Qt: カスタムイベントハンドラでQTextBrowserを拡張!keyPressEvent()を超えた高度なキーイベント処理
QTextBrowser
は、HTML 形式のテキストを表示および編集するための Qt ウィジェットです。 keyPressEvent()
メソッドは、ユーザーが QTextBrowser
ウィジェットでキーを押したときに発生するイベントを処理するために使用されます。 このメソッドは、キーの押下を検出し、それに応じてアクションを実行するために使用できます。
使用方法
keyPressEvent()
メソッドは、QTextBrowser
クラスから継承したサブクラスでオーバーライドできます。 メソッド内では、QKeyEvent
オブジェクトにアクセスして、押されたキーに関する情報を取得できます。 この情報を使用して、キーの押下に応じたアクションを実行できます。
例
次の例は、Enter
キーが押されたときに QTextBrowser
ウィジェットの内容をコンソールに出力するコードを示しています。
class MyTextBrowser : public QTextBrowser {
public:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_Enter) {
qDebug() << document()->toPlainText();
} else {
QTextBrowser::keyPressEvent(event);
}
}
};
- イベントを処理しない場合は、
QTextBrowser::keyPressEvent()
メソッドを呼び出す必要があります。 modifiers()
メソッドを使用して、押された修飾キーを取得できます。text()
メソッドを使用して、押されたキーの文字を取得できます。key()
メソッドを使用して、押されたキーを特定できます。keyPressEvent()
メソッドは、QKeyEvent
オブジェクトをパラメータとして受け取ります。 このオブジェクトには、押されたキーに関する情報が含まれています。
Enterキーでテキストをコンソールに出力する
class MyTextBrowser : public QTextBrowser {
public:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_Enter) {
qDebug() << document()->toPlainText();
} else {
QTextBrowser::keyPressEvent(event);
}
}
};
Ctrl+Aキーでテキストをすべて選択する
class MyTextBrowser : public QTextBrowser {
public:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_A && event->modifiers() & Qt::ControlModifier) {
selectAll();
} else {
QTextBrowser::keyPressEvent(event);
}
}
};
このコードでは、Ctrl+A
キーが押されたときに、QTextBrowser
ウィジェット内のテキストをすべて選択するコードを示しています。 event->key()
メソッドを使用して、押されたキーを特定しています。 event->modifiers()
メソッドを使用して、押された修飾キーを取得しています。 Ctrl
キーが押された場合は、selectAll()
メソッドを使用して、テキストをすべて選択しています。
class MyTextBrowser : public QTextBrowser {
public:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_Up || event->key() == Qt::Key_Down) {
pageUpOrDown(event->key() == Qt::Key_Up ? -1 : 1);
} else {
QTextBrowser::keyPressEvent(event);
}
}
};
このコードでは、矢印キーで QTextBrowser
ウィジェット内をページ移動するコードを示しています。 event->key()
メソッドを使用して、押されたキーを特定しています。 Key_Up
キーまたは Key_Down
キーが押された場合は、pageUpOrDown()
メソッドを使用して、ページを移動しています。
しかし、keyPressEvent()
メソッドは、いくつかの欠点があります。
- キーイベントの処理に時間がかかる
- すべてのキーイベントを処理する必要がある
- コードが煩雑になる可能性がある
これらの欠点を克服するために、keyPressEvent()
メソッドの代替方法をいくつか検討することができます。
ショートカットキーを使用する
ショートカットキーは、特定のキーの組み合わせを押すことで、特定のアクションを実行できる便利な機能です。 QTextBrowser
にショートカットキーを設定することで、ユーザーが keyPressEvent()
メソッドを使用せずに、簡単にアクションを実行できるようにすることができます。
myTextBrowser->setShortcut(Qt::Key_Enter, QAction::SelectText);
このコードは、Enter
キーが押されたときに、QTextBrowser
ウィジェット内のテキストをすべて選択するショートカットキーを設定します。
シグナルとスロットを使用する
シグナルとスロットは、Qt でイベントを処理するためのもう 1 つの一般的な方法です。 QTextBrowser
は、キーが押されたときに emit される keyPressed()
シグナルを公開しています。 このシグナルをスロットに接続することで、キーイベントを処理することができます。
connect(myTextBrowser, &QTextBrowser::keyPressed, this, &MyClass::onKeyPressed);
このコードは、keyPressed()
シグナルが emit されたときに、onKeyPressed()
メソッドを呼び出すように接続します。
カスタムイベントハンドラを使用する
カスタムイベントハンドラは、独自のイベント処理ロジックを実装したい場合に役立ちます。 QTextBrowser
は、keyPressEvent()
メソッドをオーバーライドして、カスタムイベントハンドラを実装することができます。
class MyTextBrowser : public QTextBrowser {
public:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_Enter) {
// カスタム処理
} else {
QTextBrowser::keyPressEvent(event);
}
}
};
このコードは、Enter
キーが押されたときに、カスタム処理を実行する keyPressEvent()
メソッドを実装しています。
サードパーティのライブラリには、QTextBrowser
のキーイベント処理を簡略化できるものがあります。 例えば、QShortcut を使用すると、ショートカットキーを簡単に設定することができます。
QShortcut *shortcut = new QShortcut(Qt::Key_Enter, myTextBrowser);
connect(shortcut, &QShortcut::activated, myTextBrowser, &QTextBrowser::selectAll);