Qt: mocとuicの自動生成を完全マスター! AUTOGEN_TARGET_DEPENDS を使いこなすためのチュートリアル
CMake の "AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、Qt プロジェクトにおいて、自動生成される moc ファイルと uic ファイルの依存関係を指定するために使用されます。これらのファイルは、Qt のメタオブジェクトシステム (QMetaObject) とユーザーインターフェースコンパイラ (QUIC) によって生成され、C++ コードと Qt UI ファイルを相互作用させるために必要です。
詳細
"AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、";" で区切られたターゲット名またはファイル名のリストとして設定されます。これらの依存関係は、対応する _autogen
ターゲットに追加されます。_autogen
ターゲットは、moc ファイルと uic ファイルの生成に使用される一時的なターゲットです。
使用例
以下の例は、mytarget
ターゲットの _autogen
ターゲットに依存関係を追加する方法を示します。
set_property(TARGET mytarget PROPERTY AUTOGEN_TARGET_DEPENDS "mydep;myotherdep")
この場合、mydep
ターゲットと myotherdep
ターゲットが mytarget
ターゲットの _autogen
ターゲットの依存関係として追加されます。
- "AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、
AUTOMOC
またはAUTOUIC
プロパティがON
に設定されているターゲットにのみ使用できます。 - 依存関係として指定できるのは、ターゲット名またはファイル名のみです。
- "AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、Qt プロジェクトでのみ使用できます。
利点
"AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティを使用する利点は次のとおりです。
- 生成されたファイルの依存関係を管理することで、ビルドシステムの複雑さを軽減することができます。
- moc ファイルと uic ファイルの依存関係を明示的に指定することで、ビルドシステムの透明性と信頼性を向上させることができます。
set_property(TARGET mytarget PROPERTY AUTOGEN_TARGET_DEPENDS "mydep;myotherdep")
例 2: ファイル依存関係
この例では、mytarget
ターゲットの _autogen
ターゲットに myheader.h
ヘッダーファイルと mymetadata.json
メタデータファイルの依存関係を追加します。
set_property(TARGET mytarget PROPERTY AUTOGEN_TARGET_DEPENDS "myheader.h;mymetadata.json")
例 3: 複雑な依存関係
この例では、mytarget
ターゲットの _autogen
ターゲットに複数のターゲットとファイルの依存関係を追加します。
set_property(TARGET mytarget PROPERTY AUTOGEN_TARGET_DEPENDS "mydep;myotherdep;myheader.h;mymetadata.json;myui.ui")
- "AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、
AUTOMOC
またはAUTOUIC
プロパティがON
に設定されているターゲットにのみ使用できます。 - 依存関係として指定できるのは、ターゲット名またはファイル名のみです。
- これらの例は、
AUTOGEN_TARGET_DEPENDS
プロパティの使用方法を示すためのものです。実際のプロジェクトでは、必要に応じてこれらの例を調整する必要があります。
- 制限 2
"AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティは、AUTOMOC
またはAUTOUIC
プロパティがON
に設定されているターゲットにのみ使用できます。 - 制限 1
依存関係として指定できるのは、ターゲット名またはファイル名のみです。
これらの制限を克服するために、"AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティの代替方法をいくつか検討することができます。
代替方法 1: カスタムターゲット
カスタムターゲットを使用して、moc ファイルと uic ファイルの生成を明示的に制御することができます。この方法には、以下の利点があります。
- 生成されたファイルの出力場所を制御することができます。
- 依存関係をより細かく制御することができます。
ただし、この方法は "AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティよりも複雑で冗長になる可能性があります。
代替方法 2: CMake の "ADD_CUSTOM_COMMAND" コマンド
ADD_CUSTOM_COMMAND
コマンドを使用して、moc ファイルと uic ファイルの生成を明示的に実行することができます。この方法には、以下の利点があります。
- 生成されたファイルの出力場所を制御することができます。
- カスタムターゲットよりも柔軟性があります。
代替方法 3: QMake
QMake は、Qt プロジェクトをビルドするためのもう 1 つのツールです。QMake は、"AUTOGEN_TARGET_DEPENDS" プロパティと同様の機能を提供しているため、CMake の代替として使用することができます。
代替方法の選択
どの代替方法を選択するかは、プロジェクトの要件によって異なります。複雑な依存関係を管理する必要がある場合は、カスタムターゲットまたは ADD_CUSTOM_COMMAND
コマンドを使用する必要があります。より柔軟なソリューションが必要な場合は、QMake を使用することができます。
例
以下の例は、カスタムターゲットを使用して moc ファイルと uic ファイルを生成する方法を示します。
add_custom_target(_autogen
COMMAND ${QT_MOC} ${MYHEADER.h} -o ${MY_MOC_FILE}
COMMAND ${QT_UIC} ${MYUI.ui} -o ${MY_UI_FILE}
DEPENDS ${MYHEADER.h} ${MYUI.ui})
add_dependencies(mytarget _autogen)