警告メッセージの海を泳ぎ切る! CMake CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH で必要な情報だけを抽出
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
は、CMakeの ctest_build()
コマンドによってビルド出力から検出される警告メッセージを制御するための変数です。これは、特定の正規表現パターンに一致する警告メッセージのみをレポートするように、CTestテストフレームワークを構成するために使用されます。
構文
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH regex1 regex2 ...)
説明
- パターンは、Perl Compatible Regular Expressions (PCRE) 構文を使用する必要があります。
- 複数の正規表現パターンを指定するには、スペースで区切ります。
regex1
,regex2
... は、警告メッセージと照合される正規表現パターンを表す文字列です。
例
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
"^.*(deprecated|unnecessary).*")
この例では、deprecated
または unnecessary
という単語を含む警告メッセージのみがレポートされます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH と CTEST_CUSTOM_WARNING_IGNORE の違い
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
は、特定の警告メッセージをレポートするように CTest を構成するために使用されます。一方、CTEST_CUSTOM_WARNING_IGNORE
は、特定の警告メッセージをレポートしないように CTest を構成するために使用されます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH を使用する利点
- テストスイートの信頼性を向上させることができます。
- ビルド出力のノイズを減らすことができます。
- 特定の警告メッセージにのみ焦点を当てることができます。
- パターンが緩すぎると、不要な警告メッセージがレポートされてしまう可能性があります。
- パターンが厳しすぎると、重要な警告メッセージを見逃してしまう可能性があります。
- 正規表現パターンを正しく記述する必要があります。
- 詳細については、CMake のドキュメントを参照してください。
- この変数は、CTestCustom ファイル内で設定することもできます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
は、CTest バージョン 2.8 以降で使用できます。
例 1:特定の警告メッセージのみをレポート
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyProject)
add_executable(MyProgram main.cpp)
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
"^.*(deprecated|unnecessary).*")
ctest_test(MyProgram
COMMAND ${CMAKE_EXE} -E cmake_run_tests)
例 2:CTESTCustom ファイルを使用
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyProject)
add_executable(MyProgram main.cpp)
set_property(DIRECTORY ${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR} PROPERTY CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
"^.*(deprecated|unnecessary).*")
ctest_test(MyProgram
COMMAND ${CMAKE_EXE} -E cmake_run_tests)
この例では、CTESTCustom
ファイルを使用して CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
変数を設定します。
例 3:複数の正規表現パターンを使用
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyProject)
add_executable(MyProgram main.cpp)
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
"^.*(deprecated|unnecessary).*"
"^.*(warning|error).*")
ctest_test(MyProgram
COMMAND ${CMAKE_EXE} -E cmake_run_tests)
この例では、deprecated
または unnecessary
という単語を含む警告メッセージ、および warning
または error
という単語を含むすべての警告メッセージがレポートされます。
ctest_test()
コマンドを使用して、テストスイートを実行します。CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
変数を使用して、レポートされる警告メッセージを制御します。main.cpp
という名前のソースファイルからMyProgram
という名前の実行可能ファイルを作成します。- 上記の例では、
MyProject
という名前のプロジェクトを作成します。
- 詳細については、CMake のドキュメントを参照してください。
- 具体的なニーズに合わせてコードを調整する必要があります。
- これらの例は、基本的な使用方法を示すものです。
サードパーティのライブラリを使用する
- これらのライブラリは、
CTEST_CUSTOM_WARNING_MATCH
変数よりも柔軟性と制御性に優れている場合があります。
カスタムテストランナーを作成する
- ただし、独自のテストランナーを作成するには、時間と労力が必要です。
- これは、複雑な要件がある場合や、既存のライブラリがニーズを満たしていない場合に役立ちます。
- 独自のテストランナーを作成することで、警告メッセージのレポートを完全に制御することができます。
CMAKE_VERBOSE_OUTPUT を使用する
- ただし、これは時間がかかり、エラーが発生しやすい方法です。
- 警告メッセージを手動で確認して、必要なものだけをレポートすることができます。
- これには、警告メッセージも含まれます。
CMAKE_VERBOSE_OUTPUT
変数をON
に設定すると、CMake はビルド出力に詳細な情報を表示します。
ビルドツールを変更する
- ビルドツールの変更は、プロジェクト全体に大きな影響を与える可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
- CMake 以外のビルドツールを使用すると、警告メッセージのレポートを制御するための異なる方法が提供されている場合があります。
最適な代替方法の選択
最適な代替方法は、プロジェクトの要件とニーズによって異なります。
- ビルドツールの変更は、最後の手段としてのみ検討してください。
- 詳細な情報を必要とし、警告メッセージを手動で確認するのに構わない場合は、
CMAKE_VERBOSE_OUTPUT
を使用する方が良いでしょう。 - より多くの制御と柔軟性が必要な場合は、カスタムテストランナーを作成することを検討してください。
- シンプルで使いやすいソリューションが必要な場合は、サードパーティのライブラリを使用するのが良いでしょう。