【保存版】Qt GUIプログラミング:QPdfWriter::addFileAttachment()でPDFファイルにファイルを埋め込む方法


QPdfWriter::addFileAttachment() 関数は、生成中の PDF ファイルにファイル添付を作成するために使用されます。この関数は、添付ファイルの名前、データ、およびオプションの MIME タイプをパラメータとして受け取ります。

構文

void QPdfWriter::addFileAttachment(const QString &fileName, const QByteArray &data, const QString &mimeType = QString());

パラメータ

  • mimeType: 添付ファイルの MIME タイプ (オプション)
  • data: 添付ファイルのバイナリデータ
  • fileName: 添付ファイルの名前

機能

  • MIME タイプが指定されている場合、PDF ビューアは適切なアイコンとアクションを表示します。
  • 添付ファイルは、PDF ビューアで開いたり、保存したりできます。
  • 添付ファイルは、PDF ファイル内に埋め込まれます。

QPdfWriter writer("mydocument.pdf");
QFile file("attachment.txt");
if (file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
  QByteArray data = file.readAll();
  writer.addFileAttachment("attachment.txt", data, "text/plain");
  file.close();
}
writer.begin();
// ... 描画処理 ...
writer.end();

この例では、attachment.txt という名前のテキスト ファイルを PDF ファイルに添付します。MIME タイプは text/plain に設定されているため、PDF ビューアはテキスト エディタで開くオプションを表示します。

  • 添付ファイルは、機密情報を含むべきではありません。
  • 多くの PDF ビューアには、セキュリティ上の理由から添付ファイルを開くことを許可しない設定があります。
  • 添付ファイルは、PDF ファイルのサイズを大きくする可能性があります。
  • 本説明は、Qt 5.15.17 を基に作成されています。他のバージョンでは、関数名やパラメータが異なる場合があります。


例1: テキスト ファイルの添付

この例では、attachment.txt という名前のテキスト ファイルを PDF ファイルに添付します。

#include <QApplication>
#include <QPdfWriter>
#include <QFile>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // PDF ファイルライターを作成
  QPdfWriter writer("mydocument.pdf");

  // 添付ファイルを開く
  QFile file("attachment.txt");
  if (file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    // ファイルの内容を読み込む
    QByteArray data = file.readAll();

    // 添付ファイルを追加
    writer.addFileAttachment("attachment.txt", data, "text/plain");

    // ファイルを閉じる
    file.close();
  }

  // PDF ファイルの描画を開始
  writer.begin();

  // ... 描画処理 ...

  // PDF ファイルの描画を終了
  writer.end();

  return 0;
}

例2: 画像ファイルの添付

この例では、image.png という名前の画像ファイルを PDF ファイルに添付します。

#include <QApplication>
#include <QPdfWriter>
#include <QImage>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // PDF ファイルライターを作成
  QPdfWriter writer("mydocument.pdf");

  // 画像ファイルを読み込む
  QImage image("image.png");

  // 画像データをバイト配列に変換
  QByteArray data = image.format("PNG").data();

  // 添付ファイルを追加
  writer.addFileAttachment("image.png", data, "image/png");

  // PDF ファイルの描画を開始
  writer.begin();

  // ... 描画処理 ...

  // PDF ファイルの描画を終了
  writer.end();

  return 0;
}
  • MIME タイプは、PDF ビューアに適切なアイコンとアクションを表示するために使用されます。
  • 添付ファイルの名前、データ、および MIME タイプをパラメータとして渡すことができます。
  • コードは、QPdfWriter::addFileAttachment() 関数を使用して、PDF ファイルに添付ファイルを追加する方法を示しています。
  • コードを実行する前に、attachment.txtimage.png ファイルをプロジェクトに追加する必要があります。
  • 上記のコードは、Qt Creator で簡単に実行できます。


QPdfObject クラスを使用する

QPdfObject クラスは、PDF ファイル内のさまざまなオブジェクトを表すために使用できます。添付ファイルを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. QPdfObject オブジェクトを作成し、QPdfObject::ObjectType::Attachment に設定します。
  2. 添付ファイルの名前、データ、および MIME タイプを設定します。
  3. QPdfWriter オブジェクトの addObject() メソッドを使用して、QPdfObject オブジェクトを PDF ファイルに追加します。

利点

  • カスタム添付ファイルメタデータを追加できる
  • より柔軟な制御が可能

欠点

  • QPdfWriter::addFileAttachment() 関数よりも複雑

QPdfObject attachment(QPdfObject::ObjectType::Attachment);
attachment.setName("attachment.txt");
attachment.setData(data);
attachment.setMIMEType("text/plain");

writer.addObject(&attachment);

外部ライブラリを使用する

PDF ファイルの作成と操作を専門とするライブラリを使用することもできます。これらのライブラリは、独自の添付ファイル作成機能を提供している場合があります。

利点

  • 既存のコードを再利用できる場合がある
  • 複雑な添付ファイルの作成を簡素化できる

欠点

  • ライブラリの学習と導入が必要


PDF ファイルを編集する

既存の PDF ファイルに添付ファイルを追加するには、PDF ファイル編集ツールを使用できます。

利点

  • 比較的簡単な方法

欠点

  • コードを書く必要がない
  • プログラミングの知識がなくても使用できる


  • Inkscape
  • Adobe Acrobat

QPdfWriter::addFileAttachment() 関数は、PDF ファイルに添付ファイルを作成するための一般的な方法ですが、状況によっては代替方法の方が適している場合があります。最良の方法は、特定のニーズと要件によって異なります。

  • 上記の代替方法は、あくまでも例示であり、用途に合わせて変更する必要があります。