CMakeモジュール「FindGettext」でできることとは？使い方から代替手段まで徹底解説
CMakeのFindGettextモジュールは、GNU gettextライブラリとツールをプロジェクトに統合するためのツールです。gettextは、ソフトウェアの国際化とローカリゼーションを支援するオープンソースライブラリです。
FindGettextモジュールが提供する機能
- gettext のバージョン情報を取得します。
- gettext ツール (xgettext、msginit、msgmerge、msgcat、msgconv、msgfmt) の場所を検出します。
- gettextライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルの場所を検出します。
FindGettextモジュールの使用方法
FindGettextモジュールを使用するには、以下の手順を実行します。
- プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに次の行を追加します。
find_package(Gettext)
- gettext ライブラリとツールを使用するコードを記述します。
target_link_libraries(my_program Gettext::Intl)
add_custom_target(translations
COMMAND ${GETTEXT_MSGFMT_EXECUTABLE} -o my_program.mo my_program.po
)
FindGettextモジュールの詳細
FindGettextモジュールの詳細については、以下のドキュメントを参照してください。
- gettext ライブラリとツールは、別途インストールする必要があります。
- FindGettextモジュールは、Unix および Windows システムでサポートされています。
- FindGettextモジュールは、CMake 2.8 以降でのみ使用できます。
例
以下の例は、FindGettextモジュールを使用して、シンプルな "Hello, world!" プログラムを国際化するコードを示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(my_program)
find_package(Gettext)
set(PO_FILES my_program.po)
set(MO_FILE my_program.mo)
add_executable(my_program my_program.c)
target_link_libraries(my_program Gettext::Intl)
add_custom_target(translations
COMMAND ${GETTEXT_MSGFMT_EXECUTABLE} -o ${MO_FILE} ${PO_FILES}
)
add_custom_command(
TARGET my_program
POST_BUILD
COMMAND ${CMAKE_EXE} --build . --target translations
)
cmake_minimum_required(VERSION 3.0)
project(my_program)
find_package(Gettext)
set(PO_FILES my_program.po)
set(MO_FILE my_program.mo)
add_executable(my_program my_program.c)
target_link_libraries(my_program Gettext::Intl)
add_custom_target(translations
COMMAND ${GETTEXT_MSGFMT_EXECUTABLE} -o ${MO_FILE} ${PO_FILES}
)
add_custom_command(
TARGET my_program
POST_BUILD
COMMAND ${CMAKE_EXE} --build . --target translations
)
このコードは以下の処理を行います。
cmake_minimum_requiredコマンドを使用して、CMake の最小バージョンを 3.0 に設定します。projectコマンドを使用して、プロジェクトの名前を "my_program" に設定します。find_packageコマンドを使用して、FindGettext モジュールを検索します。add_executableコマンドを使用して、my_program.cファイルから実行可能ファイルmy_programを作成します。target_link_librariesコマンドを使用して、my_programプログラムを Gettext ライブラリとリンクします。add_custom_targetコマンドを使用して、translationsという名前のカスタムターゲットを作成します。add_custom_commandコマンドを使用して、translationsカスタムターゲットが実行されたときにGETTEXT_MSGFMT_EXECUTABLEコマンドを実行するように設定します。このコマンドは、my_program.poファイルをmy_program.moファイルに変換します。add_custom_commandコマンドを使用して、my_programプログラムがビルドされた後にtranslationsカスタムターゲットが自動的に実行されるように設定します。
xgettext --language=en_US --output=my_program.po my_program.c
msgfmt -o my_program.mo my_program.po
プログラムの実行
my_program プログラムを実行するには、以下のコマンドを使用します。
./my_program
手動構成
最も基本的な方法は、Gettext ライブラリとツールのパスを手動で設定することです。 これは、CMakeLists.txt ファイルで以下の行を追加することで実現できます。
set(GETTEXT_INCLUDE_DIR "/path/to/gettext/include")
set(GETTEXT_LIB_DIR "/path/to/gettext/lib")
set(GETTEXT_MSGFMT_EXECUTABLE "/path/to/gettext/bin/msgfmt")
# ... (その他の Gettext ツールを設定)
この方法では、FindGettext モジュールを使用するよりも柔軟性が高くなりますが、Gettext ライブラリとツールのパスを自分で管理する必要があるという欠点があります。
サードパーティ製モジュール
FindGettext モジュールの機能を拡張または置き換えるサードパーティ製モジュールがいくつか存在します。
これらのモジュールを使用すると、FindGettext モジュールよりも高度な機能を利用できる場合があります。
カスタムスクリプト
Gettext 関連のタスクを自動化するために、カスタムスクリプトを作成することもできます。 これは、複雑なビルドシステムやワークフローを持つプロジェクトに適しています。
CMake 外部プロジェクト
Gettext を CMake 外部プロジェクトとして管理することもできます。 これは、Gettext を他のプロジェクトと独立してビルドおよびインストールしたい場合に役立ちます。
FindGettext の代替手段を選択する際の考慮事項
FindGettext の代替手段を選択する際には、以下の点を考慮する必要があります。
- 移植性: サードパーティ製モジュールを使用する場合は、そのモジュールがすべてのプラットフォームで利用可能であることを確認する必要があります。
- メンテナンス性: 手動構成を使用する場合は、Gettext ライブラリとツールのパスを自分で管理する必要があるため、メンテナンス性が低くなります。
- プロジェクトの複雑さ: プロジェクトが複雑な場合は、FindGettext モジュールよりも高度な機能を提供するサードパーティ製モジュールまたはカスタムスクリプトが必要になる場合があります。