Qt GUIプログラミング：パスを複製・共有するための必須テクニック QPainterPath::operator=()

QPainterPath::operator=() は、Qt GUIライブラリにおける重要な演算子であり、2つの QPainterPath オブジェクト間のパスをコピーするために使用されます。この演算子は、既存のパスを複製したり、新しいパスを作成するために使用できます。

構文

QPainterPath& operator=(const QPainterPath& other);

引数

• other: コピー元の QPainterPath オブジェクト

戻り値

• 参照されている QPainterPath オブジェクト自身

動作

この演算子は、other パスのすべての要素をコピーして、呼び出し側オブジェクトに追加します。これにより、2つのパスが同じ形状になることが保証されます。

例

QPainterPath path1;
path1.moveTo(10, 20);
path1.lineTo(50, 30);
path1.lineTo(30, 50);
path1.lineTo(10, 20);

QPainterPath path2;
path2 = path1;

// path1 と path2 は同じ形状になります

注意点

• 2つのパスが異なるスケーリングまたは回転を持つ場合、operator=() はそれらの違いを保持しません。
• operator=() はコピー演算子であり、移動演算子ではありません。つまり、other パスの所有権は移されません。

• パスのデータをシリアル化して保存する
• パスを別のオブジェクトに渡す
• 既存のパスを基に新しいパスを作成する

• QPainterPath::operator=() は、Qt GUIライブラリの多くの他のクラスで使用されています。
• QPainterPath オブジェクトは、ベクターグラフィックスの描画に使用される重要なクラスです。

---

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPainterPath>
#include <QtWidgets/QPainter>
#include <QtWidgets/QWidget>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget* parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent* event) override
    {
        QPainterPath path1;
        path1.moveTo(10, 20);
        path1.lineTo(50, 30);
        path1.lineTo(30, 50);
        path1.lineTo(10, 20);

        QPainterPath path2;
        path2 = path1;

        QPainter painter(this);
        painter.setRenderHint(QPainter::AntiAlias);

        painter.drawPath(path1);
        painter.setPen(Qt::red);
        painter.drawPath(path2);
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

例2: パスを別のオブジェクトに渡す

この例では、QPainterPath::operator=() を使用して、パスを別のオブジェクトに渡す方法を示します。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPainterPath>
#include <QtWidgets/QPainter>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem(const QPainterPath& path) : QGraphicsItem()
    {
        setPath(path);
    }

protected:
    void paint(QPainter* painter, const QStyleOptionGraphicsItem* option, QWidget* widget) override
    {
        painter->setRenderHint(QPainter::AntiAlias);
        painter.drawPath(path());
    }
};

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget* parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent* event) override
    {
        QPainterPath path;
        path.moveTo(10, 20);
        path.lineTo(50, 30);
        path.lineTo(30, 50);
        path.lineTo(10, 20);

        QGraphicsScene scene;
        scene.addItem(new MyItem(path));

        QPainter painter(this);
        painter.setRenderHint(QPainter::AntiAlias);
        painter.translate(50, 50);
        painter.scale(2, 2);
        scene.render(&painter);
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

例3: パスのデータをシリアル化して保存する

この例では、QPainterPath::operator=() を使用して、パスのデータをシリアル化して保存する方法を示します。

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QPainterPath>
#include <QtWidgets/QPainter>
#include <QtWidgets/QWidget>
#include <QDataStream>
#include <QFile>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget(QWidget* parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent* event) override
    {
        QPainterPath path;
        path.moveTo(10, 20);
        path.lineTo(50, 30);
        path.lineTo(30, 50);
        path.lineTo(10, 20);

        // パスをシ

---

代替方法

• カスタムコピー関数: 独自のニーズに合わせたカスタムコピー関数を作成することもできます。これは、複雑なパスや追加の処理が必要な場合に役立ちます。
• std::copy() アルゴリズム: C++ 標準ライブラリの std::copy() アルゴリズムを使用して、QPainterPath オブジェクトの要素を個別にコピーすることもできます。これは、より詳細な制御が必要な場合に役立ちます。
• QPainterPath::swap(): この関数は、2 つの QPainterPath オブジェクトのパスを直接交換します。これは、パスを一時的に保存する必要がない場合に便利です。
• QPainterPath::assign(): この関数は operator=() とほぼ同じ動作しますが、非メンバ関数であるため、メンバ関数よりも若干効率的に処理される可能性があります。

それぞれの方法の比較

方法	説明	利点	欠点
QPainterPath::operator=()	メンバ関数によるコピー	簡潔で使いやすい	非メンバ関数よりも若干非効率
QPainterPath::assign()	非メンバ関数によるコピー	operator=() よりも若干効率的	メンバ関数ではない
QPainterPath::swap()	パスの直接交換	パスの一時保存が不要	複雑な操作には不向き
std::copy() アルゴリズム	個別要素のコピー	詳細な制御が可能	煩雑で冗長
カスタムコピー関数	独自のニーズに合わせたコピー	柔軟性が高い	複雑な実装が必要

最適な方法の選択

最適な方法は、状況によって異なります。一般的には、以下のガイドラインに従うことをお勧めします。

• 複雑なパスや追加の処理が必要な場合は、カスタムコピー関数を使用します。
• 詳細な制御が必要な場合は、std::copy() アルゴリズムまたはカスタムコピー関数を使用します。
• パスの交換が必要な場合は、QPainterPath::swap() を使用します。
• シンプルなコピーの場合は、QPainterPath::operator=() または QPainterPath::assign() を使用します。

例

以下の例は、QPainterPath::operator=() の代替方法を示しています。

例 1: QPainterPath::assign() を使用する

QPainterPath path1;
path1.moveTo(10, 20);
path1.lineTo(50, 30);
path1.lineTo(30, 50);
path1.lineTo(10, 20);

QPainterPath path2;
path2.assign(path1);

// path1 と path2 は同じ形状になります

例 2: std::copy() アルゴリズムを使用する

QPainterPath path1;
path1.moveTo(10, 20);
path1.lineTo(50, 30);
path1.lineTo(30, 50);
path1.lineTo(10, 20);

QPainterPath path2;
std::copy(path1.begin(), path1.end(), std::back_inserter(path2));

// path1 と path2 は同じ形状になります

QPainterPath path1;
path1.moveTo(10, 20);
path1.lineTo(50, 30);
path1.lineTo(30, 50);
path1.lineTo(10, 20);

QPainterPath path2;
copyPath(path1, path2);

// path1 と path2 は同じ形状になります

void copyPath(const QPainterPath& src, QPainterPath& dst)
{
    for (const QPointF& point : src.points()) {
        dst.moveTo(point);
    }
}