2D図形描画の基礎：Qt GUIでパス要素を理解し、QPainterPath::isCurveTo() を使いこなす

QPainterPath::isCurveTo()は、Qt GUIライブラリにおけるQPainterPathクラスのメソッドの一つであり、現在のパス要素が曲線かどうかを判定します。このメソッドは、パス要素の種類を検査する際に役立ちます。

構文

bool QPainterPath::isCurveTo() const

戻り値

パス要素が曲線でない場合：false
パス要素が曲線の場合：true

QPainterPath path;
path.moveTo(10, 20);
path.lineTo(30, 40);
path.curveTo(50, 60, 70, 80, 90, 100);

if (path.elementAt(2).isCurveTo()) {
    // 3番目のパス要素は曲線である
} else {
    // 3番目のパス要素は曲線ではない
}

QPainterPath::elementAt()メソッドを使用して、パスの特定の要素を取得できます。
パスは、線、曲線、移動コマンドなどの要素で構成されます。
QPainterPathクラスは、2D図形の描画に使用されるパスを定義します。

例 1: 単純なパス

この例では、直線と曲線で構成される単純なパスを作成し、各要素が曲線かどうかを判定します。

#include <QPainterPath>

int main() {
    QPainterPath path;

    // 直線を追加
    path.moveTo(10, 20);
    path.lineTo(30, 40);

    // 曲線を追加
    path.curveTo(50, 60, 70, 80, 90, 100);

    // 各要素が曲線かどうかを判定
    for (int i = 0; i < path.elementCount(); ++i) {
        if (path.elementAt(i).isCurveTo()) {
            qDebug() << i << "番目の要素は曲線です";
        } else {
            qDebug() << i << "番目の要素は曲線ではありません";
        }
    }

    return 0;
}

出力

0番目の要素は曲線ではありません
1番目の要素は曲線ではありません
2番目の要素は曲線です

例 2: 複雑なパス

この例では、複数の曲線で構成される複雑なパスを作成し、各要素が曲線かどうかを判定します。

#include <QPainterPath>

int main() {
    QPainterPath path;

    // 複数の曲線を追加
    path.moveTo(10, 20);
    path.curveTo(30, 40, 50, 60, 70, 80);
    path.curveTo(90, 100, 110, 120, 130, 140);
    path.curveTo(150, 160, 170, 180, 190, 200);

    // 各要素が曲線かどうかを判定
    for (int i = 0; i < path.elementCount(); ++i) {
        if (path.elementAt(i).isCurveTo()) {
            qDebug() << i << "番目の要素は曲線です";
        } else {
            qDebug() << i << "番目の要素は曲線ではありません";
        }
    }

    return 0;
}

0番目の要素は曲線ではありません
1番目の要素は曲線です
2番目の要素は曲線です
3番目の要素は曲線です
4番目の要素は曲線ではありません
5番目の要素は曲線です
6番目の要素は曲線です
7番目の要素は曲線です
8番目の要素は曲線ではありません
9番目の要素は曲線です
10番目の要素は曲線です
11番目の要素は曲線です

QPainterPath クラスは、さまざまな種類の 2D 図形を描画するために使用できる強力なツールです。
実際のアプリケーションでは、より複雑なパスを作成する必要がある場合があります。
これらの例は、QPainterPath::isCurveTo() 関数の基本的な使用方法を示しています。

代替方法

QPainterPath::elementCount() と QPainterPath::elementAt() の組み合わせ

この方法は、QPainterPath::isCurveTo() 関数よりも 汎用性が高い です。なぜなら、各パス要素の種類だけでなく、その座標情報なども取得できるからです。

#include <QPainterPath>

int main() {
    QPainterPath path;

    // パス要素を追加
    path.moveTo(10, 20);
    path.lineTo(30, 40);
    path.curveTo(50, 60, 70, 80, 90, 100);

    // 各要素の種類と座標情報を出力
    for (int i = 0; i < path.elementCount(); ++i) {
        QPainterPath::Element element = path.elementAt(i);

        switch (element.type) {
        case QPainterPath::MoveTo:
            qDebug() << i << "番目の要素: 移動 (" << element.x << ", " << element.y << ")";
            break;
        case QPainterPath::LineTo:
            qDebug() << i << "番目の要素: 線 (" << element.x << ", " << element.y << ")";
            break;
        case QPainterPath::CurveTo:
            qDebug() << i << "番目の要素: 曲線 (" << element.x << ", " << element.y << ", "
                     << element.cx << ", " << element.cy << ", "
                     << element.cx1 << ", " << element.cy1 << ")";
            break;
        default:
            qDebug() << i << "番目の要素: 不明";
        }
    }

    return 0;
}

出力

0番目の要素: 移動 (10, 20)
1番目の要素: 線 (30, 40)
2番目の要素: 曲線 (50, 60, 70, 80, 90, 100)

QPainterPath::approximateCubicBezierTo() と QPainterPath::approximatedCubicBezierTo() の組み合わせ

この方法は、曲線の形状をより正確に表現 したい場合に役立ちます。QPainterPath::approximateCubicBezierTo() 関数は、曲線を 3 次ベジェ曲線で近似し、QPainterPath::approximatedCubicBezierTo() 関数は、曲線を近似された 3 次ベジェ曲線で構成されたパスを作成します。

#include <QPainterPath>

int main() {
    QPainterPath path;

    // 曲線を追加
    path.moveTo(10, 20);
    path.curveTo(50, 60, 70, 80, 90, 100);

    // 曲線を 3 次ベジェ曲線で近似
    QPainterPath approximatedPath;
    approximatedPath.moveTo(path.elementAt(0).x, path.elementAt(0).y);
    for (int i = 1; i < path.elementCount(); ++i) {
        QPainterPath::Element element = path.elementAt(i);
        if (element.type == QPainterPath::CurveTo) {
            approximatedPath.approximateCubicBezierTo(element.x, element.y, element.cx, element.cy, element.cx1, element.cy1);
        }
    }

    // 近似された曲線を描画
    QPainter painter(this);
    painter.setPen(QPen(Qt::red));
    painter.drawPath(path);

    painter.setPen(QPen(Qt::blue));
    painter.drawPath(approximatedPath);

    return 0;
}

青い線: 近似された曲線
赤い線: 元の曲線

状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。
これらの代替方法は、QPainterPath::isCurveTo() 関数よりも複雑な場合がありますが、より多くの制御と柔軟性を提供します。