【保存版】Qt GUIでテキストを装飾するテクニック：QPainterPath::addText()の使い方と応用例

QPainterPath::addText() は、Qt GUI プログラミングにおいて、指定されたパスにテキストを追加するための関数です。この関数は、テキストをパス形状に沿って配置するのに役立ちます。

構文

void QPainterPath::addText(const QPointF &point, const QFont &font, const QString &text);

void QPainterPath::addText(qreal x, qreal y, const QFont &font, const QString &text);

引数

text: 描画するテキスト
font: テキストのフォント
point または x と y: テキストのベースライン左端の位置を指定する座標

戻り値

なし

詳細

addText() 関数は、指定されたフォントとテキストを使用して、パスに一連の閉じたサブパスを追加します。これらのサブパスは、テキストのベースライン左端が指定された座標 (point または x と y) に来るように配置されます。

テキストは、パスの形状に沿って自動的に配置されます。つまり、テキストはパスの曲線に沿って曲げられます。

例

QPainterPath path;
QFont font("Arial", 12);
QString text = "Hello, World!";

path.addText(QPointF(100, 50), font, text);

QPainter painter(&widget);
painter.setPen(Qt::black);
painter.drawPath(path);

この例では、Hello, World! というテキストが、QPointF(100, 50) 座標に配置されたパスに追加されます。テキストは、パスの形状に沿って自動的に配置されます。

QPainterPath::addText() 関数は、複雑な形状に沿ってテキストを配置する場合に役立ちます。ただし、単純なテキスト描画には、QPainter::drawText() 関数を使用する方が効率的です。
QPainterPath::addText() 関数は、テキストをアウトラインとして描画します。テキストを塗りつぶすには、QPainter::drawText() 関数を使用する必要があります。

#include <QApplication>
#include <QPainterPath>
#include <QFont>
#include <QWidget>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
    {
        resize(400, 300);
    }

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override
    {
        QPainter painter(this);

        // 波形パスの作成
        QPainterPath path;
        for (int i = 0; i < width(); i += 10) {
            path.moveTo(i, height() / 2);
            path.lineTo(i, height() / 2 + (sin(2 * M_PI * i / 100) * 20));
        }

        // テキストの追加
        QFont font("Arial", 16);
        QString text = "Hello, World!";
        path.addText(QPointF(50, 50), font, text);

        // パスの描画
        painter.setPen(Qt::black);
        painter.drawPath(path);
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

説明

MyWidget クラスのコンストラクタは、ウィジェットのサイズを設定します。
paintEvent() メソッドは、ウィジェットのペイントイベントを処理します。
波形パスを作成します。このパスは、moveTo() と lineTo() 関数を使用して作成されます。
addText() 関数を使用して、テキストをパスに追加します。
drawPath() 関数を使用して、パスを描画します。

この例は、QPainterPath::addText() 関数を使用して、テキストをさまざまな形状に沿って配置する方法を示す基本的なものです。

応用例

チャートやグラフにラベルを追加する
地図上に地名を表示する

これらの例は、QPainterPath::addText() 関数の柔軟性を示すほんの一例です。

コードは、必要に応じて変更および拡張できます。

以下に、QPainterPath::addText() の代替方法として検討すべきいくつかのオプションを紹介します。

QPainter::drawText()

QPainter::drawText() 関数は、指定された座標にテキストを描画します。この関数は、QPainterPath::addText() 関数よりもシンプルで軽量です。ただし、テキストをパス形状に沿って配置することはできません。

例

QPainter painter(widget);
QFont font("Arial", 12);
QString text = "Hello, World!";

painter.setFont(font);
painter.drawText(QPointF(100, 50), text);

QTextLayout

例

QTextLayout layout;
QFont font("Arial", 12);
QString text = "Hello, World!";

layout.setText(text);
layout.setFont(font);

QPainter painter(widget);
painter.drawTextLayout(QPointF(100, 50), layout);

カスタム描画

より高度な制御が必要な場合は、カスタム描画ルーチンを実装することもできます。この方法は、テキストを任意の形状に沿って配置したり、特殊効果を適用したりする場合に役立ちます。

例

void drawTextOnPath(QPainter &painter, const QPainterPath &path, const QFont &font, const QString &text)
{
    QTextCursor cursor(&text);
    QTextBlock block = cursor.currentBlock();

    while (!block.isNull()) {
        QRectF rect = block.boundingRect();
        QPointF pos = path.pointAt(rect.center());

        painter.setFont(font);
        painter.drawText(pos - rect.center(), block.text());

        block = block.next();
    }
}

サードパーティライブラリ

Qt には、テキスト描画機能を拡張するサードパーティライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、追加の機能やパフォーマンス向上を提供する場合があります。

例

最適な方法の選択

使用する方法は、要件によって異なります。

より高度な制御が必要な場合は、カスタム描画ルーチンを実装するか、サードパーティライブラリを使用します。
複雑なレイアウトのテキストをレンダリングする必要がある場合は、QTextLayout クラスを使用します。
シンプルで軽量な方法が必要な場合は、QPainter::drawText() 関数を使用します。

必要に応じて、複数の方法を組み合わせることができます。
各方法の長所と短所を比較検討することが重要です。