初心者でも安心!Qt Widgetsでメニューをもっと便利にする:showTearOffMenu()チュートリアル


QMenu::showTearOffMenu()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQMenuクラスのメソッドであり、メニューを引き剥がして独立したウィンドウとして表示するための機能を提供します。この機能は、頻繁に使用するメニュー項目を常に表示させ、ユーザーの操作性を向上させるのに役立ちます。

メソッドの動作

showTearOffMenu()メソッドを呼び出すと、以下の処理が行われます。

  1. 現在のマウスカーソルの位置を基準としたオフセットで、メニューが引き剥がされます。
  2. 引き剥がされたメニューは、独立したウィンドウとして表示されます。
  3. 引き剥がされたメニューウィンドウには、元のメニューと同じアクションが表示されます。

メソッドの引数

showTearOffMenu()メソッドには、以下の引数を渡すことができます。

  • pos: メニューを引き剥がす位置を指定するQPoint型の引数です。引数を省略した場合、現在のマウスカーソルの位置が使用されます。

メソッドの戻り値

showTearOffMenu()メソッドは、void型の値を返します。

QMenu menu;
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");
menu.addAction("アクション3");

menu.setTearOffEnabled(true); // 引き剥がしの可否を設定

menu.exec(QCursor::pos()); // メニューを表示

// または

QPoint pos(100, 200);
menu.showTearOffMenu(pos);
  • 引き剥がされたメニューウィンドウを閉じるには、ウィンドウを閉じるための標準的な方法を使用できます。
  • QMenu::isTearOffEnabled()メソッドを使用して、メニューの引き剥がしが許可されているかどうかを確認できます。
  • QMenu::isTearOffMenuVisible()メソッドを使用して、引き剥がされたメニューウィンドウが表示されているかどうかを確認できます。


#include <QApplication>
#include <QMenu>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // メニューの作成
  QMenu menu;
  menu.addAction("アクション1");
  menu.addAction("アクション2");
  menu.addAction("アクション3");

  // 引き剥がしの可否を設定
  menu.setTearOffEnabled(true);

  // マウスカーソルの位置でメニューを表示
  menu.exec(QCursor::pos());

  return app.exec();
}

説明

  1. QApplicationオブジェクトを作成します。
  2. QMenuオブジェクトを作成します。
  3. メニューにアクションを追加します。
  4. メニューの引き剥がしの可否を設定します。
  5. 現在のマウスカーソルの位置でメニューを表示します。

実行結果

このコードを実行すると、以下のようになります。

  1. マウスカーソルの位置にメニューが表示されます。
  2. マウスボタンを押しながらメニューをドラッグすると、メニューが引き剥がされて独立したウィンドウとして表示されます。
  3. 引き剥がされたメニューウィンドウには、元のメニューと同じアクションが表示されます。
  • menu.showTearOffMenu()関数を使用して、メニューを直接引き剥がすこともできます。この関数は、ブロックされません。
  • このコード例では、menu.exec()関数を使用してメニューを表示しています。この関数は、メニューが閉じられるまでブロックされます。


サブメニューを使用する

頻繁に使用するメニュー項目をグループ化するために、サブメニューを使用することができます。サブメニューは、親メニューから派生したメニューであり、親メニューと同じウィンドウ内に表示されます。

コード例

QMenu menu;

QMenu *subMenu = menu.addMenu("サブメニュー");
subMenu->addAction("アクション1");
subMenu->addAction("アクション2");

menu.addAction("アクション3");

menu.exec(QCursor::pos());

コンテキストメニューを使用する

ウィジェットにコンテキストメニューを設定することで、ユーザーがウィジェットを右クリックしたときにメニューを表示することができます。コンテキストメニューは、ウィジェットの位置に表示されます。

コード例

QWidget widget;

QMenu menu;
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");

widget.setContextMenuPolicy(Qt::CustomContextMenu);
connect(widget, &QWidget::customContextMenuRequested, &menu, &QMenu::exec);

widget.show();

ドッキングウィンドウを使用する

メニュー項目を常に表示させたい場合は、ドッキングウィンドウを使用することができます。ドッキングウィンドウは、アプリケーションウィンドウ内に配置できる独立したウィンドウであり、自由に移動したりサイズを変更したりすることができます。

コード例

QDockWidget *dockWidget = new QDockWidget("メニュー");
dockWidget->setWidget(menu);

QMainWindow window;
window.addDockWidget(Qt::LeftDockWidgetArea, dockWidget);
window.show();

ツールバーを使用する

コード例

QToolBar toolbar;
toolbar.addAction("アクション1");
toolbar.addAction("アクション2");

QMainWindow window;
window.addToolBar(Qt::TopToolBar, &toolbar);
window.show();

それぞれの方法の利点と欠点

それぞれの方法には、それぞれ利点と欠点があります。

  • ツールバー: アイコンでメニュー項目を表示させるのに適していますが、テキストラベルを表示できない場合があります。
  • ドッキングウィンドウ: メニュー項目を常に表示させるのに適していますが、画面領域を占有してしまう可能性があります。
  • コンテキストメニュー: 特定のウィジェットに関連するアクションを提供するのに適していますが、すべての状況で使用できるわけではありません。
  • サブメニュー: メニュー項目を論理的にグループ化することができますが、メニュー構造が複雑になる可能性があります。