MSVC_IDE で CMake "Variables" を使って、開発を効率化するためのベストプラクティス


MSVC IDE での "Variables" の利点

  • 条件付き設定
    特定の条件下でのみ適用される変数を作成することで、複雑なビルド構成を簡素化できます。
  • コードの再利用性
    複数のプロジェクト間で共有できる変数を作成することで、コードの重複を削減し、保守性を向上できます。
  • ビルド構成の柔軟性
    異なるコンパイラオプションや設定を定義する変数を作成することで、ビルド構成を簡単にカスタマイズできます。

"Variables" の使用方法

CMake の "Variables" は、CMakeLists.txt ファイル内で定義されます。変数は set() コマンドを使用して定義されます。構文は次のとおりです:

set(VARIABLE_NAME value)

ここで、VARIABLE_NAME は変数名、value は変数の値です。


set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)
set(PROJECT_VERSION 1.0.0)

この例では、CMAKE_CXX_STANDARD 変数は C++ 標準を 17 に設定し、PROJECT_VERSION 変数はプロジェクトのバージョンを 1.0.0 に設定します。

MSVC IDE での "Variables" の使用方法

MSVC IDE では、CMake の "Variables" をさまざまな方法で使用できます。

  • カスタムビルドステップ
    CMake 変数の値を使用して、カスタムビルドステップを設定できます。
  • 条件付きマクロ
    CMake 変数の値に基づいて、コード内で条件付きマクロを使用できます。
  • プロジェクトのプロパティ
    プロジェクトのプロパティダイアログボックスを使用して、CMake 変数の値を設定できます。

MSVC IDE での "Variables" の使用例

  • 外部ライブラリのパスを設定する
    CMAKE_INCLUDE_PATH および CMAKE_LIBRARY_PATH 変数を使用して、外部ライブラリのパスを設定できます。
  • デバッグまたはリリース構成を設定する
    CMAKE_BUILD_TYPE 変数を使用して、デバッグまたはリリース構成を設定できます。
  • 異なるコンパイラオプションを設定する
    CMAKE_CXX_FLAGS 変数を使用して、C++ コンパイラオプションを設定できます。
  • 変数の値は、文字列、整数、またはブール値にすることができます。
  • 変数名は有効な C++ 識別子である必要があります。
  • 変数名は大文字と小文字を区別します。


異なるコンパイラオプションを設定する

この例では、CMAKE_CXX_FLAGS 変数を使用して、デバッグとリリース構成用の異なる C++ コンパイラオプションを設定する方法を示します。

# CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

# デバッグ構成
set(CMAKE_BUILD_TYPE Debug)
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -g -O0 -Wall")

# リリース構成
set(CMAKE_BUILD_TYPE Release)
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O3 -DNDEBUG")

add_executable(MyTarget MySource.cpp)

このコードでは、CMAKE_BUILD_TYPE 変数が Debug に設定されている場合は、コンパイラオプション -g -O0 -Wall が設定されます。CMAKE_BUILD_TYPERelease に設定されている場合は、-O3 -DNDEBUG オプションが設定されます。

デバッグまたはリリース構成を設定する

この例では、CMAKE_BUILD_TYPE 変数を使用して、デバッグまたはリリース構成を設定する方法を示します。

# CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

# デバッグ構成
if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL Debug)
  message(STATUS "デバッグ構成を設定しています")
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -g -O0 -Wall")
else()
  message(STATUS "リリース構成を設定しています")
  set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O3 -DNDEBUG")
endif()

add_executable(MyTarget MySource.cpp)

このコードでは、CMAKE_BUILD_TYPEDebug に設定されている場合、message() 関数を使用してデバッグ構成が設定されていることが示されます。その後、CMAKE_CXX_FLAGS 変数にデバッグ用のコンパイラオプションが設定されます。CMAKE_BUILD_TYPERelease に設定されている場合は、リリース用のコンパイラオプションが設定されます。

外部ライブラリのパスを設定する

この例では、CMAKE_INCLUDE_PATH および CMAKE_LIBRARY_PATH 変数を使用して、Boost ライブラリのパスを設定する方法を示します。

# CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

find_package(Boost REQUIRED COMPONENTS system filesystem)

# Boost ライブラリのパスを設定
set(CMAKE_INCLUDE_PATH ${Boost_INCLUDE_DIR})
set(CMAKE_LIBRARY_PATH ${Boost_LIBRARY_DIR})

add_executable(MyTarget MySource.cpp ${Boost_REQUIRED_LIBRARIES})

このコードでは、find_package() コマンドを使用して Boost ライブラリを検索します。ライブラリが見つかったら、CMAKE_INCLUDE_PATH および CMAKE_LIBRARY_PATH 変数に Boost ライブラリのパスが設定されます。最後に、add_executable() コマンドを使用して、Boost ライブラリをリンクするターゲットが追加されます。

カスタムビルドステップを設定する

この例では、add_custom_command() コマンドを使用して、カスタムビルドステップを設定する方法を示します。このステップは、ビルドプロセス中にドキュメントを生成します。

# CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)

# ドキュメント生成用のカスタムビルドステップ
add_custom_command(
  TARGET MyTarget
  POST_BUILD
  COMMAND Doxygen MySource.cpp -o MyDocumentation
)

add_executable(MyTarget MySource.cpp)

このコードでは、add_custom_command() コマンドを使用して、MyTarget ターゲットのビルド後に実行されるカスタムビルドステップが追加されます。このステップは、Doxygen ツールを使用して MySource.cpp ファイルからドキュメントを生成します。



オープンソースの IDE

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    オープンソースでクロスプラットフォームの IDE です。C++、C、Fortran などのプログラミング言語開発に適しています。
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    Vim と同様に、高度なカスタマイズ性と豊富な機能を備えたテキストエディタです。C++ や C などのプログラミング言語開発に適することができます。
  • Vim
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    コードの補完、リファクタリング、デバッグなどの必要な機能を備えている IDE を選択する必要があります。