ゲーム開発者必見! QVector3D::toPointF() 関数で 3D オブジェクトを 2D 画面に投影する方法
QVector3D::toPointF()
関数は、3Dベクトルを2D点に変換する関数です。変換において、z座標は無視されます。
構文
QPointF QVector3D::toPointF() const;
戻り値
変換された 2D 点 (QPointF
) を返します。
詳細
3Dベクトルは、x、y、z の 3 つの座標で構成されます。一方、2D 点は、x と y の 2 つの座標で構成されます。toPointF()
関数は、3D ベクトルの x と y 座標を使用して、2D 点を生成します。z 座標は無視されます。
例
QVector3D vector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f);
QPointF point2D = vector3D.toPointF();
std::cout << "2D point: (" << point2D.x() << ", " << point2D.y() << ")" << std::endl;
この例では、vector3D
という 3D ベクトルが作成されます。このベクトルの x 座標は 1.0、y 座標は 2.0、z 座標は 3.0 です。次に、toPointF()
関数を使用して、この 3D ベクトルを 2D 点に変換します。変換された 2D 点は point2D
変数に格納されます。最後に、point2D
変数の x 座標と y 座標が出力されます。
用途
toPointF()
関数は、3Dベクトルを2Dグラフィックスで使用する場合に役立ちます。たとえば、3Dベクトルを使用して3Dシーン内のオブジェクトの位置を表すことができ、toPointF()
関数を使用してそのオブジェクトを2D画面に投影することができます。
QVector3D
クラスには、3Dベクトルを2Dベクトルに変換する toVector2D()
関数もあります。toVector2D()
関数は、z 座標を保持します。
- この説明は、Qt 6.7.2 を基にしています。他のバージョンでは、関数の動作や引数が異なる場合があります。
#include <QApplication>
#include <QPainter>
#include <QVector3D>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// 3Dベクトルを作成
QVector3D vector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f);
// 2D点を作成
QPointF point2D = vector3D.toPointF();
// ウィジェットを作成
QWidget widget;
widget.setWindowTitle("QVector3D::toPointF() Example");
widget.resize(200, 200);
// ペイントイベントハンドラを設定
widget.show();
return app.exec();
}
void paintEvent(QPaintEvent *event)
{
// ペインターを取得
QPainter painter(this);
// 線の色を設定
painter.setPen(Qt::black);
// 線を描画
painter.drawLine(QPoint(0, 0), point2D.toPoint());
}
説明
- 最初に、
QApplication
オブジェクトを作成します。これは、Qt GUI アプリケーションを実行するために必要です。 - 次に、
QVector3D
オブジェクトを作成します。このオブジェクトは、x、y、z の 3 つの座標で構成される 3D ベクトルを表します。 - 次に、
toPointF()
関数を使用して、QVector3D
オブジェクトをQPointF
オブジェクトに変換します。QPointF
オブジェクトは、x と y の 2 つの座標で構成される 2D 点を表します。 - 次に、
QWidget
オブジェクトを作成します。このオブジェクトは、ウィンドウを表します。 - ウィンドウのタイトルを設定し、サイズを設定します。
paintEvent()
メソッドにペイントイベントハンドラを設定します。このメソッドは、ウィンドウが描画されるたびに呼び出されます。show()
メソッドを呼び出して、ウィンドウを表示します。paintEvent()
メソッドの実装では、ペインターを取得し、線の描画に必要な属性を設定します。- 最後に、
drawLine()
メソッドを使用して、原点 (0, 0) からpoint2D
点までの線を描画します。
このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。
[画像 of 線が描画されたウィンドウ]
代替方法
QVector3D::normalize()
とQVector2D::operator*=
を使用する
この方法は、ベクトルを単位化してから、2Dベクトルとの乗算を使用して、2D点に変換します。
QVector3D vector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f);
// ベクトルを単位化
vector3D.normalize();
// 2Dベクトルを作成
QVector2D vector2D(vector3D.x(), vector3D.y());
// 2D点を作成
QPointF point2D = vector2D * vector3D.length();
QVector3D::toGlobalPoint()
を使用する
この方法は、3Dベクトルをグローバル座標系における点に変換してから、2D点に変換します。
QVector3D vector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f);
// 3Dベクトルをグローバル座標系における点に変換
QPoint globalPoint = QApplication::globalMousePosition();
// 2D点を作成
QPointF point2D = globalPoint.toPointF();
- カスタム関数を使用する
独自のニーズに合わせたカスタム関数を作成することもできます。
QPointF myToPointF(const QVector3D &vector3D)
{
// 独自の変換ロジックを実装
// ...
return point2D;
}
// 使用例
QVector3D vector3D(1.0f, 2.0f, 3.0f);
QPointF point2D = myToPointF(vector3D);
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
QVector3D::toPointF() | シンプルで使いやすい | z 座標が無視される |
QVector3D::normalize() と QVector2D::operator*= | z 座標を考慮できる | 計算量が多い |
QVector3D::toGlobalPoint() | グローバル座標系における点に変換できる | アプリケーションに依存する |
カスタム関数 | 完全な制御が可能 | 開発コストが高い |