CMakeLists.txtを書き換えずにwxWidgets?FindwxWidgetsモジュールの便利な機能


CMake モジュール「FindwxWidgets」は、wxWidgets (a.k.a. wxWindows) ライブラリのインストールを検出して、CMakeプロジェクトで使用できるように設定します。wxWidgetsは、クロスプラットフォームのGUI開発用ライブラリです。

使い方

FindwxWidgetsモジュールを使用するには、以下の手順に従います。

  1. CMakeLists.txtファイルに次の行を追加します。
find_package(wxWidgets COMPONENTS REQUIRED core base ...)

この行は、wxWidgetsライブラリを検索し、必要なコンポーネント (core と base) を見つけます。

  1. 必要な wxWidgets ヘッダーファイルをインクルードします。
#include <wx/wx.h>
  1. wxWidgets 関数を使用します。
wxApp app;
wxFrame* frame = new wxFrame(NULL, wxID_ANY, "My Frame");
frame->Show(true);
app.MainLoop();

オプション

FindwxWidgetsモジュールは、以下のオプションでカスタマイズできます。

  • wxWidgets_CONFIG_OPTIONS: wx-config ユーティリティに渡すオプションを指定します。
  • wxWidgets_USE_STATIC: 静的ライブラリを使用するかどうかを指定します。
  • wxWidgets_USE_UNIVERSAL: ユニバーサルビルド用のwxWidgetsライブラリを使用するかどうかを指定します。
  • wxWidgets_USE_UNICODE: Unicode ビルド用の wxWidgets ライブラリを使用するかどうかを指定します。
  • wxWidgets_USE_DEBUG: デバッグビルド用のwxWidgetsライブラリを使用するかどうかを指定します。
  • wxWidgets_CONFIGURATION: wxWidgetsのビルド構成を指定します (例: msw、mswd、mswu、mswunivud など)。
  • wxWidgets_LIB_DIR: wxWidgetsライブラリのディレクトリを指定します。
  • wxWidgets_ROOT_DIR: wxWidgetsのインストールディレクトリを指定します。

以下の例は、wxWidgetsを使用してシンプルなフレームワークを作成する方法を示します。

cmake_minimum_required(VERSION 3.4)

project(MyProject)

find_package(wxWidgets COMPONENTS REQUIRED core base)

add_executable(MyProject MyProject.cpp)
target_link_libraries(MyProject wxWidgets::wxWidgets)
#include <wx/wx.h>

class MyFrame : public wxFrame
{
public:
    MyFrame() : wxFrame(NULL, wxID_ANY, "My Frame")
    {
        CreateControls();
    }

private:
    void CreateControls()
    {
        panel = new wxPanel(this, wxID_ANY);
        button = new wxButton(panel, wxID_ANY, "Click Me", wxPoint(50, 50));
        Connect(button->GetId(), wxEVT_BUTTON, wxCommandEvent::EventCallback(this, &MyFrame::OnClick));
    }

    void OnClick(wxCommandEvent& event)
    {
        wxMessageDialog::Information(NULL, "You clicked the button!", "My Frame");
    }

private:
    wxPanel* panel;
    wxButton* button;
};

wxIMPLEMENT_APP(MyApp);

bool MyApp::OnInit()
{
    frame = new MyFrame();
    frame->Show(true);
    return true;
}

注意事項

  • wxWidgets を手動でインストールした場合は、FindwxWidgets モジュールが wxWidgets を検出できない場合があります。この場合は、上記のオプションを使用して手動で wxWidgets ディレクトリを指定する必要があります。
  • CMake 3.24 より前のバージョンの CMake では、FindwxWidgets モジュールは wxWidgets 3.2.0 を検出できません。

CMake モジュール「FindwxWidgets」は、wxWidgets ライブラリのインストールを検出して、CMake プロジェクトで使用できるように設定するための便利なツールです。オプションを使用して、wxWidgets のインストール場所や使用するビルド構成をカスタマイズできます。



CMakeLists.txt

cmake_minimum_required(VERSION 3.4)

project(MyProject)

find_package(wxWidgets COMPONENTS REQUIRED core base)

add_executable(MyProject MyProject.cpp)
target_link_libraries(MyProject wxWidgets::wxWidgets)

MyProject.cpp

#include <wx/wx.h>

class MyFrame : public wxFrame
{
public:
    MyFrame() : wxFrame(NULL, wxID_ANY, "My Frame")
    {
        CreateControls();
    }

private:
    void CreateControls()
    {
        panel = new wxPanel(this, wxID_ANY);
        button = new wxButton(panel, wxID_ANY, "Click Me", wxPoint(50, 50));
        Connect(button->GetId(), wxEVT_BUTTON, wxCommandEvent::EventCallback(this, &MyFrame::OnClick));
    }

    void OnClick(wxCommandEvent& event)
    {
        wxMessageDialog::Information(NULL, "You clicked the button!", "My Frame");
    }

private:
    wxPanel* panel;
    wxButton* button;
};

wxIMPLEMENT_APP(MyApp);

bool MyApp::OnInit()
{
    frame = new MyFrame();
    frame->Show(true);
    return true;
}

このコードは次のことを行います。

  1. CMake 3.4 以上のバージョンを必要とします。
  2. MyProject という名前のプロジェクトを作成します。
  3. wxWidgets ライブラリを検索し、corebase という必要なコンポーネントを見つけます。
  4. MyProject という名前の実行可能ファイルを作成します。
  5. MyProject 実行可能ファイルに wxWidgets ライブラリをリンクします。
  6. MyFrame という名前のフレームクラスを作成します。
  7. フレームにパネルとボタンを作成します。
  8. ボタンがクリックされたときにメッセージ ダイアログを表示するイベントハンドラーを作成します。
  9. MyApp という名前のアプリケーション クラスを作成します。
  10. アプリケーション初期化時にフレームを作成して表示します。

このコードをビルドして実行するには、次のコマンドを実行します。

cmake .
make
./MyProject


手動設定

  • 短所:
    • 複雑でエラーが発生しやすい
    • wxWidgets のインストール場所や使用しているビルド構成を把握する必要がある
  • 長所:
    • FindwxWidgets モジュールよりも柔軟性が高い
    • 特定のニーズに合わせた設定が可能

手動設定を行うには、次の手順を実行する必要があります。

  1. wxWidgets ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルをプロジェクトに含めます。
  2. 必要な wxWidgets 関数とマクロをプロジェクトのコードに直接インクルードします。
  3. wxWidgets ライブラリをプロジェクトのターゲットにリンクします。


cmake_minimum_required(VERSION 3.4)

project(MyProject)

set(WX_ROOT_DIR "/path/to/wxWidgets")
set(WX_LIB_DIR "${WX_ROOT_DIR}/lib")
set(WX_INCLUDE_DIR "${WX_ROOT_DIR}/include")

add_executable(MyProject MyProject.cpp)
target_include_directories(MyProject PRIVATE "${WX_INCLUDE_DIR}")
target_link_libraries(MyProject "${WX_LIB_DIR}/wxWidgets")
#include <wx/wx.h>

// ... wxWidgets コード ...

第三者製モジュールを使用する

  • 短所:
    • FindwxWidgets モジュールほど機能が充実していない場合がある
    • 使用している CMake バージョンと互換性がない場合がある
  • 長所:
    • FindwxWidgets モジュールよりも使い方が簡単
    • 手動設定よりもエラーが発生しにくい

CMake には、FindwxWidgets の代替となるいくつかのサードパーティ製モジュールがあります。 人気のあるオプションのいくつかは次のとおりです:

これらのモジュールを使用するには、通常、プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに次の行を追加するだけです。

find_package(wxWidgets COMPONENTS REQUIRED core base ...)

CMakeLists.txt ファイルを直接編集する

  • 短所:
    • 複雑でエラーが発生しやすい
    • wxWidgets のインストール場所や使用しているビルド構成を把握する必要がある
    • CMake に詳しくない場合は難しい
  • 長所:
    • 最も柔軟な方法
    • FindwxWidgets モジュールやサードパーティ製モジュールの制限を受けない

CMakeLists.txt ファイルを直接編集するには、wxWidgets ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルの場所を指定する必要がある CMake 変数を作成する必要があります。 次に、必要な wxWidgets 関数とマクロをプロジェクトのコードに直接インクルードし、wxWidgets ライブラリをプロジェクトのターゲットにリンクする必要があります。


cmake_minimum_required(VERSION 3.4)

project(MyProject)

set(WX_ROOT_DIR "/path/to/wxWidgets")
set(WX_LIB_DIR "${WX_ROOT_DIR}/lib")
set(WX_INCLUDE_DIR "${WX_ROOT_DIR}/include")

list(APPEND CMAKE_MODULE_PATH "${WX_ROOT_DIR}/cmake")

find_package(wxWidgets COMPONENTS REQUIRED core base ...)

add_executable(MyProject MyProject.cpp)
target_include_directories(MyProject PRIVATE "${WX_INCLUDE_DIR}")
target_link_libraries(MyProject "${WX_LIB_DIR}/wxWidgets")
#include <wx/wx.h>

// ... wxWidgets コード ...

最適な代替方法の選択

使用する代替方法は、プロジェクトのニーズと要件によって異なります。

  • FindwxWidgets モジュールの機能に満足
  • より多くの制御と柔軟性を必要とする場合は、手動設定 または CMakeLists.txt ファイルの直接編集 が必要になります。
  • シンプルで使いやすいソリューションが必要な場合は、FindwxWidgets モジュールが最良の選択肢です。