Qt GUIでテキスト編集ウィジェットのテキストを簡単に取得：QTextBlock::text()の威力

QTextBlock::text() は、Qt GUI フレームワークにおける重要な関数の一つであり、QTextDocument 内の QTextBlock からその テキスト内容 を取得するためのものです。QTextBlock は、QTextDocument 内のテキストを段落単位で管理する役割を担っています。

機能

QTextBlock::text() 関数は、指定された QTextBlock 内のすべての テキスト を QString 型の変数に格納して返します。このテキストは、段落記号やタブなどの改行文字を含むプレーンテキスト として取得されます。

構文

QString QTextBlock::text() const;

戻り値

QString 型の変数：QTextBlock 内のすべてのテキスト内容

例

QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();

QString text = block.text();
std::cout << text.toStdString() << std::endl;

この例では、QTextDocument オブジェクト document から最初の QTextBlock オブジェクト block を取得し、そのテキスト内容を text 変数に格納しています。その後、text 変数の内容を標準出力に出力しています。

QTextBlock 内のテキストを HTML 形式で取得するには、QTextDocument::toHtml() 関数を使用する必要があります。
QTextBlock::text() 関数は、QTextBlock 内の テキストフォーマット に関する情報は取得しません。テキストフォーマットを取得するには、QTextBlock::charFormat() や QTextBlock::blockFormat() などの関数を使用する必要があります。

テキストベースのデータ分析を行う
ネットワークから取得したテキストを処理する
テキストファイルの内容を読み込む
テキスト編集ウィジェット内のテキストを取得する

テキスト編集ウィジェット内のテキストを取得する

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QTextEdit textEdit(&window);
  textEdit.setText("Hello, World!\nThis is a sample text.");

  // テキスト編集ウィジェット内のテキストを取得
  QString text = textEdit.toPlainText();

  // 取得したテキストを標準出力に出力
  std::cout << text.toStdString() << std::endl;

  window.setCentralWidget(&textEdit);
  window.show();

  return app.exec();
}

テキストファイルの内容を読み込む

#include <QCoreApplication>
#include <QFile>
#include <QTextStream>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // ファイルを開く
  QFile file("sample.txt");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    std::cerr << "Error opening file: " << file.errorString().toStdString() << std::endl;
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QTextStream in(&file);
  QString text = in.readAll();

  // 読み込んだテキストを標準出力に出力
  std::cout << text.toStdString() << std::endl;

  file.close();

  return 0;
}

このコードでは、sample.txt という名前のテキストファイルを開き、その内容を text 変数に格納しています。ファイルの内容は QTextStream クラスを使用して読み込まれ、標準出力に出力されます。

ネットワークから取得したテキストを処理する

#include <QApplication>
#include <QNetworkAccessManager>
#include <QNetworkReply>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ネットワークアクセスマネージャを作成
  QNetworkAccessManager manager;

  // リクエストを発行
  QNetworkReply *reply = manager.get(QNetworkRequest(QUrl("https://www.example.com")));

  // リクエスト完了を待つ
  QEventLoop loop;
  QObject::connect(reply, &QNetworkReply::finished, &loop, &QEventLoop::quit);
  loop.exec();

  // レスポンスのステータスコードを確認
  if (reply->error() == QNetworkReply::NoError) {
    // レスポンスの本文を取得
    QString text = reply->readAll();

    // 取得したテキストを処理
    std::cout << text.toStdString() << std::endl;
  } else {
    std::cerr << "Error: " << reply->errorString().toStdString() << std::endl;
  }

  // リソースを開放
  reply->deleteLater();

  return 0;
}

このコードでは、QNetworkAccessManager クラスを使用して https://www.example.com からテキストを取得しています。取得したテキストは text 変数に格納され、標準出力に出力されます。

#include <QCoreApplication>
#include <QFile>
#include <QTextStream>
#include <QMap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QCoreApplication app(argc, argv);

  // ファイルを開く
  QFile file("data.txt");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    std::cerr << "Error opening file: " << file.errorString().toStdString() << std::endl;
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QTextStream in(&file);
  QString text = in.readAll();

  // テキストを単語に分割
  QStringList words = text.split(' ', Qt::SkipEmptyParts);

  // 単語の出現頻度をカウント
  QMap<QString, int> wordCounts;
  for (const

QTextCursor を使用する

QTextCursor クラスは、QTextDocument 内のテキストを操作するためのカーソル機能を提供します。QTextCursor を使用して QTextBlock 内のテキストを取得するには、以下の方法があります。

QTextCursor::removeText() メソッド：テキストを削除
QTextCursor::insertText() メソッド：テキストを挿入
QTextCursor::selectedText() メソッド：選択範囲内のテキストを取得

例

QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();

QTextCursor cursor(&block);
QString text = cursor.selectedText();
std::cout << text.toStdString() << std::endl;

この例では、QTextCursor オブジェクトを作成し、そのカーソルを QTextBlock に設定しています。その後、selectedText() メソッドを使用して選択範囲内のテキストを取得し、標準出力に出力しています。

QTextDocument::toHtml() 関数を使用する

QTextDocument::toHtml() 関数は、QTextDocument 内のテキストを HTML 形式に変換して返します。QTextBlock 内のテキストのみを HTML 形式で取得したい場合は、以下の方法で QTextCursor を使用して QTextBlock 内のテキストを抽出してから toHtml() 関数に渡すことができます。

例

QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();

QTextCursor cursor(&block);
QString text = cursor.selectedText();

QString html = document.toHtml(text);
std::cout << html.toStdString() << std::endl;

この例では、QTextDocument::toHtml() 関数を使用して text 変数に格納されたテキストを HTML 形式に変換し、標準出力に出力しています。

QTextBlockIterator を使用する

QTextBlockIterator クラスは、QTextDocument 内の QTextBlock を反復処理するためのイテレータ機能を提供します。QTextBlockIterator を使用して QTextBlock 内のテキストを取得するには、以下の方法があります。

QTextBlockIterator::previous() メソッド：前の QTextBlock オブジェクトに移動
QTextBlockIterator::next() メソッド：次の QTextBlock オブジェクトに移動
QTextBlockIterator::current() メソッド：現在の QTextBlock オブジェクトを取得

例

QTextDocument document;
QTextBlockIterator it(&document);

while (it.hasNext()) {
  QTextBlock block = it.current();
  QString text = block.text();
  std::cout << text.toStdString() << std::endl;

  it.next();
}

この例では、QTextBlockIterator オブジェクトを作成し、hasNext() メソッドを使用して QTextDocument 内にまだ QTextBlock が存在するかどうかを確認しています。存在する場合は、current() メソッドを使用して現在の QTextBlock オブジェクトを取得し、そのテキストを text 変数に格納しています。その後、text 変数の内容を標準出力に出力し、next() メソッドを使用して次の QTextBlock オブジェクトに移動しています。