例1:基本的な区切り線を追加する


QMenuBar::addSeparator() メソッドは、Qtアプリケーションのメニューバーに区切り線を追加するために使用されます。区切り線は、メニュー項目を視覚的にグループ分けし、ユーザーインターフェースを整理するのに役立ちます。

メソッドの詳細

QMenuBar::addSeparator() メソッドは、QAction オブジェクトを返します。このオブジェクトは、区切り線の外観と動作を制御するために使用できます。

メソッドの構文

QAction *QMenuBar::addSeparator();

メソッドの戻り値

このメソッドは、新しく作成された区切り線を表す QAction オブジェクトを返します。

次のコードは、メニューバーに区切り線を追加し、その外観をカスタマイズする方法を示しています。

QMenuBar *menuBar = new QMenuBar(this);
menuBar->addSeparator();

QAction *separator = menuBar->addSeparator();
separator->setIcon(QIcon(":/images/separator.png"));
separator->setText("オプション");

このコードでは、まず新しい QMenuBar オブジェクトを作成し、ウィンドウに配置します。次に、addSeparator() メソッドを使用して、メニューバーに区切り線を追加します。

その後、addSeparator() メソッドによって返された QAction オブジェクトを取得し、そのアイコンとテキストを設定します。これにより、区切り線が画像とラベルで視覚化されます。

  • 区切り線の外観は、スタイルシートを使用してカスタマイズできます。
  • 区切り線をクリックしても何も起こりません。これは、メニュー項目とは異なり、アクションと関連付けられていないためです。
  • 区切り線は、メニュー項目の間に配置することも、メニューの最後に配置することもできます。

上記の説明に加えて、以下の点にも注意する必要があります。

  • Qt 5.11 より前のバージョンでは、QMenuBar::addSeparator() メソッドは QAction オブジェクトではなく QMenu オブジェクトを返していました。
  • QMenuBar::addSeparator() メソッドは、Qt Widgets モジュールのみに含まれています。Qt ChartsやQt Quick Controlsなどの他の Qt モジュールでは使用できません。


例1:基本的な区切り線を追加する

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QMenuBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);
  QMainWindow window;

  QMenuBar *menuBar = window.menuBar();

  // ファイルメニューを追加
  QMenu *fileMenu = menuBar->addMenu("&ファイル");
  fileMenu->addAction("&新規");
  fileMenu->addAction("&開く");
  fileMenu->addAction("&保存");
  fileMenu->addAction("&終了");

  // 編集メニューを追加
  QMenu *editMenu = menuBar->addMenu("&編集");
  editMenu->addAction("&元に戻す");
  editMenu->addAction("&やり直し");
  editMenu->addAction("&切り取り");
  editMenu->addAction("&コピー");
  editMenu->addAction("&貼り付け");

  // 区切り線を追加
  menuBar->addSeparator();

  // ヘルプメニューを追加
  QMenu *helpMenu = menuBar->addMenu("&ヘルプ");
  helpMenu->addAction("&ヘルプ");
  helpMenu->addAction("&バージョン情報");

  window.show();
  return app.exec();
}

このコードを実行すると、次のようになります。

例2:区切り線にアイコンとテキストを設定する

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QMenuBar>
#include <QIcon>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);
  QMainWindow window;

  QMenuBar *menuBar = window.menuBar();

  // ファイルメニューを追加
  QMenu *fileMenu = menuBar->addMenu("&ファイル");
  fileMenu->addAction("&新規");
  fileMenu->addAction("&開く");
  fileMenu->addAction("&保存");
  fileMenu->addAction("&終了");

  // 編集メニューを追加
  QMenu *editMenu = menuBar->addMenu("&編集");
  editMenu->addAction("&元に戻す");
  editMenu->addAction("&やり直し");
  editMenu->addAction("&切り取り");
  editMenu->addAction("&コピー");
  editMenu->addAction("&貼り付け");

  // 区切り線を追加し、アイコンとテキストを設定
  QAction *separator = menuBar->addSeparator();
  separator->setIcon(QIcon(":/images/separator.png"));
  separator->setText("オプション");

  // ヘルプメニューを追加
  QMenu *helpMenu = menuBar->addMenu("&ヘルプ");
  helpMenu->addAction("&ヘルプ");
  helpMenu->addAction("&バージョン情報");

  window.show();
  return app.exec();
}

説明

上記のコードは、以下の内容を実装しています。

  • 区切り線にアイコンとテキストを設定します。
  • 区切り線をメニューバーに追加します。
  • 各メニューにアクションを追加します。
  • ファイル、編集、ヘルプの 3 つのメニューを追加します。
  • メインウィンドウとメニューバーを作成します。
  • スタイルシートを使用して、区切り線の外観をさらにカスタマイズできます。
  • 区切り線のアイコンとテキストは、必要に応じて変更できます。
  • 上記のコードは、Qt Creator で簡単に実行できます。


空白スペースを利用する

最も簡単な代替方法は、メニュー項目間に空白スペースを追加することです。 これを実現するには、次の方法があります。

  • メニュー項目間に固定幅のスペーサー (QSpacerItem) を挿入する。
  • 各メニュー項目のテキストにスペースを追加する。

この方法はシンプルで軽量ですが、区切り線ほど視覚的に目立たない場合があります。 また、メニュー項目のレイアウトが変更されると、空白スペースの位置がずれてしまう可能性があります。

カスタムウィジェットを使用する

区切り線の代わりに、カスタムウィジェット (ラベル、アイコンなど) を使用することができます。 この方法は、区切り線よりも柔軟な外観と動作を実現できます。

カスタムウィジェットを使用する利点は次のとおりです。

  • 区切り線をクリックできるようにすることができます。
  • 区切り線にアクションを関連付けることができます。
  • 区切り線の外観を完全に制御できます。

ただし、カスタムウィジェットを使用すると、コードが複雑になる可能性があります。 また、パフォーマンス上の問題が発生する可能性もあります。

スタイルシートを使用する

Qt スタイルシートを使用して、メニューバーの区切り線の外観をカスタマイズすることができます。 これにより、区切り線のスタイルをアプリケーション全体のスタイルと一致させることができます。

スタイルシートを使用する利点は次のとおりです。

  • アプリケーション全体のスタイルと区切り線のスタイルを一致させることができます。
  • コードを変更せずに区切り線の外観を変更できます。

ただし、スタイルシートを使用するには、Qt スタイルシートの構文を理解する必要があります。 また、スタイルシートがすべてのプラットフォームで正しくレンダリングされるとは限りません。

サブメニューを使用する

区切り線の代わりに、サブメニューを使用することができます。 サブメニューは、メニュー項目を論理的にグループ化し、ユーザーインターフェースを整理するのに役立ちます。

サブメニューを使用する利点は次のとおりです。

  • ユーザーインターフェースを整理できます。
  • メニュー項目を論理的にグループ化できます。

ただし、サブメニューは、ユーザーが目的のメニュー項目を見つけにくくする可能性があります。 また、メニューバーの領域を占有してしまう可能性があります。

最適な代替方法を選択する

最適な代替方法は、アプリケーションの要件によって異なります。 シンプルで軽量な方法が必要な場合は、空白スペースを使用するか、カスタムウィジェットを使用します。 区切り線の外観を完全に制御する必要がある場合は、カスタムウィジェットを使用します。 アプリケーション全体のスタイルと区切り線のスタイルを一致させる必要がある場合は、スタイルシートを使用します。 メニュー項目を論理的にグループ化し、ユーザーインターフェースを整理する必要がある場合は、サブメニューを使用します。

以下のコードは、空白スペースを使用してメニューバーに区切り線を追加する方法を示しています。

QMenu *fileMenu = menuBar->addMenu("&ファイル");
fileMenu->addAction("&新規");
fileMenu->addAction("&開く");
fileMenu->addAction("&保存");
fileMenu->addAction("&終了");

// ファイルメニューと編集メニューの間に空白スペースを追加
fileMenu->addAction(QAction::createSeparator()); // 空白スペースを追加

QMenu *editMenu = menuBar->addMenu("&編集");
editMenu->addAction("&元に戻す");
editMenu->addAction("&やり直し");
editMenu->addAction("&切り取り");
editMenu->addAction("&コピー");
editMenu->addAction("&貼り付け");

この例は、空白スペースを使用してメニューバーに区切り線を追加する方法を示すほんの一例です。 上記で説明した他の代替方法についても、ぜひ試してみてください。