Qt GUIプログラミングの極意：QScrollPrepareEvent::setContentPos()を使いこなして自由自在なスクロールを実現

QScrollPrepareEvent::setContentPos() は、Qt GUI フレームワークにおいて、スクロールウィジェットのコンテンツの位置を設定するために使用されるメソッドです。このメソッドは、QScrollPrepareEvent イベントを受け取った際に呼び出され、コンテンツの表示領域における位置を QPointF 型の引数で指定します。

使用方法

void setContentPos(const QPointF &pos);

引数

• pos: コンテンツの位置を表す QPointF 型の値。

戻り値

なし

詳細

QScrollPrepareEvent::setContentPos() メソッドは、スクロールウィジェットのコンテンツの位置を直接設定します。これは、ユーザーによるドラッグ操作やプログラムによる操作によってコンテンツが移動した場合などに、コンテンツの位置を調整するために使用されます。

このメソッドを呼び出す際には、コンテンツのサイズと表示領域のサイズを考慮する必要があります。コンテンツのサイズが表示領域のサイズよりも大きい場合、コンテンツはスクロールバーを使用して表示できます。

例

QScrollArea *scrollArea = new QScrollArea(this);
scrollArea->setWidget(new QLabel("This is the content"));

QScrollPrepareEvent event(QPointF(100, 50));
scrollArea->event(&event);

上記の例では、QScrollPrepareEvent イベントを作成し、コンテンツの位置を (100, 50) に設定しています。このイベントを QScrollArea ウィジェットに送信すると、コンテンツの位置が (100, 50) に調整されます。

• QScrollPrepareEvent::setContentPos() メソッドは、スクロールウィジェットのコンテンツの位置を直接設定するため、他のスクロールイベントが発生する前に呼び出す必要があります。
• QScrollPrepareEvent::setContentPos() メソッドは、コンテンツの位置を設定するだけでなく、コンテンツのサイズと表示領域のサイズも設定できます。詳細は、QScrollPrepareEvent クラスのドキュメントを参照してください。

関連するクラス

• QScroller
• QScrollPrepareEvent
• QScrollArea

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#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QScrollArea>
#include <QScrollPrepareEvent>

class MyWidget : public QWidget {
public:
    MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
        QLabel *label = new QLabel("This is the content");
        scrollArea = new QScrollArea(this);
        scrollArea->setWidget(label);

        connect(this, &MyWidget::customScrollPrepareEvent, this, &MyWidget::onCustomScrollPrepareEvent);
    }

protected:
    void customScrollPrepareEvent(QScrollPrepareEvent *event) {
        event->setContentPos(QPointF(100, 50));
    }

private:
    QScrollArea *scrollArea;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    MyWidget widget;
    widget.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、QScrollArea ウィジェットに QLabel ウィジェットが表示されます。コンテンツは最初はウィジェットの中央に表示されますが、customScrollPrepareEvent() メソッドによってコンテンツの位置が (100, 50) に調整されます。

説明

• event->setContentPos(QPointF(100, 50)) 行は、コンテンツの位置を (100, 50) に設定します。
• customScrollPrepareEvent() メソッドは、QScrollPrepareEvent イベントが発生したときに呼び出されます。
• MyWidget クラスは、QLabel ウィジェットを QScrollArea ウィジェットに配置するカスタムウィジェットです。

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QScroller クラスを使用する

QScroller クラスは、より高レベルなスクロール機能を提供します。QScroller を使用すると、コンテンツの位置をアニメーションで移動したり、スクロールの速度を制御したりすることができます。

QScroller *scroller = new QScroller(scrollArea);
scroller->scrollTo(QPointF(100, 50), 200);

上記の例では、QScroller オブジェクトを作成し、コンテンツを (100, 50) の位置に 200 ミリ秒かけてアニメーションで移動します。

QAbstractScrollArea::scrollTo() メソッドを使用する

QAbstractScrollArea クラスの scrollTo() メソッドは、コンテンツの位置を指定した位置に移動します。

scrollArea->scrollTo(100, 50);

上記の例では、QScrollArea ウィジェットのコンテンツを (100, 50) の位置に移動します。

QScrollBar::setValue() メソッドを使用する

スクロールバーがある場合、QScrollBar::setValue() メソッドを使用してコンテンツの位置を間接的に設定することができます。

scrollArea->horizontalScrollBar()->setValue(100);
scrollArea->verticalScrollBar()->setValue(50);

上記の例では、QScrollArea ウィジェットの水平スクロールバーの値を 100 に、垂直スクロールバーの値を 50 に設定します。これにより、コンテンツが (100, 50) の位置に表示されます。

イベントハンドラを使用する

QScrollPrepareEvent 以外のイベントハンドラを使用して、コンテンツの位置を調整することもできます。

void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) {
    if (event->buttons() & Qt::LeftButton) {
        QPointF delta = event->pos() - lastMousePos;
        scrollArea->verticalScrollBar()->setValue(
            scrollArea->verticalScrollBar()->value() - delta.y());
        lastMousePos = event->pos();
    }
}

上記の例では、マウスのドラッグ操作中にコンテンツの位置を調整するイベントハンドラを実装しています。

方法	長所	短所
QScroller	アニメーションや速度制御が可能	複雑
QAbstractScrollArea::scrollTo()	シンプル	アニメーションや速度制御ができない
QScrollBar::setValue()	シンプル	間接的な方法
イベントハンドラ	柔軟性が高い	複雑