QGraphicsSceneDragDropEvent::source()のわかりやすい解説とサンプルコード

QGraphicsSceneDragDropEvent::source()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsSceneDragDropEventクラスのメソッドです。このメソッドは、ドラッグ＆ドロップイベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを返します。

詳細

QGraphicsSceneDragDropEventは、グラフィックスシーン内のドラッグ＆ドロップ操作に関する情報をカプセル化するイベントクラスです。このイベントは、QGraphicsViewオブジェクトがドラッグ＆ドロップ操作を検知したときに発生します。

source()メソッドは、このイベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトへのポインタを返します。この情報は、ドラッグ＆ドロップ操作の開始位置や、ドラッグ対象のデータなどを取得するために使用できます。

例

以下のコードは、QGraphicsSceneDragDropEventを受け取ったスロット内の例です。このコードでは、source()メソッドを使用して、イベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを取得しています。

void MyWidget::dragDropEvent(QGraphicsSceneDragDropEvent *event)
{
    QGraphicsView *view = event->source();
    // ... viewオブジェクトを使用して処理を行う ...
}

• QGraphicsViewオブジェクトは、ドラッグ＆ドロップ操作に関するさまざまなシグナルを発行します。これらのシグナルを接続して、ドラッグ＆ドロップ操作を処理することができます。

---

コード

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem(const QString &text)
        : QGraphicsItem()
    {
        setText(text);
        setFlags(QGraphicsItem::ItemIsMovable);
    }

protected:
    void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionGraphics *option, QWidget *widget) override
    {
        QRectF rect = boundingRect();
        painter->setPen(Qt::black);
        painter->drawRect(rect);
        painter->drawText(rect.center(), Qt::AlignCenter, text());
    }
};

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
        : QWidget()
    {
        scene = new QGraphicsScene(this);
        view = new QGraphicsView(scene, this);
        view->setDragDropMode(QGraphicsView::DragDrop);

        MyItem *item1 = new MyItem("Item 1");
        item1->setPos(50, 50);
        scene->addItem(item1);

        MyItem *item2 = new MyItem("Item 2");
        item2->setPos(150, 50);
        scene->addItem(item2);

        connect(view, &QGraphicsView::dragDropEvent, this, &MyWidget::dragDropEvent);
    }

private:
    void dragDropEvent(QGraphicsSceneDragDropEvent *event)
    {
        QGraphicsView *view = event->source();
        qDebug() << "Drag drop event from view:" << view->objectName();
    }

private:
    QGraphicsScene *scene;
    QGraphicsView *view;
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

説明

• このスロットでは、source()メソッドを使用して、イベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを取得し、そのオブジェクト名をデバッグ出力します。
• dragDropEvent()スロットは、QGraphicsViewオブジェクトでドラッグ＆ドロップイベントが発生したときに呼び出されます。
• MyWidgetクラスは、QGraphicsSceneとQGraphicsViewオブジェクトを管理するウィジェットを表します。
• MyItemクラスは、ドラッグ可能な矩形アイテムを表します。
• このコードは、MyItemという名前のグラフィックスアイテムクラスと、MyWidgetという名前のウィジェットクラスを定義しています。

実行方法

上記コードをコンパイルして実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

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QGraphicsSceneDragDropEvent::source()は、ドラッグ＆ドロップイベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを取得するための便利なメソッドですが、状況によっては代替方法が必要になる場合があります。

代替方法

以下に、QGraphicsSceneDragDropEvent::source()の代替方法をいくつか紹介します。

• event->scene()を使用する
  event->scene()メソッドは、ドラッグ＆ドロップイベントが発生したQGraphicsSceneオブジェクトへのポインタを返します。このオブジェクトを使用して、イベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを取得することができます。

void MyWidget::dragDropEvent(QGraphicsSceneDragDropEvent *event)
{
    QGraphicsScene *scene = event->scene();
    QGraphicsView *view = scene->views().first();
    // ... viewオブジェクトを使用して処理を行う ...
}

• event->pos()とview->viewportRect()を使用する
  event->pos()メソッドは、ドラッグ＆ドロップイベントが発生したときのカーソル位置を返します。この情報とview->viewportRect()メソッドを使用して、イベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトを特定することができます。

void MyWidget::dragDropEvent(QGraphicsSceneDragDropEvent *event)
{
    QPointF pos = event->pos();
    QRectF viewportRect = view->viewportRect();

    if (viewportRect.contains(pos)) {
        // ... viewオブジェクトを使用して処理を行う ...
    }
}

それぞれの方法の利点と欠点

• event->pos()とview->viewportRect()
  利点: 複数のQGraphicsViewオブジェクトが存在する場合でも、イベントの発生元となるQGraphicsViewオブジェクトを特定することができます。 欠点: event->pos()メソッドは、スクリーン座標を返します。そのため、view->viewportRect()メソッドを使用して、イベントが発生したQGraphicsViewオブジェクトのビューポート内での位置に変換する必要があります。

• event->scene()
  利点: 複数のQGraphicsViewオブジェクトが存在する場合でも、イベントの発生元となるQGraphicsViewオブジェクトを特定することができます。 欠点: QGraphicsViewオブジェクトを取得するために、1つ以上の追加のメソッド呼び出しが必要となります。

• event->source()
  利点: 最もシンプルでわかりやすい方法です。 欠点: 複数のQGraphicsViewオブジェクトが存在する場合は、どのオブジェクトがイベントの発生元なのかを特定できない場合があります。

状況に応じた選択

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

• 複数のQGraphicsViewオブジェクトが存在する場合は、event->scene()またはevent->pos()とview->viewportRect()を使用する必要があります。
• シンプルでわかりやすい方法が必要な場合は、event->source()を使用するのがおすすめです。