Qt GUIプログラミング: QTextCharFormat::underlineColor() でテキストに下線を引く方法

QTextCharFormat::underlineColor() は、Qt GUIライブラリで使用されるクラス QTextCharFormat のメソッドの一つで、テキストに下線を引く際の下線の色を設定するために使用されます。このメソッドは、テキストフォーマットオブジェクトに下線の色を指定することで、特定のテキスト範囲に下線を引くことができます。

文法

void QTextCharFormat::setUnderlineColor(const QColor &color);
QColor QTextCharFormat::underlineColor() const;

引数

color: 下線の色を表す QColor オブジェクト

戻り値

underlineColor(): 現在のテキストフォーマットにおける下線の色を表す QColor オブジェクト
setUnderlineColor(): なし

使い方

QTextCharFormat オブジェクトを作成します。
setUnderlineColor() メソッドを使用して、下線の色を設定します。
QTextDocument または QTextEdit オブジェクトに対して、設定したテキストフォーマットを適用します。

例

// QTextCharFormatオブジェクトを作成
QTextCharFormat format;

// 下線の色を赤色に設定
format.setUnderlineColor(Qt::red);

// QTextEditオブジェクトに対してテキストフォーマットを適用
QTextEdit *textEdit = new QTextEdit;
textEdit->setTextFormat(format);

テキストに下線を引くだけでなく、太字、斜体、フォントサイズなどの他のテキストフォーマットを設定することもできます。
下線のスタイルは、QTextCharFormat::underlineStyle() メソッドを使用して設定することができます。
下線の色を設定するには、QColor オブジェクトを使用する必要があります。QColor オブジェクトは、RGB値、16進数表記、名前付きの色など、さまざまな方法で色を指定することができます。

この説明が、Qt GUIにおける QTextCharFormat::underlineColor() の理解に役立つことを願っています。

例 1: 単一文字列に下線を引く

#include <QApplication>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // QTextEditオブジェクトを作成
  QTextEdit textEdit;

  // テキストを設定
  textEdit.setText("Hello, World!");

  // QTextCharFormatオブジェクトを作成
  QTextCharFormat format;

  // 下線の色を赤色に設定
  format.setUnderlineColor(Qt::red);

  // "World!" に下線を引く
  textEdit.findText("World!").setCharFormat(format);

  textEdit.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、"Hello, World!" というテキストが表示され、"World!" の部分が赤色の下線で強調表示されます。

例 2: 特定のパターンに一致するテキストに下線を引く

#include <QApplication>
#include <QTextEdit>
#include <QRegularExpression>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // QTextEditオブジェクトを作成
  QTextEdit textEdit;

  // テキストを設定
  textEdit.setText("This is a sample text. There are some words to underline.");

  // QTextCharFormatオブジェクトを作成
  QTextCharFormat format;

  // 下線の色を青色に設定
  format.setUnderlineColor(Qt::blue);

  // 正規表現を使用して、下線対象のテキストを検索
  QRegularExpression regex("\\bunderline\\b");

  // 検索結果に対してテキストフォーマットを適用
  QTextDocument *document = textEdit.document();
  QTextDocument::FindIterator it = document->find(regex);
  while (it.hasNext()) {
    QTextRange range = it.next();
    range.setCharFormat(format);
  }

  textEdit.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、"This is a sample text. There are some words to underline." というテキストが表示され、"underline" という単語が青色の下線で強調表示されます。

これらの例は、QTextCharFormat::underlineColor() メソッドを使用してテキストに下線を引くための基本的な方法を示しています。実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを適宜変更する必要があります。

ユーザーインタフェースを使用して、下線の色やスタイルを選択できるようにする
下線以外にも、太字、斜体、フォントサイズなどのテキストフォーマットを設定する
特定の条件に基づいて下線の色を動的に変更する

スタイルシートを使用する

Qt スタイルシートを使用すると、テキストフォーマットを CSS 構文で定義することができます。下線を引くには、text-decoration プロパティを使用します。

QTextEdit {
  text-decoration: underline;
}

このスタイルシートを適用すると、QTextEdit コントロール内のすべてのテキストに下線が引かれます。

HTML を使用する

HTML を使用すると、テキストに下線を引くためのタグを使用することができます。

<p><u>This text is underlined.</u></p>

この HTML を QTextEdit コントロールに設定すると、"This text is underlined." というテキストに下線が引かれます。

カスタムペイントイベントを使用する

カスタムペイントイベントを使用して、テキストに下線を手動で描画することができます。この方法は、より複雑な下線スタイルを作成する場合に役立ちます。

void QTextEdit::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // テキストを描画
  painter.drawText(textRect(), text());

  // 下線を描画
  for (const QTextRange &range : document()->findText(QRegularExpression("\\bunderline\\b"))) {
    painter.setPen(QPen(Qt::red));
    painter.drawLine(range.start(), range.end());
  }
}

このコードは、"underline" という単語に下線を引きます。

サードライブラリを使用する

Qt には、QTextCharFormat::underlineColor() の代替となる機能を提供するサードライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、より高度な機能や柔軟性を提供する場合があります。

例

最適な方法の選択

使用する方法は、要件によって異なります。

特定の機能が必要な場合は、サードライブラリを使用することを検討してください。
より複雑な下線スタイルを作成する場合は、スタイルシート、HTML、またはカスタムペイントイベントを使用する必要があります。
シンプルな下線を引く場合は、QTextCharFormat::underlineColor() が最も簡単で効率的な方法です。