【Qt GUIプログラミングのコツ】選択範囲のテキストをスマートに取得: QTextCursor::selectedText()

Qt GUIライブラリには、QTextCursorクラスというテキスト編集機能を提供するクラスがあります。このクラスには、selectedText()というメソッドがあり、現在選択されているテキストを取得することができます。このメソッドは、テキスト編集ウィジェット内の選択されたテキストを取得したい場合に役立ちます。

使用方法

selectedText()メソッドを使用するには、まずQTextCursorオブジェクトを取得する必要があります。これは、テキスト編集ウィジェットのtextCursor()メソッドを呼び出すことで行うことができます。

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();

次に、selectedText()メソッドを呼び出して、選択されたテキストを取得します。

QString selectedText = cursor.selectedText();

selectedText()メソッドは、選択されたテキストをQStringオブジェクトとして返します。

例

以下のコードは、テキスト編集ウィジェット内の選択されたテキストをコンソールに出力する例です。

QTextEdit *textEdit = new QTextEdit;
textEdit->setText("This is some text.\nThis is some more text.");

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
cursor.setPosition(5, 0);
cursor.movePosition(QTextCursor::End, QTextCursor::MoveAnchor);

QString selectedText = cursor.selectedText();
qDebug() << selectedText;

delete textEdit;

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに出力されます。

This is some more text.

selectedText()メソッドを使用して取得したテキストを編集するには、QTextCursorクラスの他のメソッドを使用する必要があります。
selectedText()メソッドは、選択されたテキストのフォーマットも返します。例えば、選択されたテキストが太字の場合は、selectedText()メソッドは太字の情報も返します。
selectedText()メソッドは、選択されたテキストがない場合は空文字列を返します。

#include <QApplication>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QTextEdit *textEdit = new QTextEdit;
  textEdit->setText("This is some text.\nThis is some more text.");

  QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
  cursor.setPosition(5, 0);
  cursor.movePosition(QTextCursor::End, QTextCursor::MoveAnchor);

  QString selectedText = cursor.selectedText();
  selectedText = selectedText.toUpper();

  cursor.setSelectedText(selectedText);

  textEdit->show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、テキスト編集ウィジェット内の選択されたテキストがすべて大文字に変換されます。

QTextEditオブジェクトを作成し、テキストを設定します。
textCursor()メソッドを使用して、QTextCursorオブジェクトを取得します。
setPosition()メソッドとmovePosition()メソッドを使用して、選択範囲を設定します。
selectedText()メソッドを使用して、選択されたテキストを取得します。
toUpper()メソッドを使用して、選択されたテキストを大文字に変換します。
setSelectedText()メソッドを使用して、選択されたテキストを大文字に変換されたテキストに設定します。
show()メソッドを使用して、テキスト編集ウィジェットを表示します。

QTextDocument::find() メソッド

QTextDocument::find() メソッドは、ドキュメント内の特定のテキストを検索するのに役立ちます。このメソッドを使用して、選択範囲と一致するテキストを見つけ、そのテキストを返すことができます。

利点

特定のテキストパターンに一致するテキストのみを取得できます。
選択範囲が複数の行にまたがる場合でも、すべての選択されたテキストを取得できます。

欠点

選択範囲が検索パターンと一致しない場合は、何も取得できません。
QTextCursor::selectedText() メソッドよりも処理速度が遅い場合があります。

例

QTextDocument *document = textEdit->document();
QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
QString selectedText = cursor.selectedText();

QRegExp expression(selectedText);
QTextDocument::FindFlags flags = QTextDocument::FindFlag::Backward | QTextDocument::FindFlag::WholeWord;
QTextFinder finder(document, expression, flags);

QTextFound found = finder.findNext();
if (found) {
  QTextCursor newCursor = found.position();
  textEdit->setTextCursor(newCursor);
}

QTextBlock::text() メソッド

QTextBlock::text() メソッドは、ブロック内のすべてのテキストを取得するのに役立ちます。このメソッドを使用して、選択範囲を含むブロックのテキストを取得し、そのテキストを返すことができます。

利点

選択範囲がブロック内に収まる場合、シンプルで効率的な方法です。

欠点

選択範囲がブロックの境界にまたがる場合は、一部のテキストが取得されない可能性があります。
選択範囲が複数のブロックにまたがる場合は、すべての選択されたテキストを取得できません。

例

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
QTextBlock block = cursor.block();
QString selectedText = block.text();

int start = cursor.positionInBlock();
int end = cursor.selectionEnd();
selectedText = selectedText.mid(start, end - start);

カスタムロジック

上記の方法でうまくいかない場合は、カスタムロジックを使用して選択されたテキストを取得することができます。

利点

独自の要件に合わせて選択されたテキストを処理できます。

欠点

バグが発生しやすい可能性があります。
複雑で時間のかかる場合があります。

QTextCursor cursor = textEdit->textCursor();
QString selectedText = "";

while (!cursor.atEnd()) {
  if (cursor.selected()) {
    selectedText += cursor.charAt(0);
  }
  cursor.movePosition(QTextCursor::NextCharacter);
}