Qt GUI で QTextDocument::clearUndoRedoStacks() を使用する


QTextDocument::clearUndoRedoStacks()は、Qt GUIライブラリにおけるQTextDocumentクラスのメソッドであり、ドキュメント内の元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアします。このメソッドは、ユーザーによる編集操作の記録をリセットしたい場合や、ドキュメントの状態を初期状態に戻したい場合などに役立ちます。

使用方法

このメソッドを使用するには、以下のコードのようにQTextDocumentオブジェクトに対して呼び出すだけです。

QTextDocument *document = new QTextDocument();
document->clearUndoRedoStacks();

詳細

clearUndoRedoStacks()メソッドは、ドキュメント内の元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアします。これには、ユーザーによる挿入、削除、書式設定などの操作が含まれます。このメソッドを呼び出すと、ドキュメントの状態は初期状態に戻り、元に戻す/やり直す操作はできなくなります。

以下のコードは、QTextDocumentオブジェクトを作成し、テキストを追加し、clearUndoRedoStacks()メソッドを使用して元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアする方法を示しています。

QTextDocument *document = new QTextDocument();
document->setPlainText("Hello, world!");

// 元に戻す/やり直す操作の履歴をクリア
document->clearUndoRedoStacks();

// ドキュメントの状態は初期状態に戻ります
qDebug() << document->toPlainText(); // 出力: Hello, world!
  • このメソッドを呼び出す前に、ドキュメントの変更を保存する必要がある場合は、save()メソッドを使用する必要があります。
  • clearUndoRedoStacks()メソッドは、ドキュメント内の元に戻す/やり直す操作の履歴のみをクリアします。ドキュメントの内容自体は変更されません。
  • clearUndoRedoStacks()メソッドは、ドキュメント内の元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアするために使用できます。
  • QTextDocumentクラスは、リッチテキストドキュメントの編集と操作に使用できます。
  • Qt GUIは、クロスプラットフォームのアプリケーション開発のためのC++ライブラリです。


例 1: テキストドキュメントの作成と編集

この例では、QTextDocument オブジェクトを作成し、テキストを追加し、編集し、clearUndoRedoStacks() メソッドを使用して元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアします。

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // テキストを追加
  document.setPlainText("Hello, world!");

  // テキストを編集
  QTextCursor cursor(&document);
  cursor.setPosition(6);
  cursor.insertText("Qt ");

  // 元に戻す/やり直す操作の履歴をクリア
  document.clearUndoRedoStacks();

  // ドキュメントの内容を表示
  QTextEdit textEdit;
  textEdit.setDocument(&document);
  textEdit.show();

  return app.exec();
}

例 2: リッチテキストドキュメントの作成と編集

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextEdit>
#include <QTextImage>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // テキストを追加
  QTextCursor cursor(&document);
  cursor.insertText("Hello, ");

  // 画像を追加
  QTextImage *image = new QTextImage(QImage("image.png"));
  cursor.insertImage(image);

  // テキストを追加
  cursor.insertText("world!");

  // 元に戻す/やり直す操作の履歴をクリア
  document.clearUndoRedoStacks();

  // ドキュメントの内容を表示
  QTextEdit textEdit;
  textEdit.setDocument(&document);
  textEdit.show();

  return app.exec();
}

説明

これらの例では、以下の手順を実行しています。

  1. QTextDocument オブジェクトを作成します。
  2. ドキュメントを編集します。
  3. clearUndoRedoStacks() メソッドを使用して、ドキュメント内の元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアします。
  4. ドキュメントの内容を表示します。

これらの例は、QTextDocument::clearUndoRedoStacks() メソッドの基本的な使用方法を示しています。このメソッドは、さまざまな状況で使用できます。

  • コードを実行するには、image.png ファイルをプロジェクトディレクトリに配置する必要があります。
  • これらの例は、Qt Creator 6.4.2 と Qt 6.4.2 を使用してコンパイルして実行されました。


個別の操作を元に戻す/やり直す

QTextDocument クラスは、undo()redo() メソッドを提供します。これらのメソッドを使用して、個別の操作を元に戻す/やり直すことができます。

// 最後の操作を元に戻す
document->undo();

// 最後の操作をやり直す
document->redo();

ドキュメントを初期状態に戻す

QTextDocument クラスは、setPlainText() メソッドを提供します。このメソッドを使用して、ドキュメントの内容を空の文字列に設定できます。これにより、ドキュメント内のすべての元に戻す/やり直す操作がクリアされます。

// ドキュメントの内容を空の文字列に設定
document->setPlainText("");

シグナルとスロットを使用する

QTextDocument クラスは、contentsChanged() シグナルを発行します。このシグナルは、ドキュメントの内容が変更されたときに発行されます。このシグナルをスロットに接続して、ドキュメントの内容が変更されるたびに元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアすることができます。

void onContentsChanged() {
  // 元に戻す/やり直す操作の履歴をクリア
  document->clearUndoRedoStacks();
}

connect(document, &QTextDocument::contentsChanged, this, &onContentsChanged);

カスタムロジックを使用する

上記の方法でニーズが満たされない場合は、カスタムロジックを使用して元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアすることができます。これには、QTextDocument クラスの内部データ構造に直接アクセスする必要があります。

  • 元に戻す/やり直す操作の履歴をクリアする前に、ドキュメントの変更を保存する必要がある場合は、save() メソッドを使用する必要があります。
  • カスタムロジックを使用する場合は、QTextDocument クラスの内部データ構造が変更される可能性があることに注意する必要があります。