Qt GUI で QAccessibleTextUpdateEvent::changePosition() を使用する

QAccessibleTextUpdateEvent::changePosition() メソッドは、Qt GUI におけるアクセシビリティ機能において、テキスト変更が発生した位置を取得するために使用されます。これは、テキスト編集可能ウィジェット (QLineEdit など) におけるテキスト挿入や削除などの操作を監視する際に役立ちます。

メソッドの役割

このメソッドは、QAccessibleTextUpdateEvent オブジェクトから、テキスト変更が発生した位置を整数値として返します。この位置は、変更されたテキストの最初の文字の位置を表します。

使用方法

QAccessibleTextUpdateEvent::changePosition() メソッドを使用するには、以下の手順に従います。

1. QAccessibleEvent オブジェクトを QAccessibleTextUpdateEvent オブジェクトにキャストします。
2. changePosition() メソッドを呼び出し、テキスト変更位置を取得します。

QAccessibleEvent* event = ...; // イベントを取得

if (event->type() == QEvent::Type::AccessibleTextUpdate) {
  QAccessibleTextUpdateEvent* textEvent = static_cast<QAccessibleTextUpdateEvent*>(event);
  int position = textEvent->changePosition();
  // テキスト変更位置を処理
}

• QAccessibleTextUpdateEvent オブジェクトは、テキスト変更操作の種類に関する情報も提供します。この情報には、挿入されたテキスト、削除されたテキスト、およびカーソルの位置などが含まれます。
• QAccessibleTextUpdateEvent オブジェクトは、テキスト変更が発生したアクセシブルなウィジェットに関する情報も提供します。この情報には、ウィジェットの名前、役割、および状態などが含まれます。

• 本説明は、Qt 6.x を対象としています。古いバージョンでは、メソッド名や引数が異なる場合があります。

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#include <QApplication>
#include <QLineEdit>
#include <QAccessibleEvent>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
    {
        lineEdit = new QLineEdit(this);
        connect(lineEdit, &QLineEdit::textInserted, this, &MyWidget::onTextInserted);
    }

signals:
    void textInserted(const QString& text, int position);

private:
    QLineEdit* lineEdit;

public slots:
    void onTextInserted(const QString& text, int position)
    {
        QAccessibleEvent* event = QApplication::accessibleEvent();
        if (event && event->type() == QEvent::Type::AccessibleTextUpdate) {
            QAccessibleTextUpdateEvent* textEvent = static_cast<QAccessibleTextUpdateEvent*>(event);
            int changePosition = textEvent->changePosition();

            // 挿入されたテキストと位置を表示
            qDebug() << "Text inserted:" << text << "at position:" << changePosition;
        }
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードでは、onTextInserted() スロットが QLineEdit::textInserted シグナルに接続されています。このシグナルは、テキストが挿入されたときに発行されます。

onTextInserted() スロットでは、QApplication::accessibleEvent() メソッドを使用して、現在のイベントを取得します。イベントが QAccessibleTextUpdateEvent オブジェクトである場合、changePosition() メソッドを使用して、テキスト変更位置を取得します。

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QAccessibleTextUpdateEvent::changePosition() メソッドは、テキスト変更が発生した位置を取得するために使用されます。しかし、このメソッドにはいくつかの制限があります。

• 変更されたテキストの内容を取得できません。
• テキスト変更の種類 (挿入、削除、置換) を区別できません。

これらの制限を克服するために、以下の代替方法を検討することができます。

QTextCursor を使用する

QTextCursor オブジェクトは、テキスト編集ウィジェット内のテキストの位置と内容を操作するために使用できます。QAccessibleTextUpdateEvent イベントが発行されたときに、QAccessibleInterface オブジェクトから textCursor() メソッドを使用して QTextCursor オブジェクトを取得することができます。その後、QTextCursor オブジェクトの position() メソッドを使用して、テキスト変更位置を取得し、selectedText() メソッドを使用して、変更されたテキストの内容を取得することができます。

例

QAccessibleEvent* event = ...; // イベントを取得

if (event->type() == QEvent::Type::AccessibleTextUpdate) {
  QAccessibleTextUpdateEvent* textEvent = static_cast<QAccessibleTextUpdateEvent*>(event);
  QAccessibleInterface* interface = textEvent->source();
  QTextCursor cursor = interface->textCursor();

  int position = cursor.position();
  QString text = cursor.selectedText();
  // テキスト変更位置と内容を処理
}

QAccessibleTextSelection を使用する

QAccessibleTextSelection オブジェクトは、アクセシブルなテキストウィジェット内の選択範囲を表します。QAccessibleTextUpdateEvent イベントが発行されたときに、QAccessibleInterface オブジェクトから textSelection() メソッドを使用して QAccessibleTextSelection オブジェクトを取得することができます。その後、QAccessibleTextSelection オブジェクトの selectionStart() メソッドを使用して、テキスト変更位置を取得し、selectedText() メソッドを使用して、変更されたテキストの内容を取得することができます。

例

QAccessibleEvent* event = ...; // イベントを取得

if (event->type() == QEvent::Type::AccessibleTextUpdate) {
  QAccessibleTextUpdateEvent* textEvent = static_cast<QAccessibleTextUpdateEvent*>(event);
  QAccessibleInterface* interface = textEvent->source();
  QAccessibleTextSelection selection = interface->textSelection();

  int position = selection.selectionStart();
  QString text = selection.selectedText();
  // テキスト変更位置と内容を処理
}

シグナルとスロットを使用する

テキスト編集ウィジェットが提供するシグナルとスロットを使用して、テキスト変更を監視することもできます。例えば、QLineEdit ウィジェットは textInserted() シグナルと textRemoved() シグナルを提供します。これらのシグナルは、それぞれテキストが挿入されたときと削除されたときに発行されます。

例

#include <QApplication>
#include <QLineEdit>

class MyWidget : public QWidget
{
public:
    MyWidget()
    {
        lineEdit = new QLineEdit(this);
        connect(lineEdit, &QLineEdit::textInserted, this, &MyWidget::onTextInserted);
        connect(lineEdit, &QLineEdit::textRemoved, this, &MyWidget::onTextRemoved);
    }

signals:
    void textInserted(const QString& text, int position);
    void textRemoved(const QString& text, int position);

private:
    QLineEdit* lineEdit;

public slots:
    void onTextInserted(const QString& text, int position)
    {
        // 挿入されたテキストと位置を処理
        qDebug() << "Text inserted:" << text << "at position:" << position;
    }

    void onTextRemoved(const QString& text, int position)
    {
        // 削除されたテキストと位置を処理
        qDebug() << "Text removed:" << text << "at position:" << position;
    }
};

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

QAccessibleTextUpdateEvent::changePosition() メソッドは、テキスト変更位置を取得するためのシンプルな方法ですが、いくつかの制限があります。より柔軟な方法として、QTextCursor、QAccessibleTextSelection、またはシグナルとスロットを使用することを検討することができます。