【初心者向け】Qt Widgetsでアイテムの有効/無効を操作：QGraphicsItem::setEnabled()の使い方

QGraphicsItem::setEnabled()は、Qt Widgetsにおけるグラフィックスアイテムの有効/無効を制御するメソッドです。有効なアイテムは、イベントを受け取り、シーン内で反応することができます。一方、無効なアイテムはイベントを無視し、反応しません。

使用方法

void QGraphicsItem::setEnabled(bool enabled);

このメソッドにtrueを指定すると、アイテムが有効になります。falseを指定すると、アイテムが無効になります。

デフォルト動作

デフォルトでは、すべてのアイテムは有効です。

影響

アイテムが無効であっても、setVisible()を使用して表示することはできます。
無効なアイテムの子アイテムも無効になります。
無効なアイテムは、イベントを無視し、反応しません。

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();
item->setPos(100, 100);
scene->addItem(item);

// アイテムを有効にする
item->setEnabled(true);

// アイテムを無効にする
item->setEnabled(false);

アイテムが無効であっても、setTransform()を使用して変形することはできます。
アイテムが無効であっても、setOpacity()を使用して透過度を設定することはできます。
アイテムが無効であっても、update()を使用して更新することはできます。

上記の説明は、Qt Widgets 6.7.1に基づいています。

例 1: アイテムをクリックして有効/無効を切り替える

この例では、アイテムをクリックすると、有効/無効が切り替わります。

#include <QGraphicsItem>
#include <QMouseEvent>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
    }

protected:
    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override {
        setEnabled(!isEnabled());
        update();
    }
};

例 2: アイテムを無効にして、マウスイベントを無視する

この例では、アイテムを無効にして、マウスイベントを無視します。

#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
        setEnabled(false);
    }
};

例 3: 無効なアイテムの子アイテムも無効にする

この例では、アイテムを無効にすると、その子アイテムも無効になります。

#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);

        QGraphicsItem *childItem = new QGraphicsItem();
        childItem->setPos(10, 10);
        addChildItem(childItem);
    }

protected:
    void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override {
        setEnabled(!isEnabled());
        update();
    }
};

例 4: 無効なアイテムでも setVisible() を使って表示する

この例では、アイテムを無効にしても、setVisible() を使って表示することができます。

#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
        setEnabled(false);
        setVisible(true);
    }
};

例 5: 無効なアイテムでも update() を使って更新する

この例では、アイテムを無効にしても、update() を使って更新することができます。

#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
        setEnabled(false);
    }

protected:
    void paint(QPainter *painter) override {
        painter->setPen(Qt::red);
        painter->drawRect(boundingRect());
    }
};

例 6: 無効なアイテムでも setOpacity() を使って透過度を設定する

この例では、アイテムを無効にしても、setOpacity() を使って透過度を設定することができます。

#include <QGraphicsItem>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
        setEnabled(false);
        setOpacity(0.5);
    }
};

例 7: 無効なアイテムでも setTransform() を使って変形する

この例では、アイテムを無効にしても、setTransform() を使って変形することができます。

#include <QGraphicsItem>
#include <QTransform>

class MyItem : public QGraphicsItem
{
public:
    MyItem() {
        setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable);
        setEnabled(false);

        QTransform transform;
        transform.rotate(45);
        setTransform(transform);
    }
};

アイテムのフラグを設定する

QGraphicsItem::setFlag() メソッドを使用して、アイテムのフラグを設定することができます。以下のフラグが有効/無効の制御に役立ちます。

QGraphicsItem::ItemAcceptsInput: アイテムが入力を受け付けられるかどうかを制御します。
QGraphicsItem::ItemIsFocusable: アイテムにフォーカスを設定できるかどうかを制御します。
QGraphicsItem::ItemIsSelectable: アイテムを選択可能かどうかを制御します。

これらのフラグを組み合わせることで、アイテムの有効/無効をより細かく制御することができます。

例

item->setFlag(QGraphicsItem::ItemIsSelectable, false);
item->setFlag(QGraphicsItem::ItemIsFocusable, false);
item->setFlag(QGraphicsItem::ItemAcceptsInput, false);

アイテムを非表示にする

QGraphicsItem::setVisible() メソッドを使用して、アイテムを非表示にすることができます。非表示のアイテムは、イベントを無視し、反応しません。

例

item->setVisible(false);

アイテムをシーンから削除する

QGraphicsScene::removeItem() メソッドを使用して、アイテムをシーンから削除することができます。シーンから削除されたアイテムは、イベントを無視し、反応しません。

例

scene->removeItem(item);

カスタムイベントハンドラを使用する

カスタムイベントハンドラを使用して、アイテムに対するイベントを処理することができます。イベントハンドラ内で、イベントを無視したり、特定のイベントのみを処理したりすることができます。

例

bool MyItem::sceneEvent(QGraphicsSceneEvent *event) {
    if (event->type() == QEvent::GraphicsItemClicked) {
        // アイテムをクリックしたときの処理
    } else {
        // その他のイベントを無視
        return true;
    }
}

最適な方法の選択

どの代替方法が最適かは、状況によって異なります。

カスタムロジックが必要な場合は、カスタムイベントハンドラを使用するのが良いでしょう。
アイテムを完全にシーンから削除する必要がある場合は、QGraphicsScene::removeItem() を使用するのが良いでしょう。
アイテムを一時的に非表示にしたい場合は、QGraphicsItem::setVisible() を使用するのが良いでしょう。
アイテムを部分的に無効にしたい場合は、アイテムのフラグを設定するのが良いでしょう。
アイテムを完全に無効にしたい場合は、QGraphicsItem::setEnabled() を使用するのが最も簡単です。

使用する代替方法は、アイテムの種類やアプリケーションの要件によって異なります。
複数の代替方法を組み合わせて使用することもできます。
上記の代替方法は、すべて互いに排他的ではありません。

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