【保存版】Androidアプリ開発におけるCMakeのANDROID_ASSETS_DIRECTORIES:アセットを扱うための詳細ガイド
ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
は CMake のターゲットプロパティであり、Android アプリケーションビルド時に assets
フォルダにコピーするディレクトリを指定するために使用されます。assets
フォルダは、画像、サウンド、テキストファイルなど、アプリケーションに必要な静的データを含む場所です。
構文
set_property(TARGET <target> PROPERTY ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES "<dir1>;<dir2>;...;<dirN>")
<dir1>
,<dir2>
, ...,<dirN>
は、assets
フォルダにコピーするディレクトリのパスです。各パスはセミコロンで区切ります。<target>
は、ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティを設定するターゲットの名前です。
例
set(MY_APP_ASSETS_DIR "${PROJECT_SOURCE_DIR}/assets")
set_property(TARGET my_app PROPERTY ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES "${MY_APP_ASSETS_DIR}")
この例では、my_app
という名前のターゲットに ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティを設定しています。このプロパティは、assets
フォルダに PROJECT_SOURCE_DIR/assets
ディレクトリの内容をコピーするように設定します。
assets
フォルダ内のファイルは、アプリケーションコードから直接アクセスできます。assets
フォルダは、アプリケーションパッケージのルートディレクトリにあります。ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティは、CMake バージョン 3.4 以降でのみ使用できます。
assets
フォルダとリソースディレクトリの違いは、assets
フォルダは静的データのみを格納するのに対し、リソースディレクトリは XML ファイル、レイアウトファイル、描画可能なファイルなど、さまざまな種類のファイルを格納できることです。ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティに加えて、ANDROID_RES_DIRECTORIES
プロパティを使用して、Android アプリケーションのリソースディレクトリを指定することもできます。
cmake_minimum_required(VERSION 3.4)
project(my_app)
set(PROJECT_SOURCE_DIR "${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}")
set(MY_APP_ASSETS_DIR "${PROJECT_SOURCE_DIR}/assets")
set(MY_APP_IMAGES_DIR "${MY_APP_ASSETS_DIR}/images")
set(MY_APP_SOUNDS_DIR "${MY_APP_ASSETS_DIR}/sounds")
# アプリケーションのソースコードをビルド
add_executable(my_app main.cpp)
# Android アプリケーションに必要なライブラリをリンク
target_link_libraries(my_app android)
# assets フォルダに画像とサウンドファイルをコピー
set_property(TARGET my_app PROPERTY ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES "${MY_APP_IMAGES_DIR};${MY_APP_SOUNDS_DIR}")
このコードでは、以下のことが行われています。
- CMake のバージョン要件を 3.4 に設定します。
- プロジェクトの名前を
my_app
に設定します。 - プロジェクトのソースディレクトリと、
assets
フォルダを含むアセットディレクトリのパスを設定します。 - 画像とサウンドファイル用のサブディレクトリを作成します。
my_app
という名前のターゲットを作成し、メインの C++ ファイルmain.cpp
をビルドするように設定します。- アプリケーションに必要な Android ライブラリをターゲットにリンクします。
ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティを使用して、images
とsounds
サブディレクトリの内容をassets
フォルダにコピーするように設定します。
このコードをビルドするには、次のコマンドを実行します。
cmake .
make
add_custom_command を使用する
add_custom_command
コマンドを使用して、assets
フォルダにファイルをコピーするカスタムコマンドを作成できます。 この方法は、より柔軟な制御を提供しますが、ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティよりも複雑になる可能性があります。
例
add_custom_command(
TARGET my_app
PRE_BUILD
COMMAND ${CMAKE_COMMAND} -E copy_directory ${MY_APP_ASSETS_DIR} ${CMAKE_CURRENT_BINARY_DIR}/assets
)
この例では、my_app
ターゲットのビルド前に、MY_APP_ASSETS_DIR
ディレクトリの内容を assets
フォルダにコピーするカスタムコマンドを作成しています。
長所
- 複雑なコピー操作を実行するために使用できます。
- より柔軟な制御を提供します。
短所
- CMake バージョン 3.1 以降でのみ使用できます。
ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティよりも複雑です。
install コマンドを使用する
install
コマンドを使用して、assets
フォルダにファイルをインストールすることもできます。 この方法は、シンプルですが、ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティよりも柔軟性に欠けます。
例
install(
DIRECTORY ${MY_APP_ASSETS_DIR}
DESTINATION ${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/assets
)
この例では、MY_APP_ASSETS_DIR
ディレクトリの内容を CMAKE_INSTALL_PREFIX/assets
フォルダにインストールしています。
長所
- CMake の古いバージョンでも使用できます。
- シンプルです。
短所
- インストールプロセスの一部としてファイルがコピーされるため、ビルドプロセスが遅くなる可能性があります。
ANDROID_ASSETS_DIRECTORIES
プロパティよりも柔軟性に欠けます。
手動でファイルをコピーする
最後の手段として、手動でファイルを assets
フォルダにコピーすることもできます。 これは、プロジェクトが小さくてシンプルな場合にのみ推奨されます。
長所
- 最もシンプルです。
- プロジェクトが大きくなると、管理が難しくなります。
- 時間がかかり、エラーが発生しやすいです。