【保存版】Qt GUIで上付き文字を極める!「QTextCharFormat::superScriptBaseline()」の使い方と代替方法
QTextCharFormat::superScriptBaseline()
は、Qt GUI 6.0以降で導入された機能で、テキストフォーマットにおける上付き文字のベースラインを、フォントの高さを基準とした割合で設定するためのものです。これは、数学記号や化学式などでよく用いられる上付き文字の位置をより精密に制御するために役立ちます。
機能
superScriptBaseline() const
: 設定されている上付き文字のベースラインを、フォント高さに対する割合で返します。setSuperScriptBaseline(qreal baseline)
: 上付き文字のベースラインを、フォント高さに対する割合 (baseline
) で設定します。baseline
は 0.0 ~ 1.0 の範囲で指定し、0.0 がフォントの底辺、1.0 がフォントの上辺となります。
QTextCharFormat format;
// 上付き文字のベースラインをフォント高さの 75% に設定
format.setSuperScriptBaseline(0.75);
// テキストにフォーマットを適用
textObject->setFormat(format);
- 上付き文字以外にも、下付き文字や特殊文字の配置も
QTextCharFormat
を用いて制御できます。 QTextCharFormat
は、テキストの書式設定を定義するためのクラスです。フォント、色、配置など、様々な属性を設定することができます。
- 上記以外にも、Qt GUI には様々な機能が用意されています。詳細は Qt ドキュメントを参照してください。
例1: 数式における上付き文字
#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QTextCharFormat>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルの作成
QLabel label;
// テキストの設定
label.setText("H²O");
// 上付き文字のベースライン設定
QTextCharFormat format;
format.setSuperScriptBaseline(0.5);
// 上付き文字部分にフォーマットを適用
label.textFormat().setRange(1, 1, format);
// ラベルの表示
label.show();
return app.exec();
}
このコードでは、"H²O" というテキストを表示するラベルを作成し、"²" 部分の上付き文字のベースラインをフォント高さの 50% に設定しています。
#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QTextCharFormat>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルの作成
QLabel label;
// テキストの設定
label.setText("CuSO₄");
// 上付き文字のベースライン設定
QTextCharFormat format;
format.setSuperScriptBaseline(0.6);
// 上付き文字部分にフォーマットを適用
label.textFormat().setRange(4, 1, format);
// ラベルの表示
label.show();
return app.exec();
}
- 複数の文字列にフォーマットを適用したい場合は、
setRange()
メソッドを複数回呼び出します。 - 上記の例では、
label.textFormat()
メソッドを用いてテキストフォーマットを取得し、setRange()
メソッドで適用範囲を指定しています。
- 上記以外にも、Qt GUI には様々な機能が用意されています。詳細は Qt ドキュメントを参照してください。
代替方法
古いバージョンの Qt や、QTextCharFormat::superScriptBaseline()
を使用したくない場合は、以下の代替方法を用いることができます。
フォントスタイルによる設定
- フォントスタイルには、ベースラインオフセットと呼ばれる属性があり、この属性を用いて上付き文字のベースラインを調整することができます。
- 上付き文字用のフォントスタイルを作成し、そのスタイルを上付き文字部分に適用します。
例
#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QFont>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルの作成
QLabel label;
// テキストの設定
label.setText("H²O");
// 上付き文字用のフォントスタイルの作成
QFont font("Arial", 12);
font.setBaselineShift(QFont::SubscriptPosition);
font.setPointSize(font.pointSize() * 0.7); // フォントサイズを小さくする
// 上付き文字部分にフォントスタイルを適用
label.textFormat().setRange(1, 1, font);
// ラベルの表示
label.show();
return app.exec();
}
QTextObject::adjustPosition() による設定
adjustPosition()
メソッドには、x
とy
という引数があり、それぞれ水平方向と垂直方向のオフセットを指定することができます。- 上付き文字部分のテキストオブジェクトを取得し、
adjustPosition()
メソッドを用いてベースラインを調整します。
例
#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QTextObject>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルの作成
QLabel label;
// テキストの設定
label.setText("H²O");
// 上付き文字部分のテキストオブジェクトを取得
QTextObject *textObject = label.textFormat().toTextObject(1, 1);
// ベースラインを調整
textObject->adjustPosition(0, 3); // 垂直方向に 3 ピクセル上へ移動
// ラベルの表示
label.show();
return app.exec();
}
- 詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。
- 上記の代替方法は、
QTextCharFormat::superScriptBaseline()
と比べて機能が制限される場合があります。
- 上記以外にも、Qt GUI には様々な機能が用意されています。詳細は Qt ドキュメントを参照してください。