) {
  // オブジェクトが無効です
}

それぞれの利点と欠点

QPixmap::swap() 関数
- 利点: 画像データが読み込まれていない場合でも、オブジェクトが無効と判定できる
- 欠点: 2 つのオブジェクトが必要で、やや非効率
QPixmap::data() 関数のポインタが nullptr かどうかを確認
- 利点: 画像データが読み込まれていない場合でも、オブジェクトが無効と判定できる
- 欠点: ポインタ操作が必要で、やや複雑
- 利点: シンプルで分かりやすい
- 欠点: 画像データが読み込まれていない場合でも、オブジェクトが有効と判定される可能性がある

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

2 つのオブジェクトを操作する必要がある場合は、QPixmap::swap() 関数を使用します。
画像データが読み込まれていない場合でも、オブジェクトが無効と判定する必要がある場合は、QPixmap::data() 関数のポインタが nullptr かどうかを確認します。
シンプルで分かりやすい方法が必要であれば、QPixmap::size().isEmpty() 関数を使用します。