【保存版】Qt Widgetsでよくあるレイアウトパターン：QGraphicsLayout::QGraphicsLayout()を活用した実践例

QGraphicsLayout::QGraphicsLayout() は、Qt Widgets モジュールの QGraphicsLayout クラスのコンストラクタです。このコンストラクタは、QGraphicsLayout オブジェクトを初期化し、レイアウト内のアイテムの管理と配置に関する基本的な機能を提供します。

構文

QGraphicsLayout::QGraphicsLayout(QGraphicsLayoutItem *parent = 0);

引数

parent: オプションの親レイアウトアイテムへのポインタ。デフォルトでは nullptr です。

戻り値

このコンストラクタはオブジェクトを構築し、初期化された QGraphicsLayout オブジェクトを返します。

機能

レイアウト内のアイテムの管理と配置に必要な内部データを初期化します。
親レイアウトアイテムを指定します (指定されない場合はなし)。
QGraphicsLayout オブジェクトを初期化します。

例

QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();

このコードは、親レイアウトアイテムなしで QGraphicsLayout オブジェクトを作成します。

QGraphicsLayout オブジェクトは、QGraphicsWidget に関連付けられます。QGraphicsWidget は、レイアウト内のアイテムを視覚化するために使用されます。
QGraphicsLayout は抽象クラスであり、レイアウト内のアイテムの配置に関する具体的なロジックは提供しません。具体的なレイアウトロジックを実装するには、QGraphicsLayout のサブクラスを使用する必要があります。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLinearLayout>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンを作成
  QGraphicsScene scene;

  // アイテムを作成
  QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem();
  item1->setRect(0, 0, 100, 50);
  item1->setBrush(Qt::red);

  QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem();
  item2->setRect(100, 0, 100, 50);
  item2->setBrush(Qt::green);

  QGraphicsItem *item3 = new QGraphicsItem();
  item3->setRect(200, 0, 100, 50);
  item3->setBrush(Qt::blue);

  // レイアウトを作成
  QGraphicsLinearLayout *layout = new QGraphicsLinearLayout(Qt::Horizontal);
  layout->addItem(item1);
  layout->addItem(item2);
  layout->addItem(item3);

  // シーンにレイアウトを追加
  scene.addItem(layout);

  // ビューを作成
  QGraphicsView view(&scene);
  view.resize(400, 200);
  view.show();

  return app.exec();
}

このコードの説明

QApplication オブジェクトを作成します。
QGraphicsScene オブジェクトを作成します。
3つの QGraphicsItem オブジェクトを作成します。
QGraphicsLinearLayout オブジェクトを作成し、3つのアイテムを追加します。
レイアウトをシーンに追加します。
QGraphicsView オブジェクトを作成し、シーンを設定します。
ビューを表示します。

実行結果

このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

3つの矩形が水平方向に並んでいます。それぞれの矩形は、作成時に設定された色で塗りつぶされています。

アイテム間のインタラクションを追加できます (信号とスロット、イベントハンドリングなど)。
アイテムのプロパティ (サイズ、色、透過度など) を変更できます。
レイアウトの種類を変更できます (垂直方向、グリッドなど)。
さまざまな種類のアイテム (円形、楕円形、テキストなど) を追加できます。

継承

QGraphicsLayout は抽象クラスであるため、独自のレイアウトロジックを実装したい場合は、QGraphicsLayout を継承する必要があります。これは、より柔軟性と制御性を提供しますが、より多くのコーディングも必要になります。

利点

独自のレイアウトアルゴリズムを実装できる
完全な制御が可能

欠点

基底クラスの機能を実装する必要がある
より多くのコーディングが必要

例

class MyLayout : public QGraphicsLayout {
public:
  void addItem(QGraphicsItem *item) override {
    // カスタムレイアウトロジックを実装
  }

  void layoutItems() override {
    // カスタムレイアウトロジックを実装
  }
};

QGraphicsGridLayout を使用する

QGraphicsGridLayout は、グリッドレイアウトを簡単に作成するためのクラスです。行と列の数を指定し、アイテムをセルに追加するだけで済みます。これは、単純なグリッドレイアウトを作成したい場合に適しています。

利点

コード量が少ない
グリッドレイアウトを簡単に作成できる

欠点

複雑なレイアウトには適していない
柔軟性が低い

例

QGraphicsGridLayout *layout = new QGraphicsGridLayout();
layout->addItem(item1, 0, 0);
layout->addItem(item2, 0, 1);
layout->addItem(item3, 1, 0);

QGraphicsItem を直接配置する

QGraphicsItem を QGraphicsScene に直接配置することもできます。アイテムの setPos() メソッドを使用して、アイテムの位置を設定できます。これは、アイテムを個別に配置したい場合に適しています。

利点

アイテムの配置を完全に制御できる
最もシンプルな方法

欠点

複雑なレイアウトには適していない
レイアウトを管理するのが難しい

例

item1->setPos(0, 0);
item2->setPos(100, 0);
item3->setPos(200, 0);

Qt QML を使用する

Qt QML は、宣言的な方法で UI を記述するための言語です。 QML には、さまざまなレイアウトコンポーネントが含まれており、QGraphicsLayout を使用せずにグラフィックスシーンを作成できます。これは、より柔軟で記述的な方法でレイアウトを作成したい場合に適しています。

利点

視覚的にレイアウトをデザインできる
コード量が少ない
柔軟性と記述性に優れている

欠点

パフォーマンスが劣る場合がある
C++ を学習する必要がある

例

import QtQuick2

Item {
  width: 400
  height: 200

  LinearLayout {
    orientation: Horizontal

    Item {
      width: 100
      height: 50
      color: "red"
    }

    Item {
      width: 100
      height: 50
      color: "green"
    }

    Item {
      width: 100
      height: 50
      color: "blue"
    }
  }
}

より柔軟で記述的な方法でレイアウトを作成したい場合は、Qt QML を使用します。
アイテムを個別に配置したい場合は、QGraphicsItem を直接配置します。
独自のレイアウトロジックを実装したい場合は、QGraphicsLayout を継承する必要があります。
シンプルなグリッドレイアウトを作成したい場合は、QGraphicsGridLayout を使用するのが最善の方法です。