Qt Widgetsでスクロールの滑らかさを調整: QScrollerProperties::FrameRates徹底解説


QScrollerProperties::FrameRatesは、Qt Widgetsにおけるスクロールやドラッグ操作時のフレームレートを制御するための列挙型です。このプロパティを設定することで、ユーザーインターフェースの滑らかさやパフォーマンスを調整することができます。

利用方法

QScrollerProperties::FrameRatesを使用するには、以下の手順に従います。

  1. QScrollerPropertiesオブジェクトを作成します。
  2. setScrollerProperty()関数を使用して、QScrollerProperties::FrameRatesプロパティを設定します。
  3. 引数として、使用したいフレームレート値を指定します。

QScrollerProperties properties;
properties.setScrollerProperty(QScrollerProperties::FrameRates, QScrollerProperties::Fps60);

このコードは、スクロールやドラッグ操作時のフレームレートを60fpsに設定します。

利用可能なフレームレート

QScrollerProperties::FrameRatesは以下の値を定義しています。

  • Fps60
    60fps (デフォルト値)
  • Fps45
    45fps
  • Fps30
    30fps
  • Fps20
    20fps
  • フレームレートを下げる場合は、ユーザーインターフェースの滑らかさが低下する可能性があることに注意してください。
  • 高いフレームレートを設定すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
  • 設定できるフレームレートは、デバイスの性能によって制限されます。


#include <QApplication>
#include <QScroller>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label("Hello, World!");
  label.setAlignment(Qt::AlignCenter);

  // スクロールビューを作成
  QScroller *scroller = new QScroller(&label);
  scroller->setFixedHeight(200);

  // フレームレートを設定
  scroller->properties().setScrollerProperty(QScrollerProperties::FrameRates, QScrollerProperties::Fps30);

  // スクロールビューをウィジェットに設定
  QWidget widget;
  widget.setLayout(new QHBoxLayout);
  widget.layout()->addWidget(scroller);

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

  • スクロールやドラッグ操作時のフレームレートは30fpsに設定されています。
  • スクロールビューを使用して、ラベルを上下にスクロールすることができます。
  • ラベルが中央揃えで表示されます。

説明

  • show()関数は、ウィジェットを表示するために使用されます。
  • QHBoxLayoutは、ラベルとスクロールビューを水平方向に配置するために使用されます。
  • QScrollerProperties::FrameRatesプロパティは、フレームレートを設定するために使用されます。
  • setScrollerProperty()関数は、スクロールビューのプロパティを設定するために使用されます。
  • setFixedHeight()関数は、スクロールビューの高さを固定するために使用されます。
  • QScrollerオブジェクトは、スクロールビューを作成するために使用されます。
  • QLabelオブジェクトは、ラベルを作成するために使用されます。

カスタマイズ

このコードは、ニーズに合わせてカスタマイズすることができます。

  • スクロールバーを表示/非表示することができます。
  • フレームレートを変更することができます。
  • スクロールビューのサイズを変更することができます。
  • ラベルのテキストを変更することができます。


QAbstractAnimation を使用する

QAbstractAnimation を使用して、スクロールやドラッグ操作をアニメーション化することができます。アニメーションの速度を設定することで、フレームレートを制御することができます。

#include <QApplication>
#include <QScroller>
#include <QLabel>
#include <QPropertyAnimation>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label("Hello, World!");
  label.setAlignment(Qt::AlignCenter);

  // スクロールビューを作成
  QScroller *scroller = new QScroller(&label);
  scroller->setFixedHeight(200);

  // アニメーションを作成
  QPropertyAnimation *animation = new QPropertyAnimation(scroller, "scrollPosition");
  animation->setDuration(1000); // 1秒かけてスクロール
  animation->setStartValue(0);
  animation->setEndValue(100); // 100ピクセルスクロール

  // アニメーションを開始
  animation->start();

  // スクロールビューをウィジェットに設定
  QWidget widget;
  widget.setLayout(new QHBoxLayout);
  widget.layout()->addWidget(scroller);

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

QTimer を使用する

QTimer を使用して、定期的にスクロールやドラッグ操作を実行することができます。タイマーのインターバルを設定することで、フレームレートを制御することができます。

#include <QApplication>
#include <QScroller>
#include <QLabel>
#include <QTimer>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label("Hello, World!");
  label.setAlignment(Qt::AlignCenter);

  // スクロールビューを作成
  QScroller *scroller = new QScroller(&label);
  scroller->setFixedHeight(200);

  // タイマーを作成
  QTimer *timer = new QTimer;
  timer->setInterval(16); // 16msごとにスクロール

  // タイマーの接続
  QObject::connect(timer, &QTimer::timeout, scroller, &QScroller::scroll);

  // タイマーを開始
  timer->start();

  // スクロールビューをウィジェットに設定
  QWidget widget;
  widget.setLayout(new QHBoxLayout);
  widget.layout()->addWidget(scroller);

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

カスタムスクロールバーを使用する

カスタムスクロールバーを作成して、スクロールやドラッグ操作を制御することができます。カスタムスクロールバーでは、フレームレートを自由に設定することができます。

プラットフォーム固有の API を使用する

一部のプラットフォームでは、フレームレートを制御するためのプラットフォーム固有の API が提供されています。これらの API を使用することで、より詳細な制御が可能になります。