【初心者向け】Qt Widgets: グラフィックアイテムのフォーカスを自由自在に - QGraphicsItem::focusItem()の使い方


QGraphicsItem::focusItem() は、現在フォーカスを持っているグラフィックアイテムを取得するために使用される Qt Widgets ライブラリの関数です。これは、ユーザーがキーボードやマウスを使用してどのアイテムに焦点を合わせているかを判断する際に役立ちます。

使い方

QGraphicsItem::focusItem() は、以下のコードのように使用できます。

QGraphicsItem* focusedItem = scene->focusItem();

このコードは、現在のシーン (scene) に焦点を合わせているアイテム (focusedItem) を取得します。

戻り値

QGraphicsItem::focusItem() は、フォーカスを持っているアイテムを QGraphicsItem* ポインタとして返します。フォーカスを持っているアイテムがない場合は、nullptr を返します。

次の例は、QGraphicsItem::focusItem() を使用して、フォーカスを持っているアイテムの色を変更する方法を示します。

void MyGraphicsView::mousePressEvent(QMouseEvent* event)
{
    QGraphicsItem* focusedItem = scene->focusItem();
    if (focusedItem) {
        focusedItem->setBrush(Qt::red);
    }
}

このコードは、ユーザーがシーン内のアイテムをクリックしたときに実行されます。まず、QGraphicsItem::focusItem() を使用して、クリックされたアイテムを取得します。アイテムがフォーカスを持っている場合は、そのアイテムの色を赤色に変更します。

注意事項

  • アイテムがフォーカスを持っているかどうかは、QGraphicsItem::hasFocus() メソッドによって確認できます。このメソッドが true を返すと、アイテムはフォーカスを持っています。
  • アイテムがフォーカスを持てるかどうかは、QGraphicsItem::acceptsFocus() メソッドによって決定されます。このメソッドが false を返すと、アイテムはフォーカスを持つことができません。
  • QGraphicsItem::focusItem() は、シーン内のアイテムにのみ焦点を合わせることができます。シーン外のアイテムは、フォーカスを持つことはできません。

QGraphicsItem::focusItem() は、Qt Widgets ライブラリでグラフィックアイテムのフォーカスを管理するために使用できる便利な関数です。この関数は、フォーカスを持っているアイテムを取得したり、アイテムのフォーカス状態を変更したりするために使用できます。



void MyGraphicsView::mousePressEvent(QMouseEvent* event)
{
    QGraphicsItem* focusedItem = scene->focusItem();
    if (focusedItem) {
        focusedItem->setBrush(Qt::red);
    }
}

説明

例2:フォーカスを持っているアイテムをログに記録する

void MyGraphicsView::keyPressEvent(QKeyEvent* event)
{
    QGraphicsItem* focusedItem = scene->focusItem();
    if (focusedItem) {
        qDebug() << "Focused item: " << focusedItem->objectName();
    }
}

説明

このコードは、ユーザーがシーン内のアイテムにキーを押したときに実行されます。まず、QGraphicsItem::focusItem() を使用して、フォーカスを持っているアイテムを取得します。アイテムがフォーカスを持っている場合は、そのアイテムの名前をログに記録します。

例3:フォーカスを持っているアイテムを別のアイテムに設定する

void MyGraphicsView::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent* event)
{
    QGraphicsItem* focusedItem = scene->focusItem();
    if (focusedItem) {
        QGraphicsItem* otherItem = scene->itemAt(event->pos());
        if (otherItem) {
            otherItem->setFocus();
        }
    }
}

説明

このコードは、ユーザーがシーン内のアイテムをダブルクリックしたときに実行されます。まず、QGraphicsItem::focusItem() を使用して、フォーカスを持っているアイテムを取得します。アイテムがフォーカスを持っている場合は、ダブルクリックされたアイテムを取得します。ダブルクリックされたアイテムが存在する場合は、そのアイテムにフォーカスを設定します。

これらの例は、QGraphicsItem::focusItem() を使用してグラフィックアイテムのフォーカスを管理する方法を示すほんの一例です。この関数は、さまざまな方法で使用できます。

  • アイテムがフォーカスを失ったときにイベントをトリガーする
  • キーボードショートカットを使用してアイテムにフォーカスを設定する
  • 特定の種類のアイテムに焦点を合わせないようにする


QGraphicsItem::focusItem() は、現在のシーンでフォーカスを持っているアイテムを取得するために使用できる便利な関数ですが、いくつかの制限があります。

  • アイテムがフォーカスを持っているかどうかは、QGraphicsItem::hasFocus() メソッドによって確認できます。このメソッドが true を返すと、アイテムはフォーカスを持っています。
  • アイテムがフォーカスを持てるかどうかは、QGraphicsItem::acceptsFocus() メソッドによって決定されます。このメソッドが false を返すと、アイテムはフォーカスを持つことができません。
  • シーン外のアイテムはフォーカスを持つことができません。

これらの制限により、QGraphicsItem::focusItem() が常に目的どおりに機能するとは限りません。そのような場合は、代替方法を検討する必要があります。

代替方法

QGraphicsItem::focusItem() の代替方法として、次の方法があります。

  • QGraphicsScene::selection() メソッドを使用する

QGraphicsScene::selection() メソッドは、現在選択されているすべてのアイテムを返す QList<QGraphicsItem*> オブジェクトを返します。選択されているアイテムが 1 つだけの場合、そのアイテムはフォーカスを持っていると考えられます。

QList<QGraphicsItem*> selectedItems = scene->selection();
if (selectedItems.size() == 1) {
    QGraphicsItem* focusedItem = selectedItems.first();
    // ...
}
  • カスタムフォーカスシステムを実装する

独自のフォーカスシステムを実装すると、より多くの制御と柔軟性を備えることができます。これには、独自のフォーカスイベントハンドラを作成し、フォーカス状態を管理するカスタムロジックを実装することが含まれます。

この方法はより複雑ですが、より複雑な要件を満たす必要がある場合に役立ちます。

  • アイテムがフォーカスを失ったときにイベントをトリガーする独自の信号を作成します。
  • キーボードショートカットを使用してアイテムにフォーカスを設定します。
  • 特定のアイテムの種類に焦点を合わせているかどうかを確認するために、QGraphicsItem::type() メソッドを使用します。