Qtでスクロールイベントを駆使する：QScrollEvent::QScrollEvent()の代替方法も紹介

Qt GUIは、クロスプラットフォームなGUIアプリケーション開発フレームワークです。QScrollEvent::QScrollEvent()は、スクロール操作が発生した際に送信されるイベントクラスです。このイベントは、スクロールバーやマウスホイールによる操作によって発生します。

QScrollEvent::QScrollEvent() の構成要素

QScrollEvent::QScrollEvent() コンストラクタは、以下の引数を取ります。

• scrollState: スクロール状態を表すScrollStateフラグ
• overshootDistance: スクロールオーバーシュートの距離を表すQPointFオブジェクト
• contentPos: スクロール後のコンテンツの位置を表すQPointFオブジェクト

ScrollStateフラグ

ScrollStateフラグは、スクロール操作の状態を表します。以下のフラグが定義されています。

• ScrollFinished: スクロール操作が完了したことを示します。
• ScrollUpdated: スクロール操作が進行中であることを示します。
• ScrollStarted: スクロール操作が開始されたことを示します。

QScrollEvent::QScrollEvent() の使用方法

QScrollEvent::QScrollEvent() コンストラクタを使用して、新しいQScrollEventオブジェクトを作成できます。作成されたイベントオブジェクトは、QScrollArea などのウィジェットに送信できます。

例

QPointF contentPos(100, 200);
QPointF overshootDistance(50, 0);
QScrollEvent::ScrollState scrollState = QScrollEvent::ScrollStarted;

QScrollEvent *event = new QScrollEvent(contentPos, overshootDistance, scrollState);
widget->sendEvent(event);

この例では、contentPos を (100, 200) に、overshootDistance を (50, 0) に、scrollState を ScrollStarted に設定して、新しいQScrollEventオブジェクトを作成しています。そして、作成されたイベントオブジェクトを widget に送信しています。

QScrollEvent::QScrollEvent() は、スクロール操作が発生した際に送信されるイベントクラスです。このイベントは、スクロールバーやマウスホイールによる操作によって発生します。ScrollStateフラグを使用して、スクロール操作の状態を表すことができます。

• この説明は、Qt GUI 6.7.1 に基づいています。

---

#include <QApplication>
#include <QWidget>
#include <QScrollBar>
#include <QScrollArea>

class MyWidget : public QWidget {
public:
    MyWidget() {
        // コンテンツウィジェットを作成
        contentWidget = new QWidget;
        contentWidget->resize(200, 300);

        // スクロールエリアを作成
        scrollArea = new QScrollArea;
        scrollArea->setWidget(contentWidget);

        // スクロールバーを作成
        hScrollBar = new QScrollBar(Qt::Horizontal);
        vScrollBar = new QScrollBar(Qt::Vertical);

        // スクロールバーをスクロールエリアに接続
        connect(hScrollBar, SIGNAL(valueChanged(int)), scrollArea->horizontalScrollBar(), SLOT(setValue(int)));
        connect(vScrollBar, SIGNAL(valueChanged(int)), scrollArea->verticalScrollBar(), SLOT(setValue(int)));

        // スクロールイベントの処理
        connect(scrollArea->horizontalScrollBar(), SIGNAL(valueChanged(int)), this, SLOT(onHorizontalScroll(int)));
        connect(scrollArea->verticalScrollBar(), SIGNAL(valueChanged(int)), this, SLOT(onVerticalScroll(int)));

        // レイアウトを設定
        QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout;
        layout->addWidget(scrollArea);
        layout->addWidget(vScrollBar);
        setLayout(layout);
    }

signals:
    void horizontalScrollValueChanged(int value);
    void verticalScrollValueChanged(int value);

private slots:
    void onHorizontalScroll(int value) {
        emit horizontalScrollValueChanged(value);
    }

    void onVerticalScroll(int value) {
        emit verticalScrollValueChanged(value);
    }

private:
    QWidget *contentWidget;
    QScrollArea *scrollArea;
    QScrollBar *hScrollBar;
    QScrollBar *vScrollBar;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

• コンテンツウィジェットをスクロールすると、onHorizontalScroll() または onVerticalScroll() シグナルが送信されます。
• スクロールバーを使用して、コンテンツウィジェットをスクロールできます。
• ウィンドウ内には、コンテンツウィジェットとスクロールバーが表示されます。
• ウィンドウが表示されます。

例2: マウスホイールによるスクロール

この例では、マウスホイールを使用してコンテンツをスクロールし、スクロールイベントを処理する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QWidget>
#include <QScrollArea>

class MyWidget : public QWidget {
public:
    MyWidget() {
        // コンテンツウィジェットを作成
        contentWidget = new QWidget;
        contentWidget->resize(200, 300);

        // スクロールエリアを作成
        scrollArea = new QScrollArea;
        scrollArea->setWidget(contentWidget);

        // マウスホイールイベントの処理
        scrollArea->installEventFilter(this);
    }

protected:
    bool eventFilter(QEvent *event) override {
        if (event->type() == QEvent::Wheel) {
            QWheelEvent *wheelEvent = static_cast<QWheelEvent *>(event);
            int delta = wheelEvent->delta();

            // スクロール方向に応じて、スクロールバーを操作
            if (delta > 0) {
                scrollArea->verticalScrollBar()->setValue(scrollArea->verticalScrollBar()->value() - delta);
            } else if (delta < 0) {
                scrollArea->verticalScrollBar()->setValue(scrollArea->verticalScrollBar()->value() - delta);
            }

            return true;
        }

        return QObject::eventFilter(event);
    }

private:
    QWidget *contentWidget;
    QScrollArea *scrollArea;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

• ウィンドウ内には、コンテンツウィジェットとスクロールバーが表示されます。
• ウィンドウが表示されます。

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以下に、QScrollEvent::QScrollEvent() の代替方法として検討できるいくつかの方法を示します。

QScroller クラスを使用する

QScroller クラスは、より高レベルのスクロール制御を提供します。QScroller を使用すると、以下の操作を実行できます。

• スナップポイントを設定する
• スクロールアニメーションを作成する
• スクロール速度を制御する

QScroller を使用する例を次に示します。

QScroller *scroller = new QScroller(widget);
scroller->setSnapPositions(QList<QPointF>() << QPointF(0, 0) << QPointF(100, 0) << QPointF(200, 0));

connect(scroller, SIGNAL(stateChanged(QScroller::State)), this, SLOT(onScrollerStateChanged(QScroller::State)));
connect(scroller, SIGNAL(valueChanged(QPointF)), this, SLOT(onScrollerValueChanged(QPointF)));

このコードでは、QScroller オブジェクトを作成し、コンテンツウィジェットをスクロールするように設定しています。また、stateChanged() と valueChanged() シグナルに接続して、スクロール状態と値の変化を監視しています。

QAbstractProxyModel クラスを使用する

QAbstractProxyModel クラスを使用すると、モデル内のデータに基づいてコンテンツをスクロールできます。QAbstractProxyModel を使用すると、以下の操作を実行できます。

• データアイテムをフィルタリングする
• データアイテムの順序を変更する
• データアイテムの表示/非表示を切り替える

QAbstractProxyModel を使用する例を次に示します。

QAbstractProxyModel *model = new MyProxyModel(this);
model->setSourceModel(dataModel);

QListView *listView = new QListView;
listView->setModel(model);

このコードでは、MyProxyModel オブジェクトを作成し、データモデルを設定しています。また、QListView を作成し、MyProxyModel をモデルとして設定しています。

カスタムシグナルを使用する

独自のシグナルを作成して、スクロール操作を通知することもできます。この方法は、より柔軟な制御が必要な場合に役立ちます。

カスタムシグナルを使用する例を次に示します。

class MyWidget : public QWidget {
public:
    signals:
        void scrolled(int deltaX, int deltaY);

private:
    void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override {
        QPoint oldPos = lastPos;
        lastPos = event->pos();

        int deltaX = oldPos.x() - lastPos.x();
        int deltaY = oldPos.y() - lastPos.y();

        emit scrolled(deltaX, deltaY);
    }

private:
    QPoint lastPos;
};

このコードでは、scrolled() シグナルを作成し、マウス移動イベントでこのシグナルを発行しています。

QScrollEvent::QScrollEvent() は、スクロール操作を検出および処理するための一般的な方法ですが、状況によっては、他の方法の方が適切な場合があります。上記で説明した代替方法を検討することで、ニーズに合った最善の方法を選択することができます。

• QScroller クラスは、Qt 5.6 以降でのみ使用できます。
• カスタムシグナルを使用する場合は、シグナルの名前と引数に関する標準的な慣習に従うことが重要です。
• 使用する代替方法は、アプリケーションの要件によって異なります。