CMake: CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOMを使いこなしてテストを効率化


CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM の動作

  1. CMake 実行時
    CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM は、CMake が実行されるたびに評価されます。
  2. テスト実行前
    テストを実行する前に、CMake は CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に設定されたコマンドを実行します。 このコマンドは、テスト対象のソースコードが最新の状態であることを確認するために使用されます。

CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM の利点

  • 柔軟性の高いカスタム コマンドの実行
    CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM には、任意のカスタム コマンドを設定できるため、Git リポジトリの更新以外にも、テスト実行前に必要な処理を実行することができます。 例えば、依存関係のインストールや環境設定などのタスクを自動化できます。
  • テスト対象ソースコードの最新性を保証
    CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM を使用することで、テスト実行前に必ず最新バージョンのソースコードが使用されていることを確認できます。 これにより、テスト結果の信頼性が向上し、開発ワークフローが効率化されます。

CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM の使用例

set(CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM "git pull origin master")

上記の例では、CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に "git pull origin master" コマンドを設定しています。 これにより、CMake 実行時に origin リモートブランチの master ブランチから最新バージョンのソースコードが取得されます。

  • パフォーマンス
    CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM は、テスト実行前に毎回実行されるため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。 大規模なリポジトリの場合は、より効率的な方法を検討する必要があります。
  • セキュリティ
    CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に設定するコマンドは、注意深く検討する必要があります。 悪意のあるコードを実行すると、システムやデータが危険にさらされる可能性があります。


例 1: 単純な Git プル

set(CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM "git pull origin master")

例 2: サブモジュールの更新

set(CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM "git submodule update --init")

この例では、CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に "git submodule update --init" コマンドを設定しています。 これにより、CMake 実行時にプロジェクト内のすべての Git サブモジュールが更新されます。

例 3: カスタム スクリプトの実行

set(CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM "sh ./update_scripts/update.sh")

この例では、CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に update_scripts ディレクトリ内の update.sh シェルスクリプトを実行するコマンドを設定しています。 このスクリプトは、Git リポジトリの更新以外にも、テスト実行前に必要な処理を実行することができます。

例 4: 条件付き更新

if(NOT DEFINED CMAKE_SOURCE_DIR)
  set(CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM "git pull origin master")
endif()

この例では、CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM は CMAKE_SOURCE_DIR が定義されていない場合のみ設定されます。 これは、ソースコードが Git リポジトリで管理されていない場合や、Git 更新が不要な場合に役立ちます。

  • CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に設定するコマンドは、パフォーマンスとセキュリティを考慮して設計してください。
  • CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に設定するコマンドは、テスト実行に必要なすべての処理を実行するようにしてください。
  • CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM に設定するコマンドは、簡潔で分かりやすいように記述してください。


CMake の ExternalProject_Add モジュールを使用する

ExternalProject_Add モジュールは、外部プロジェクトを CMake プロジェクトに統合するための機能を提供します。 このモジュールには、UPDATE_COMMAND オプションがあり、テスト実行前に Git リポジトリを更新するためのカスタム コマンドを設定できます。

ExternalProject_Add(MyProject
  SOURCE_DIR ${PROJECT_SOURCE_DIR}/MyProject
  UPDATE_COMMAND "git pull origin master"
)

上記の例では、MyProject という名前の外部プロジェクトを CMake プロジェクトに追加し、UPDATE_COMMAND オプションを使用して "git pull origin master" コマンドを実行するように設定しています。

CMake の fetch_content モジュールを使用する

fetch_content モジュールは、外部ソースコードを CMake プロジェクトにフェッチするための機能を提供します。 このモジュールには、GIT_REPOSITORY オプションがあり、Git リポジトリの URL を指定できます。 CMake は、テスト実行前に自動的にリポジトリを更新します。

fetch_content(MyProject
  GIT_REPOSITORY https://github.com/user/project.git
)

上記の例では、https://github.com/user/project.git の Git リポジトリを MyProject という名前でフェッチします。

CMake の add_custom_command コマンドを使用する

add_custom_command コマンドは、CMake にカスタム コマンドを追加するための機能を提供します。 このコマンドを使用して、テスト実行前に Git リポジトリを更新するためのカスタム コマンドを定義できます。

add_custom_command(
  TARGET update_git
  COMMAND "git pull origin master"
)

add_dependencies(MyTests update_git)

上記の例では、update_git という名前のカスタム コマンドを定義し、"git pull origin master" コマンドを実行するように設定しています。 さらに、MyTests ターゲットを update_git ターゲットに依存するように設定しています。

手動で Git リポジトリを更新する

CTEST_GIT_UPDATE_CUSTOM などの代替方法を使用する代わりに、手動で Git リポジトリを更新することもできます。 テストを実行する前に、ターミナルで "git pull" コマンドを実行するだけです。

  • シンプルさ
    シンプルなプロジェクトの場合は、add_custom_command コマンドや手動更新の方が適している場合があります。
  • 依存関係
    プロジェクトに外部プロジェクトの依存関係がある場合は、fetch_content モジュールを使用すると便利です。
  • プロジェクトの複雑性
    プロジェクトが複雑な場合は、ExternalProject_Add モジュールなどのより高度な代替方法を使用する方が適している場合があります。