Qt Widgets で画像を拡大縮小： QPinchGesture::scaleFactor を徹底解説

使い方

QPinchGesture::scaleFactor を使用するには、まず QPinchGesture オブジェクトを作成し、ターゲットウィジェットにインストールする必要があります。次に、gestureUpdated シグナルを接続して、ジェスチャが更新されたときに実行されるスロットを指定します。

QPinchGesture gesture(widget);
gesture.installGestureFilter(widget);
connect(&gesture, &QPinchGesture::gestureUpdated, this, &MyClass::handlePinchGesture);

handlePinchGesture スロット内で、scaleFactor プロパティを使用して、現在のピンチジェスチャの拡大/縮小度合いを取得できます。

void MyClass::handlePinchGesture(QPinchGesture *gesture)
{
    qreal scaleFactor = gesture->scaleFactor();
    // scaleFactor を使用して画像やその他の視覚要素を拡大/縮小する
}

例

次の例は、QPinchGesture::scaleFactor を使用して、画像を拡大/縮小する方法を示します。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QGesture>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void virtual resizeEvent(QResizeEvent *event) override;

private:
    QLabel imageLabel;
    QPinchGesture gesture;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent)
{
    imageLabel.setPixmap(QPixmap("image.png"));
    imageLabel.setAlignment(Qt::AlignCenter);

    gesture.installGestureFilter(&imageLabel);
    connect(&gesture, &QPinchGesture::gestureUpdated, this, &MyWidget::handlePinchGesture);
}

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event)
{
    imageLabel.resize(event->size());
}

void MyWidget::handlePinchGesture(QPinchGesture *gesture)
{
    qreal scaleFactor = gesture->scaleFactor();
    imageLabel.scale(scaleFactor, scaleFactor);
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

この例では、MyWidget クラスは QLabel コントロールを使用して画像を表示します。QPinchGesture オブジェクトは QLabel にインストールされ、gestureUpdated シグナルが handlePinchGesture スロットに接続されます。handlePinchGesture スロットは、scaleFactor プロパティを使用して現在のピンチジェスチャの拡大/縮小度合いを取得し、その値を使用して画像を拡大/縮小します。

• scaleFactor プロパティは、ジェスチャが終了するまで変化し続けます。
• scaleFactor プロパティは、常に正の値を返します。
• scaleFactor プロパティは、ジェスチャの開始点と現在の点間の距離の変化に基づいています。そのため、ジェスチャが開始された直後は、scaleFactor プロパティの値が 1.0 になる場合があります。

---

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QLabel>
#include <QtWidgets/QGesture>

class MyWidget : public QWidget {
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override;

private:
    QLabel imageLabel;
    QPinchGesture gesture;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {
    imageLabel.setPixmap(QPixmap("image.png"));
    imageLabel.setAlignment(Qt::AlignCenter);

    gesture.installGestureFilter(&imageLabel);
    connect(&gesture, &QPinchGesture::gestureUpdated, this, &MyWidget::handlePinchGesture);
}

void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent *event) {
    imageLabel.resize(event->size());
}

void MyWidget::handlePinchGesture(QPinchGesture *gesture) {
    qreal scaleFactor = gesture->scaleFactor();
    imageLabel.scale(scaleFactor, scaleFactor);
}

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードの説明は以下の通りです。

1. MyWidget クラスの定義
   
   • QLabel コントロールを使用して画像を表示する MyWidget クラスを定義します。
   • imageLabel メンバ変数を定義して、QLabel コントロールを保持します。
   • QPinchGesture オブジェクトを定義して、ピンチジェスチャを検出します。
2. コンストラクタ
   
   • imageLabel コントロールを画像で初期化します。
   • imageLabel コントロールを中央揃えに設定します。
   • QPinchGesture オブジェクトを imageLabel コントロールにインストールします。
   • gestureUpdated シグナルを handlePinchGesture スロットに接続します。
3. resizeEvent メンバ関数:
   • imageLabel コントロールをウィジェットのサイズに合わせます。
4. handlePinchGesture メンバ関数:
   • scaleFactor プロパティを使用して、現在のピンチジェスチャの拡大/縮小度合いを取得します。
   • scale メンバ関数を使用して、画像を scaleFactor で拡大/縮小します。
5. main 関数:
   • Qt アプリケーションを作成します。
   • MyWidget ウィジェットを作成して表示します。
   • アプリケーションを実行します。

---

QPinchGesture::totalScaleFactor

QPinchGesture::totalScaleFactor は、ジェスチャの開始点と現在の点間の距離の変化に基づいて、累積的な拡大/縮小度合いを表す浮動小数点値を返します。これは、連続するピンチジェスチャを追跡する場合や、ジェスチャの開始点から現在の点までの距離の変化を正確に測定したい場合に役立ちます。

qreal totalScaleFactor = gesture->totalScaleFactor();

QGestureEvent::delta

QGestureEvent::delta は、ジェスチャの開始点と現在の点間の距離の変化を表す QPoint オブジェクトを返します。これは、ピンチジェスチャの水平方向と垂直方向の移動量を個別に測定したい場合に役立ちます。

QGestureEvent *event = static_cast<QGestureEvent *>(gesture);
QPoint delta = event->delta();
qreal horizontalScaleFactor = 1.0 + delta.x() / event->widget()->width();
qreal verticalScaleFactor = 1.0 + delta.y() / event->widget()->height();

カスタムジェスチャフィルター

QPinchGesture::scaleFactor 以外の方法でピンチジェスチャを処理したい場合は、カスタムジェスチャフィルターを作成することができます。カスタムジェスチャフィルターは、ジェスチャイベントを処理し、独自のロジックに基づいて拡大/縮小度合いを計算することができます。

class MyPinchGestureFilter : public QGestureFilter
{
public:
    bool filter(QGestureEvent *event) override
    {
        if (event->type() == QEvent::PinchGesture) {
            // カスタムロジックを使用して拡大/縮小度合いを計算する
            qreal scaleFactor = calculateScaleFactor(event);

            // 独自の処理を実行する
            // ...

            return true;
        }

        return false;
    }

private:
    qreal calculateScaleFactor(QGestureEvent *event);
};

Qt以外のライブラリを使用している場合は、そのライブラリが提供するピンチジェスチャの検出および処理機能を利用することができます。例えば、 や などのライブラリは、QPinchGesture::scaleFactor に代わる機能を提供しています。

最適な方法の選択

どの代替方法が最適かは、具体的な要件によって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。

• 使用しているライブラリ
  使用しているライブラリが提供するピンチジェスチャの検出および処理機能を利用できる場合があります。
• 必要な機能
  カスタムロジックに基づいて拡大/縮小度合いを計算したい場合は、カスタムジェスチャフィルターを作成する必要があります。
• 必要な精度
  QPinchGesture::scaleFactor は、一般的に十分な精度を提供しますが、より高い精度が必要な場合は、QPinchGesture::totalScaleFactor や QGestureEvent::delta を使用する方がよい場合があります。

• QPinchGesture::scaleFactor プロパティは、ジェスチャが終了するまで変化し続けます。
• QPinchGesture::scaleFactor プロパティは、常に正の値を返します。
• QPinchGesture::scaleFactor は、ジェスチャの開始点と現在の点間の距離の変化に基づいているため、ジェスチャが開始された直後は、scaleFactor プロパティの値が 1.0 になる場合があります。