【超便利】Qt Widgets QMenu::aboutToHide()を使ってワンランク上のアプリ開発


QMenu::aboutToHide()は、Qt WidgetsにおけるQMenuクラスのシグナルであり、メニューが非表示になる直前に送信されます。このシグナルは、メニューが閉じられる前に最後の処理を実行するために使用できます。

用途

QMenu::aboutToHide()シグナルは、さまざまな目的に使用できます。以下に、一般的な例をいくつか紹介します。

  • メニューが閉じられたときに、ユーザーにフィードバックを提供する
  • メニューが閉じられたときに、関連するウィジェットの状態を更新する
  • メニューが閉じられたときに、メニュー内のデータの保存や破棄を行う

シグナルの接続

QMenu::aboutToHide()シグナルをスロットに接続するには、以下のコードを使用します。

connect(menu, &QMenu::aboutToHide, this, &MyClass::onAboutToHide);

このコードは、menuという名前のQMenuオブジェクトのaboutToHide()シグナルを、MyClassクラスのonAboutToHide()スロットに接続します。

スロットの実装

onAboutToHide()スロットは、メニューが非表示になる直前に実行されます。このスロット内で、必要な処理を実行できます。

void MyClass::onAboutToHide()
{
    // メニューが閉じられたときに実行する処理
    qDebug() << "Menu is about to hide";

    // データの保存
    saveData();

    // 関連するウィジェットの状態の更新
    updateWidgetState();
}

このコードは、qDebug()関数を使用して、メニューが非表示になることをデバッグログに記録します。次に、saveData()関数を呼び出して、メニュー内のデータを保存します。最後に、updateWidgetState()関数を呼び出して、関連するウィジェットの状態を更新します。

  • QMenu::aboutToHide()シグナルは、メニューが非表示になるたびに送信されます。メニューを非表示にした後に再度表示しても、シグナルは再度送信されます。
  • QMenu::aboutToHide()シグナルは、メニューが非表示になる前に送信されるため、メニューが閉じられたかどうかを確認する必要はありません。

以下のコードは、QMenu::aboutToHide()シグナルを使用して、メニューが閉じられたときにメッセージボックスを表示する例です。

#include <QApplication>
#include <QMenu>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QMenu menu;
    menu.addAction("Action 1");
    menu.addAction("Action 2");

    connect(&menu, &QMenu::aboutToHide, []() {
        QMessageBox::information(nullptr, "Menu Closed", "The menu has been closed.");
    });

    menu.exec();

    return app.exec();
}

このコードは、Action 1Action 2という2つのアクションを含むメニューを作成します。次に、QMenu::aboutToHide()シグナルをラムダ式に接続します。ラムダ式は、メニューが閉じられたときにメッセージボックスを表示します。最後に、menu.exec()関数を使用して、メニューを表示します。



例1:メニューが閉じられたときにメッセージボックスを表示する

この例は、QMenu::aboutToHide()シグナルを使用して、メニューが閉じられたときにメッセージボックスを表示する方法を示しています。

#include <QApplication>
#include <QMenu>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QMenu menu;
    menu.addAction("Action 1");
    menu.addAction("Action 2");

    connect(&menu, &QMenu::aboutToHide, []() {
        QMessageBox::information(nullptr, "Menu Closed", "The menu has been closed.");
    });

    menu.exec();

    return app.exec();
}

例2:メニューが閉じられたときにデータを保存する

この例は、QMenu::aboutToHide()シグナルを使用して、メニューが閉じられたときにデータを保存する方法を示しています。

#include <QApplication>
#include <QMenu>
#include <QSettings>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QMenu menu;
    menu.addAction("Action 1");
    menu.addAction("Action 2");

    // 設定オブジェクトを作成
    QSettings settings("MyCompany", "MyApp");

    connect(&menu, &QMenu::aboutToHide, [&settings]() {
        // 設定にデータを保存
        settings.setValue("data", "This is some data");
    });

    menu.exec();

    return app.exec();
}


QMenu::hideEvent() オーバーライド

QMenu::hideEvent() は、メニューが非表示になるときに呼び出される仮想関数です。 この関数をオーバーライドすることで、メニューが非表示になる際に実行したい処理を記述できます。

class MyMenu : public QMenu
{
public:
    MyMenu(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void hideEvent(QHideEvent *event) override;
};

MyMenu::MyMenu(QWidget *parent) : QMenu(parent)
{
}

void MyMenu::hideEvent(QHideEvent *event)
{
    // メニューが非表示になったときに実行したい処理
    qDebug() << "Menu is hidden";

    // データの保存
    saveData();

    // 関連するウィジェットの状態の更新
    updateWidgetState();

    QMenu::hideEvent(event);
}

この方法は、QMenu::aboutToHide() シグナルよりも柔軟性がありますが、より多くのコードを書く必要があり、シグナルスロット接続の利点も享受できません。

カスタムフラグを使用する

メニューが非表示になるかどうかを追跡するために、カスタムフラグを使用することができます。 このフラグは、show()hide() メンバ関数を呼び出すたびに設定およびクリアできます。

class MyMenu : public QMenu
{
public:
    MyMenu(QWidget *parent = nullptr);

    void show() override;
    void hide() override;

protected:
    bool isHidden() const { return m_isHidden; }

private:
    bool m_isHidden = true;
};

MyMenu::MyMenu(QWidget *parent) : QMenu(parent)
{
}

void MyMenu::show()
{
    m_isHidden = false;
    QMenu::show();
}

void MyMenu::hide()
{
    if (!m_isHidden) {
        // メニューが非表示になったときに実行したい処理
        qDebug() << "Menu is hidden";

        // データの保存
        saveData();

        // 関連するウィジェットの状態の更新
        updateWidgetState();
    }

    m_isHidden = true;
    QMenu::hide();
}

この方法は、コードを簡潔に保ちたい場合に役立ちますが、QMenu::aboutToHide() シグナルほど柔軟ではありません。

タイマーを使用する

メニューが非表示になったことを検出するためにタイマーを使用することができます。 タイマーは、hide() メンバ関数が呼び出された後に開始し、一定時間が経過したら、メニューが非表示になったと判断します。

class MyMenu : public QMenu
{
public:
    MyMenu(QWidget *parent = nullptr);

    void show() override;
    void hide() override;

private:
    void onTimerEvent(QTimerEvent *event) override;

    QTimer m_timer;
};

MyMenu::MyMenu(QWidget *parent) : QMenu(parent)
{
}

void MyMenu::show()
{
    m_timer.stop();
    QMenu::show();
}

void MyMenu::hide()
{
    // タイマーを開始
    m_timer.start(100); // 100 ミリ秒後にタイマーイベントを発行

    QMenu::hide();
}

void MyMenu::onTimerEvent(QTimerEvent *event)
{
    if (event->timerId() == m_timer.timerId()) {
        // メニューが非表示になったときに実行したい処理
        qDebug() << "Menu is hidden";

        // データの保存
        saveData();

        // 関連するウィジェットの状態の更新
        updateWidgetState();
    }
}

この方法は、メニューが非表示になるタイミングをより精密に制御したい場合に役立ちますが、コードが煩雑になる可能性があります。

方法利点欠点
QMenu::hideEvent()柔軟性が高いコード量が多い