Qt GUIで仮想キーボードをカスタマイズしたい?QInputMethod::show()の使い方をマスターしよう


QInputMethod::show()は、Qt GUIアプリケーションにおいて、仮想キーボードを表示するためのメソッドです。これは、ソフトウェアキーボードと呼ばれることもあり、タッチスクリーンデバイスやデスクトップ環境で入力フィールドにフォーカスが当たった際に自動的に表示される場合もあります。

使用方法

QInputMethod::show()メソッドは、以下のコードのように呼び出すことができます。

QInputMethod::show();

このメソッドは、現在のプラットフォームで仮想キーボードがサポートされている場合にのみ、仮想キーボードを表示します。サポートされていない場合は、何もしません。

詳細

QInputMethod::show()メソッドは、次のことを行います。

  • 入力コンテキストにshowInputPanel()メソッドを呼び出し、仮想キーボードを表示するように指示します。
  • プラットフォーム固有の入力コンテキストを取得します。

次のコードは、QLineEditウィジェットにフォーカスが当たったときに仮想キーボードを表示する例です。

void QLineEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
    QInputMethod::show();
    QLineEdit::focusInEvent(event);
}
  • 仮想キーボードの外観と動作は、プラットフォームによって異なる場合があります。
  • QInputMethod::show()メソッドは、スレッドセーフではありません。マルチスレッドアプリケーションで使用する場合は、適切な同期メカニズムを実装する必要があります。
  • 仮想キーボードの機能をさらに制御するには、QInputMethodクラスの他のメソッドを使用することができます。


class MyLineEdit : public QLineEdit
{
public:
    MyLineEdit(QWidget *parent = nullptr) : QLineEdit(parent) {}

protected:
    void focusInEvent(QFocusEvent *event) override
    {
        QInputMethod::show();
        QLineEdit::focusInEvent(event);
    }
};

プッシュボタンをクリックして仮想キーボードを表示する

class MyPushButton : public QPushButton
{
public:
    MyPushButton(QWidget *parent = nullptr) : QPushButton(parent) {}

signals:
    void showInputMethod();

public slots:
    void showInputMethodClicked()
    {
        QInputMethod::show();
        emit showInputMethod();
    }
};

カスタム入力パネルを表示する

class MyInputPanel : public QWidget
{
public:
    MyInputPanel(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {}

protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override
    {
        QPainter painter(this);
        painter.drawText(rect(), Qt::AlignCenter, "Custom Input Panel");
    }
};

class MyLineEdit : public QLineEdit
{
public:
    MyLineEdit(QWidget *parent = nullptr) : QLineEdit(parent) {}

protected:
    void focusInEvent(QFocusEvent *event) override
    {
        QInputMethod inputMethod;
        QInputContext context = inputMethod.createInputContext(this);
        if (context) {
            MyInputPanel *panel = new MyInputPanel;
            context.showInputPanel(panel);
        }
        QLineEdit::focusInEvent(event);
    }
};

説明

上記のコード例は、QInputMethod::show()メソッドをどのように使用するかを示しています。

  • 例3 は、カスタム入力パネルを表示する方法を示しています。
  • 例2 は、プッシュボタンをクリックして仮想キーボードを表示する方法を示しています。
  • 例1 は、QLineEditウィジェットにフォーカスが当たったときに仮想キーボードを表示する方法を示しています。
  • 仮想キーボードの外観と動作は、プラットフォームによって異なる場合があります。
  • QInputMethodクラスには、仮想キーボードの機能をさらに制御するための他のメソッドも用意されています。


サードパーティ製のライブラリを使用する

仮想キーボードの機能を拡張するサードパーティ製のライブラリもいくつかあります。これらのライブラリは、カスタム入力パネルの作成や、マルチプラットフォームでの仮想キーボードのサポートなど、追加機能を提供する場合があります。

カスタムウィジェットを作成する

独自の仮想キーボードを作成することもできます。これは、高度なカスタマイズが必要な場合や、特定のニーズに合わせた機能が必要な場合に役立ちます。

それぞれの方法の利点と欠点

方法利点欠点
Qt APIを使用する簡単、プラットフォームに依存しない機能が限られている場合がある
プラットフォーム固有のAPIを使用するより詳細な制御が可能プラットフォームごとに異なる使用方法が必要
サードパーティ製のライブラリを使用する追加機能を提供する場合があるライブラリに依存する必要がある
カスタムウィジェットを作成する高度なカスタマイズが可能開発に時間と労力が必要

最適な方法の選択

最適な方法は、ニーズと要件によって異なります。

  • 高度なカスタマイズが必要な場合は、カスタムウィジェットを作成することを検討してください。
  • 追加機能が必要な場合は、サードパーティ製のライブラリを使用することを検討してください。
  • より詳細な制御が必要な場合は、プラットフォーム固有のAPIを使用することを検討してください。
  • 簡単でプラットフォームに依存しないソリューションが必要な場合は、Qt APIを使用するのがおすすめです。