【保存版】Qt Widgetsで快適なグラフィカルレイアウト開発！QGraphicsLayout::invalidate()と代替方法を使いこなそう

QGraphicsLayout::invalidate() は、Qt Widgets フレームワークにおけるグラフィックスレイアウトシステムの重要な機能です。この関数は、レイアウト内のアイテムの配置やサイズが変更された場合に、レイアウトを再計算する必要があることを示します。

動作

invalidate() を呼び出すと、以下の処理が行われます。

レイアウト内のすべてのキャッシュされたジオメトリとサイズヒント情報がクリアされます。
LayoutRequest イベントが親 QGraphicsLayoutItem に送信されます。このイベントは、レイアウトを再計算する必要があることを親に通知します。

具体的な状況

invalidate() を呼び出すべき具体的な状況は以下の通りです。

レイアウトのプロパティが変更された場合
レイアウト内のアイテムが追加または削除された場合
レイアウト内のアイテムのサイズまたは位置が変更された場合

例

QGraphicsLinearLayout *layout = new QGraphicsLinearLayout(Qt::Horizontal);
layout->addItem(new QGraphicsItem(QRectF(0, 0, 100, 50)));
layout->addItem(new QGraphicsItem(QRectF(100, 0, 150, 75)));

// アイテムの位置を変更
layout->itemAt(1)->setPos(250, 0);

// レイアウトを再計算
layout->invalidate();

注意点

レイアウトを頻繁に再計算するとパフォーマンスが低下する可能性があるため、必要に応じてのみ invalidate() を呼び出すようにしてください。
invalidate() は、レイアウトを再計算する必要があることを示すだけで、実際の再計算は LayoutRequest イベントを処理するコードによって行われます。

QGraphicsLayout::invalidate() は、レイアウトシステムを効率的に管理するために不可欠な機能です。この関数の動作を理解することで、レイアウトの変更を適切に処理し、パフォーマンスの高いグラフィックスアプリケーションを開発することができます。

アイテムの位置変更

#include <QApplication>
#include <QGraphicsLinearLayout>
#include <QGraphicsItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // レイアウトを作成
  QGraphicsLinearLayout *layout = new QGraphicsLinearLayout(Qt::Horizontal);

  // アイテムを追加
  QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
  QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem(QRectF(100, 0, 150, 75));
  layout->addItem(item1);
  layout->addItem(item2);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;
  scene.addItem(layout);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);
  view.show();

  // アイテムの位置を変更
  item2->setPos(250, 0);

  // レイアウトを再計算
  layout->invalidate();

  return app.exec();
}

アイテムの追加と削除

この例では、QGraphicsLinearLayout レイアウトにアイテムを追加し、削除した後、invalidate() を呼び出してレイアウトを再計算します。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsLinearLayout>
#include <QGraphicsItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // レイアウトを作成
  QGraphicsLinearLayout *layout = new QGraphicsLinearLayout(Qt::Horizontal);

  // アイテムを追加
  QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
  QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem(QRectF(100, 0, 150, 75));
  layout->addItem(item1);
  layout->addItem(item2);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;
  scene.addItem(layout);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);
  view.show();

  // アイテムを追加
  QGraphicsItem *item3 = new QGraphicsItem(QRectF(300, 0, 100, 50));
  layout->addItem(item3);

  // アイテムを削除
  layout->removeItem(item2);

  // レイアウトを再計算
  layout->invalidate();

  return app.exec();
}

この例では、QGraphicsLinearLayout レイアウトのspacing プロパティを変更し、invalidate() を呼び出してレイアウトを再計算します。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsLinearLayout>
#include <QGraphicsItem>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // レイアウトを作成
  QGraphicsLinearLayout *layout = new QGraphicsLinearLayout(Qt::Horizontal);

  // アイテムを追加
  QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem(QRectF(0, 0, 100, 50));
  QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem(QRectF(100, 0, 150, 75));
  layout->addItem(item1);
  layout->addItem(item2);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;
  scene.addItem(layout);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 300);
  view.show();

  // レイアウトプロパティを変更
  layout->setSpacing(20);

  // レイアウトを再計算
  layout->invalidate();

  return app.exec();
}

QGraphicsLayout::updateGeometry()`

QGraphicsLayout::updateGeometry() は、レイアウト内のアイテムのジオメトリのみを更新します。レイアウトのプロパティが変更されていない場合は、この方法の方が効率的です。

利点

レイアウト内のアイテムのジオメトリのみを更新
invalidate() よりも効率的

欠点

invalidate() よりも詳細な制御ができない
レイアウトのプロパティが変更された場合は、レイアウト全体を再計算する必要がある

個別にアイテムのジオメトリを更新する

レイアウト内の個々のアイテムのジオメトリを直接更新することもできます。これは、アイテムのみが変更された場合に役立ちます。

利点

詳細な制御が可能
非常に効率的

欠点

複雑なレイアウトでは難しい場合がある
レイアウト全体を再計算する必要がないことを判断する必要がある

レイアウトを再構築する

レイアウトを完全に再構築することもできます。これは、レイアウトが大幅に変更された場合に役立ちます。

利点

複雑なレイアウトでも処理可能
常に正しいレイアウトを保証

欠点

パフォーマンスに影響を与える可能性がある
最も非効率的な方法

最適な方法を選択する

最適な方法は、状況によって異なります。一般的に、以下のガイドラインに従うことをお勧めします。

複雑なレイアウトを処理する場合は、個別にアイテムのジオメトリを更新するか、レイアウトを再構築することを検討します。
レイアウトのプロパティが変更された場合は、QGraphicsLayout::invalidate() を使用します。
レイアウト内のアイテムのみが変更された場合は、QGraphicsLayout::updateGeometry() を使用します。

例

以下の例は、それぞれの代替方法を示しています。

例 1: QGraphicsLayout::updateGeometry()

layout->updateGeometry();

例 2: 個別にアイテムのジオメトリを更新する

item->setPos(newPos);
item->setSize(newSize);

QGraphicsScene scene;
scene.addItem(newLayout);
view->setScene(&scene);