【初心者向け】CMakeでProcessorCountモジュールを使いこなす! プロセッサコアを活かして爆速ビルドを実現
使い方
ProcessorCount モジュールを使用するには、以下の手順を実行します。
- CMakeLists.txt ファイルに次の行を追加します。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
include(ProcessorCount)
# ビルド設定
add_executable(myprogram main.cpp)
ProcessorCount
モジュールは、CMAKE_PROCESSOR_COUNT
変数にプロセッサコア数を設定します。この変数は、ビルドシステムで使用して、並列処理タスクの数を設定することができます。
例
以下の例では、ProcessorCount モジュールを使用して、並列処理を有効にして myprogram
をビルドします。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
include(ProcessorCount)
# ビルド設定
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2 -std=c++11")
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram ${LIBS})
- ビルドシステムが並列処理をサポートしていることを確認する必要があります。
- ProcessorCount モジュールは、CMake 3.10 以降でのみ使用できます。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
include(ProcessorCount)
# ビルド設定
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2 -std=c++11")
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram ${LIBS})
説明
target_link_libraries(myprogram ${LIBS})
:myprogram
に必要なライブラリをリンクします。add_executable(myprogram main.cpp)
:main.cpp
ファイルからmyprogram
という名前の実行可能ファイルを作成します。set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2 -std=c++11")
: C++ コンパイラフラグを設定します。include(ProcessorCount)
: ProcessorCount モジュールをインクルードします。project(myproject)
: プロジェクトの名前をmyproject
に設定します。cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
: CMake の最小バージョンを 3.10 に設定します。
例 2: カスタム並列処理設定
この例では、ProcessorCount モジュールを使用して、カスタム並列処理設定で myprogram
をビルドします。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
include(ProcessorCount)
# ビルド設定
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2 -std=c++11")
# 並列処理設定
set(CMAKE_CXX_COMPILER_LAUNCHER "ccache ${CMAKE_CXX_COMPILER} -j ${CMAKE_PROCESSOR_COUNT}")
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram ${LIBS})
set(CMAKE_CXX_COMPILER_LAUNCHER "ccache ${CMAKE_CXX_COMPILER} -j ${CMAKE_PROCESSOR_COUNT}")
: C++ コンパイラランチャーを設定します。これは、ccache
を使用してコンパイルをキャッシュし、CMAKE_PROCESSOR_COUNT
変数を使用して並列処理タスクの数を設定します。- 例 1 のコードと同じです。
以下、ProcessorCountの代替方法として考えられる選択肢と、それぞれの利点と欠点をご紹介します。
手動設定
- 欠点:
- 煩雑さ: ビルドシステムに依存した手動設定が必要
- 移植性: 異なるビルドシステム間で設定を統一するのが難しい
- 利点:
- 柔軟性: プロセッサコア数だけでなく、並列処理タスク数などの詳細な設定が可能
- シンプルさ: 複雑なモジュールを導入する必要がない
例
set(CMAKE_CXX_COMPILER_LAUNCHER "ccache ${CMAKE_CXX_COMPILER} -j 4")
環境変数
- 欠点:
- 柔軟性の低さ: プロセッサコア数以外の設定は難しい
- 信頼性の低さ: 環境変数が常に正確であるとは限らない
- 利点:
- シンプルさ: 設定が簡単で、CMakeLists.txtファイルを変更する必要がない
- 移植性: 異なるビルドシステム間で設定を共有しやすい
例
export CMAKE_CXX_COMPILER_LAUNCHER="ccache ${CMAKE_CXX_COMPILER} -j $(nproc)"
サードパーティ製モジュール
- 欠点:
- 導入と設定が複雑になる場合がある
- すべてのCMake環境で利用可能とは限らない
- 利点:
- ProcessorCountよりも高度な機能を提供するものがある
- 特定のプラットフォームやコンパイラに特化した機能を提供するものがある
例
カスタムスクリプト
- 欠点:
- 開発と保守が難しい
- バグが発生しやすい
- 利点:
- ProcessorCountや他の代替方法では実現できない高度な処理が可能
例
import subprocess
num_cores = subprocess.check_output(["nproc"]).decode().strip()
print(f"Number of cores: {num_cores}")
cmake_args = ["cmake", "-DCMAKE_CXX_COMPILER_LAUNCHER=ccache ${CMAKE_CXX_COMPILER} -j {num_cores}"]
subprocess.run(cmake_args)
最適な代替方法の選択
最適な代替方法は、個々のニーズと要件によって異なります。
- プロセッサコア数以外の詳細な設定が必要な場合は、手動設定がおすすめです。
- より高度な機能が必要な場合は、サードパーティ製モジュールまたはカスタムスクリプトを検討してください。
- シンプルで移植性の高い方法が必要な場合は、手動設定または環境変数がおすすめです。