Qt GUI アプリケーションにおけるセッション再起動：QSessionManager::restartHint() の詳細解説

restartHint() 関数は、以下の 3 つの値のいずれかを返すことができます。

Ignore
セッションマネージャーはアプリケーションの再起動を処理しません。
RestartAnyway
アプリケーションが実行されているかどうかにかかわらず再起動されます。
RestartIfRunning
アプリケーションが既に実行されている場合は再起動されません。

restartHint() 関数は、アプリケーションが終了する前に呼び出す必要があります。これにより、セッションマネージャーはアプリケーションの状態を保存し、後で復元することができます。

#include <QSessionManager>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // セッションマネージャーを取得します。
  QSessionManager *sessionManager = QSessionManager::instance();

  // アプリケーションが常に再起動されるように設定します。
  sessionManager->setRestartHint(QSessionManager::RestartAnyway);

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、restartHint() 関数が RestartAnyway に設定されているため、アプリケーションは常に再起動されます。

例 1: アプリケーションが常に再起動されるように設定する

#include <QSessionManager>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // セッションマネージャーを取得します。
  QSessionManager *sessionManager = QSessionManager::instance();

  // アプリケーションが常に再起動されるように設定します。
  sessionManager->setRestartHint(QSessionManager::RestartAnyway);

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、restartHint() 関数が RestartAnyway に設定されているため、アプリケーションは常に再起動されます。

例 2: アプリケーションが実行されているかどうかにかかわらず再起動されるように設定する

#include <QSessionManager>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // セッションマネージャーを取得します。
  QSessionManager *sessionManager = QSessionManager::instance();

  // アプリケーションが実行されているかどうかにかかわらず再起動されるように設定します。
  sessionManager->setRestartHint(QSessionManager::RestartIfRunning);

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、restartHint() 関数が RestartIfRunning に設定されているため、アプリケーションが既に実行されている場合は再起動されません。ただし、アプリケーションが終了している場合は再起動されます。

例 3: セッションマネージャーに再起動処理を任せる

#include <QSessionManager>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // セッションマネージャーを取得します。
  QSessionManager *sessionManager = QSessionManager::instance();

  // セッションマネージャーに再起動処理を任せます。
  sessionManager->setRestartHint(QSessionManager::Ignore);

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、restartHint() 関数が Ignore に設定されているため、セッションマネージャーはアプリケーションの再起動を処理しません。アプリケーションは、通常の終了プロシージャに従って終了します。

QSessionManager::restartHint() の代替方法として、以下の方法が考えられます。

カスタムシグナルとスロット を使用して、アプリケーション間で再起動要求を伝達する。この方法を使用すると、より柔軟な再起動ロジックを実装することができます。
QSettings クラスを使用して、アプリケーションの状態を保存し、後で復元する。この方法を使用すると、セッションマネージャーに依存することなく、アプリケーションを再起動することができます。
QProcess::startDetached() 関数を使用して、アプリケーションを新しいプロセスで起動する。この方法を使用すると、セッションマネージャーはアプリケーションの再起動を認識しません。

代替方法を選択する際には、以下の点に注意する必要があります。

実装の複雑さ
セッションマネージャーとの互換性
アプリケーションの要件

以下に、各代替方法の詳細と例を示します。

QProcess::startDetached() 関数を使用する

QProcess::startDetached() 関数は、アプリケーションを新しいプロセスで起動します。この方法を使用すると、セッションマネージャーはアプリケーションの再起動を認識しません。

#include <QProcess>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // アプリケーションを新しいプロセスで起動します。
  QProcess *process = new QProcess();
  process->startDetached(qApp->applicationFilePath());

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、QProcess::startDetached() 関数が使用されて、現在のアプリケーションと同じ実行ファイルで新しいプロセスが起動されています。

QSettings クラスを使用する

QSettings クラスを使用して、アプリケーションの状態を保存し、後で復元することができます。この方法を使用すると、セッションマネージャーに依存することなく、アプリケーションを再起動することができます。

#include <QSettings>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // アプリケーションの状態を保存します。
  QSettings settings("MyCompany", "MyApp");
  settings.setValue("windowGeometry", QApplication::desktop()->windowGeometry());

  // ...

  // アプリケーションを終了します。
  QApplication::quit();

  // アプリケーションを再起動します。
  QProcess::startDetached(qApp->applicationFilePath());

  return 0;
}

この例では、QSettings クラスを使用して、ウィンドウのジオメトリが保存されています。アプリケーションが終了すると、QProcess::startDetached() 関数が使用されて、アプリケーションが再起動されます。

カスタムシグナルとスロットを使用する

カスタムシグナルとスロット を使用して、アプリケーション間で再起動要求を伝達することができます。この方法を使用すると、より柔軟な再起動ロジックを実装することができます。

#include <QApplication>

class MyApplication : public QApplication {
public:
  MyApplication(int argc, char *argv[]) : QApplication(argc, argv) {}

signals:
  void restartRequested();

public slots:
  void handleRestartRequest() {
    // アプリケーションを再起動します。
    QProcess::startDetached(applicationFilePath());
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  MyApplication app(argc, argv);

  // 再起動要求シグナルに接続します。
  QObject::connect(&app, &MyApplication::restartRequested, &app, &MyApplication::handleRestartRequest);

  // ...

  return app.exec();
}

この例では、MyApplication クラスがカスタムシグナル restartRequested を定義しています。このシグナルは、handleRestartRequest() スロットに接続されています。handleRestartRequest() スロットは、QProcess::startDetached() 関数を使用して、アプリケーションを再起動します。