【保存版】Qt Widgets:QTextBrowser::focusOutEvent()でフォーカス喪失時の挙動を思い通りにカスタマイズ
QTextBrowser::focusOutEvent()
は、Qt WidgetsライブラリにおけるQTextBrowser
クラスの仮想保護関数であり、テキストブラウザウィジェットからフォーカスが外れたときに呼び出されます。この関数は、フォーカスが失われた際に実行したい処理を記述するために使用されます。
機能
focusOutEvent()
関数は、QFocusEvent
型のポインタを引数として受け取ります。このイベントオブジェクトには、フォーカスが失われたウィジェットに関する情報が含まれています。
この関数は、以下の操作を実行するために一般的に使用されます。
- フォーカスが失われたときに他のウィジェットとの通信を行う
- フォーカスが失われたときにスタイルを更新する
- フォーカスが失われたときに実行するカスタムロジックを実装する
例
void QTextBrowser::focusOutEvent(QFocusEvent *event)
{
// フォーカスが失われたときに実行するカスタムロジック
qDebug() << "Focus lost from text browser";
// スタイルを更新する
setStyleSheet("background-color: white;");
// 他のウィジェットと通信する
emit focusLost();
}
注意点
focusOutEvent()
関数は、フォーカスが失われたときにのみ呼び出されます。フォーカスが別のウィジェットに移ったときや、ウィジェット自体が非表示になったときには呼び出されません。
void QTextBrowser::focusOutEvent(QFocusEvent *event)
{
setStyleSheet("background-color: white;");
}
例2:フォーカスが失われたときにシグナルをemitする
この例では、focusOutEvent()
関数を用いて、フォーカスが失われたときにfocusLost()
というシグナルをemitします。このシグナルは、他のウィジェットで処理することができます。
void QTextBrowser::focusOutEvent(QFocusEvent *event)
{
emit focusLost();
}
例3:フォーカスが失われたときにカスタムロジックを実行する
この例では、focusOutEvent()
関数を用いて、フォーカスが失われたときにカスタムロジックを実行します。このロジックは、コンソールにメッセージを出力したり、他のウィジェットのステータスを変更したりすることができます。
void QTextBrowser::focusOutEvent(QFocusEvent *event)
{
qDebug() << "Focus lost from text browser";
// カスタムロジック
if (url().isEmpty()) {
emit noUrlLoaded();
}
}
QTextBrowser::focusOutEvent()
は、テキストブラウザウィジェットからフォーカスが外れたときに呼び出される仮想保護関数です。この関数は、フォーカスが失われた際に実行したい処理を記述するために使用されます。
しかし、focusOutEvent()
を使用する代わりに、以下の代替方法を検討することもできます。
QFocusEvent::registerEventHandler() を使用する
QFocusEvent::registerEventHandler()
関数を使用して、フォーカスイベントの処理をカスタムイベントハンドラに登録することができます。この方法は、focusOutEvent()
よりも柔軟性が高く、より詳細な制御を提供します。
void MyTextBrowser::init()
{
QFocusEventFilter *filter = new QFocusEventFilter(this);
filter->installEventFilter(this);
connect(filter, &QFocusEventFilter::focusOutEvent, this, &MyTextBrowser::onFocusOut);
}
void MyTextBrowser::onFocusOut(QFocusEvent *event)
{
// フォーカスが失われたときに実行するカスタムロジック
qDebug() << "Focus lost from text browser";
// スタイルを更新する
setStyleSheet("background-color: white;");
// 他のウィジェットと通信する
emit focusLost();
}
QObject::connect() を使用する
QObject::connect()
関数を使用して、QTextBrowser
の focusOut()
シグナルをカスタムスロットに接続することができます。この方法は、シンプルなフォーカスイベント処理に適しています。
void MyTextBrowser::init()
{
connect(this, &QTextBrowser::focusOut, this, &MyTextBrowser::onFocusOut);
}
void MyTextBrowser::onFocusOut()
{
// フォーカスが失われたときに実行するカスタムロジック
qDebug() << "Focus lost from text browser";
// スタイルを更新する
setStyleSheet("background-color: white;");
// 他のウィジェットと通信する
emit focusLost();
}
QAbstractItemModel::dataChanged() を使用する
QAbstractItemModel::dataChanged()
シグナルを使用して、テキストブラウザ内のテキストが変更されたときに処理を実行することができます。この方法は、テキストの内容に基づいてフォーカス状態を制御したい場合に適しています。
void MyTextBrowser::init()
{
connect(model(), &QAbstractItemModel::dataChanged, this, &MyTextBrowser::onTextChanged);
}
void MyTextBrowser::onTextChanged(const QModelIndex &topLeft, const QModelIndex &bottomRight, const QVector<int> &roles)
{
// テキストが変更されたときに実行する処理
if (model()->data(topLeft, Qt::DisplayRole).toString().isEmpty()) {
setFocus();
}
}
それぞれの方法の長所と短所
方法 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
focusOutEvent() | シンプルで使いやすい | 柔軟性が低い |
registerEventHandler() | 柔軟性が高く、詳細な制御が可能 | コードが複雑になる |
connect() | シンプルで使いやすい | 複雑なフォーカス制御には不向き |
dataChanged() | テキストの内容に基づいてフォーカス状態を制御できる | すべての状況に適しているわけではない |
最適な方法の選択
最適な方法は、個々のニーズと要件によって異なります。シンプルなフォーカスイベント処理の場合は、connect()
または focusOutEvent()
が適しています。より複雑な処理や詳細な制御が必要な場合は、registerEventHandler()
を検討してください。テキストの内容に基づいてフォーカス状態を制御したい場合は、dataChanged()
を使用することができます。
- テスト駆動開発 (TDD) を使用して、フォーカスイベント処理のコードをテストすることをお勧めします。
- フォーカスイベント処理のロジックが複雑な場合は、カスタムスロットを作成することを検討してください。
- 複数のフォーカスイベントを処理する必要がある場合は、
QFocusEventFilter
を使用するのが最善の方法です。