Qt Widgetsで複雑なレイアウトを構築：レイアウトマネージャーとQGraphicsLayoutItem::sizePolicy()の連携

QGraphicsLayoutItem::sizePolicy() は、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsLayoutItemクラスのメソッドであり、アイテムのサイズポリシーを取得します。サイズポリシーは、アイテムがレイアウト内に配置された際に、どのように伸縮するかを制御します。

使用方法

QSizePolicy QGraphicsLayoutItem::sizePolicy() const;

このメソッドは、現在のアイテムのサイズポリシーをQSizePolicyオブジェクトとして返します。

サイズポリシー

QSizePolicyオブジェクトは、水平方向と垂直方向の伸縮性を個別に制御するためのプロパティを備えています。各方向の伸縮性は、以下のいずれかのポリシーで指定できます。

• Control
  アイテムのサイズはレイアウトによって決定されます。
• Expanding
  アイテムは可能な限り拡大されます。
• Maximum
  アイテムは最大サイズ以下には拡大されません。
• Preferred
  アイテムは推奨サイズに設定されます。
• Minimum
  アイテムは最小サイズ以上には縮小されません。
• Fixed
  アイテムは固定サイズに保持されます。

例

QGraphicsLayoutItem *item = new QGraphicsItem();

// アイテムのサイズポリシーを水平方向にExpanding、垂直方向にMinimumに設定
item->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);

// アイテムをレイアウトに追加
layout->addItem(item);

この例では、itemは水平方向に可能な限り拡大され、垂直方向には最小サイズ以上には縮小されません。

• アイテムのサイズは、setGeometry()メソッドを使用して設定できます。
• アイテムのサイズヒントは、sizeHint()メソッドを使用して取得できます。
• アイテムのサイズポリシーは、setSizePolicy()メソッドを使用して設定することもできます。

---

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLayout>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

  // アイテムのサイズポリシーを設定
  item->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);

  // アイテムをレイアウトに追加
  QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();
  layout->addItem(item);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下のウィンドウが表示されます。

緑色の矩形は、itemを表します。itemは水平方向に可能な限り拡大され、垂直方向には最小サイズに保持されています。

例2：アイテムのサイズヒントとサイズポリシーの設定

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLayout>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

  // アイテムのサイズヒントを設定
  item->setSizeHint(QSize(100, 50));

  // アイテムのサイズポリシーを設定
  item->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Preferred);

  // アイテムをレイアウトに追加
  QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();
  layout->addItem(item);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

緑色の矩形は、itemを表します。itemはサイズヒント(100 x 50)に基づいてサイズが設定され、サイズポリシー(Preferred)により、レイアウト内で可能な限り推奨サイズに近づけられます。

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLayout>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

  // アイテムのサイズを設定
  item->setGeometry(QRect(50, 20, 150, 80));

  // アイテムのサイズポリシーを設定
  item->setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

  // アイテムをレイアウトに追加
  QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();
  layout->addItem(item);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

---

代替方法

• レイアウトマネージャーを使用
  

  • レイアウトマネージャーを使用すると、アイテムのサイズと位置を自動的に調整することができます。
  • レイアウトマネージャーは、複雑なレイアウトを構築する場合に有効ですが、設定や理解に時間がかかる場合があります。

• アイテムのサイズと位置を直接設定
  

  • アイテムのサイズと位置を直接設定するには、setGeometry()メソッドを使用します。
  • この方法は、シンプルでわかりやすいですが、アイテムのレイアウトが変更された際に、アイテムのサイズと位置を再設定する必要が生じる場合があります。
• • アイテムの推奨サイズを取得するには、sizeHint()メソッドを使用します。
  • アイテムのサイズポリシーを設定するには、setSizePolicy()メソッドを使用します。
  • この方法は、より細かい制御が可能ですが、sizePolicy()よりもコード量が多くなる場合があります。

例

例1：sizeHint()とsetSizePolicy()の組み合わせ

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLayout>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

  // アイテムの推奨サイズを取得
  QSize sizeHint = item->sizeHint();

  // アイテムのサイズポリシーを設定
  item->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Preferred);

  // アイテムをレイアウトに追加
  QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();
  layout->addItem(item);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

このコードは、QGraphicsLayoutItem::sizePolicy()の例1とほぼ同じですが、sizeHint()を使用してアイテムの推奨サイズを取得しています。

例2：アイテムのサイズと位置を直接設定

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsLayout>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

  // アイテムのサイズと位置を設定
  item->setGeometry(QRect(50, 20, 150, 80));

  // アイテムをレイアウトに追加
  QGraphicsLayout *layout = new QGraphicsLayout();
  layout->addItem(item);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

このコードは、QGraphicsLayoutItem::sizePolicy()の例3とほぼ同じですが、setGeometry()を使用してアイテムのサイズと位置を直接設定しています。

例3：レイアウトマネージャーを使用

#include <QGraphicsItem>
#include <QGraphicsGridLayout>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>

int main() {
  // アイテムの作成
  QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem();
  QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem();
  QGraphicsItem *item3 = new QGraphicsItem();

  // レイアウトマネージャーの作成
  QGraphicsGridLayout *layout = new QGraphicsGridLayout();

  // アイテムをレイアウトに追加
  layout->addItem(item1, 0, 0);
  layout->addItem(item2, 0, 1);
  layout->addItem(item3, 1, 0, 1, 2);

  // レイアウトをシーンに追加
  QGraphicsScene *scene = new QGraphicsScene();
  scene->addItem(layout);

  // シーンをビューに表示
  QGraphicsView view(scene);
  view.show();

  return 0;
}

このコードは、3つのアイテムをグリッドレイアウトに配置する例です。QGraphicsGridLayoutは、アイテムを自動的にサイズ調整し、レイアウト内に配置します。

上記の例はあくまでも一例であり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。

• [Qt Widgets 6.7.1 - QGraphicsLayoutItem Class](