【初心者向け】CMakeでテストに必要なファイルを扱う:ATTACHED_FILESプロパティと代替方法


使用方法

"ATTACHED_FILES" プロパティは、テスト対象となるターゲットの "PROPERTIES" セクションで設定できます。構文は以下の通りです。

target_properties(ターゲット PROPERTIES ATTACHED_FILES ファイル1 ファイル2 ...)

以下の例は、テスト対象となるターゲット "mytest" に "data.txt" と "mylib.so" ファイルを "ATTACHED_FILES" として指定します。

target_properties(mytest PROPERTIES ATTACHED_FILES data.txt mylib.so)

動作

テスト実行時に、CMake は "ATTACHED_FILES" で指定されたファイルをテスト実行ディレクトリにコピーします。その後、テストプログラムは、これらのファイルに通常のファイルシステムパスを使用してアクセスできます。

利点

"ATTACHED_FILES" プロパティを使用する利点は次のとおりです。

  • テストに必要なファイルの場所をテストプログラム内のコードからハードコーディングする必要がなくなります。
  • テストに必要なファイルを自動的にコピーすることで、テストを実行する前に手動でファイルを配置する必要がなくなります。
  • テストに必要なファイルを明示的に指定することで、テスト実行環境をより明確かつ再現性のあるものにすることができます。

注意点

"ATTACHED_FILES" プロパティを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • "ATTACHED_FILES" プロパティは、テスト対象となるターゲットごとに個別に設定する必要があります。
  • テストプログラムは、"ATTACHED_FILES" で指定されたファイルに通常のファイルシステムパスを使用してアクセスする必要があります。
  • 指定されたファイルは、テスト実行ディレクトリに存在する必要があります。


# テスト対象となるターゲットを定義
target_sources(mytest mytest.cpp)

# テストに必要なファイルを指定
target_properties(mytest PROPERTIES ATTACHED_FILES data.txt)

# テストプログラム
add_test(mytest_test mytest)

例 2: テストに必要なライブラリファイルを指定する

この例では、テスト対象となるターゲット "mytest" に "mylib.so" ライブラリファイルを "ATTACHED_FILES" として指定し、テストプログラムがライブラリ関数を呼び出すようにします。

# テスト対象となるターゲットを定義
target_sources(mytest mytest.cpp)
target_link_libraries(mytest mylib)

# テストに必要なファイルを指定
target_properties(mytest PROPERTIES ATTACHED_FILES mylib.so)

# テストプログラム
add_test(mytest_test mytest)

例 3: テスト結果にファイルを添付する

この例では、テスト対象となるターゲット "mytest" に "log.txt" ファイルを "ATTACHED_FILES" として指定し、テストが失敗した場合にファイルの内容をテスト結果に添付するようにします。

# テスト対象となるターゲットを定義
target_sources(mytest mytest.cpp)

# テスト結果に添付するファイルを指定
target_properties(mytest PROPERTIES ATTACHED_FILES_ON_FAIL log.txt)

# テストプログラム
add_test(mytest_test mytest)


代替方法

"ATTACHED_FILES" プロパティの代替方法として、以下の方法が挙げられます。

  • テストデータディレクトリ
    テストに必要なファイルを専用のテストデータディレクトリに配置し、テストプログラムからそのディレクトリ内のファイルにアクセスできます。
  • カスタムテストフレームワーク
    テストに必要なファイルを管理するカスタムテストフレームワークを使用できます。
  • コマンドライン引数
    テストに必要なファイルの場所をコマンドライン引数として渡 し、テストプログラムからコマンドライン引数を使用してファイルにアクセスできます。
  • 環境変数
    テストに必要なファイルの場所を環境変数に設定し、テストプログラムから環境変数を使用してファイルにアクセスできます。

各方法の利点と欠点

方法利点欠点
環境変数設定が簡単テストプログラムが環境変数に依存するため、移植性が低くなる可能性がある
コマンドライン引数テスト実行時に柔軟にファイルを指定できるテスト実行コマンドが複雑になる可能性がある
カスタムテストフレームワークテストに必要なファイルを完全に制御できる開発と保守の手間がかかる
テストデータディレクトリテストに必要なファイルを整理しやすいテストデータディレクトリの場所をテストプログラムに伝える必要がある

最適な方法を選択

最適な方法は、テストの要件と開発環境によって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。

  • 開発と保守の手間
  • テストに必要なファイルを完全に制御する必要があるかどうか
  • テスト実行時にファイルを柔軟に指定する必要があるかどうか
  • テストに必要なファイルの場所が固定されているかどうか