Qt GUIプログラミング：QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() を使ってテキストブロックの書式設定をカスタマイズ

QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() は、Qt GUI ライブラリにおける QTextBlockFormat クラスのデフォルトコンストラクタです。このコンストラクタは、テキストブロックの書式設定情報を初期化する役割を持ちます。

構文

QTextBlockFormat::QTextBlockFormat();

説明

このコンストラクタは引数を取らず、以下の初期値を設定します。

マーカー: なし
ページ区切りポリシー: QTextBeginning
非連続行: 無効
テキストインデント: 0.0
行高のタイプ: QTextBlockFormat::ProportionalHeight
行間: QTextBlockFormat::MinimumLineHeight
段落レベル: 0
右余白: 0.0
左余白: 0.0
下余白: 0.0
上余白: 0.0
方向: Qt::LeftToRight (左から右)
整列: Qt::AlignLeft (左揃え)

使い方

QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() は、新しい QTextBlockFormat オブジェクトを作成する際に使用されます。このオブジェクトは、テキストブロックの書式設定情報を設定するために使用できます。

例

QTextBlockFormat format;

// テキストブロックの書式設定を設定
format.setAlignment(Qt::AlignCenter);
format.setIndent(10);

// テキストブロックに書式設定を適用
QTextCursor cursor(document);
cursor.setBlockFormat(format);

この例では、QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() を使用して新しい QTextBlockFormat オブジェクトを作成し、そのオブジェクトを使用してテキストブロックの中央揃えとインデントを 10 ピクセルに設定しています。

QTextBlockFormat クラスには、テキストブロックの書式設定情報を設定するためのさまざまなメソッドが用意されています。
QTextBlockFormat オブジェクトは、QTextCursor クラスの setBlockFormat() メソッドを使用してテキストブロックに適用できます。
QTextBlockFormat オブジェクトは、QTextDocument クラスの blockFormat() メソッドを使用して取得できます。

例 1: テキストブロックの中央揃えとインデント

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // テキストを追加
  document.setPlainText("Qt GUI プログラミング入門");

  // テキストエディタを作成
  QTextEdit editor(&document);

  // テキストブロックの書式設定を設定
  QTextBlockFormat format;
  format.setAlignment(Qt::AlignCenter);
  format.setIndent(10);

  // テキストブロックに書式設定を適用
  QTextCursor cursor(&document);
  cursor.setBlockFormat(format);

  // テキストエディタを表示
  editor.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

例 2: 段落レベルと行間の設定

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // テキストを追加
  document.setPlainText("Qt GUI プログラミング入門\n\nこれはサンプルテキストです。");

  // テキストエディタを作成
  QTextEdit editor(&document);

  // 1 番目のテキストブロックの書式設定を設定
  QTextBlockFormat format1;
  format1.setParagraphLevel(1);
  format1.setLineHeight(20, QTextBlockFormat::ProportionalHeight);

  // 2 番目のテキストブロックの書式設定を設定
  QTextBlockFormat format2;
  format2.setParagraphLevel(2);
  format2.setLineHeight(16, QTextBlockFormat::MinimumLineHeight);

  // テキストブロックに書式設定を適用
  QTextCursor cursor(&document);

  cursor.movePosition(QTextCursor::Start);
  cursor.setBlockFormat(format1);

  cursor.movePosition(QTextCursor::NextBlock);
  cursor.setBlockFormat(format2);

  // テキストエディタを表示
  editor.show();

  return app.exec();
}

説明

上記の例では、QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() を使用して、テキストブロックの書式設定を個別に設定しています。

例 2
- setParagraphLevel(1): 段落レベルを 1 に設定します。これは、このテキストブロックが 1 番目の段落であることを示します。
- setLineHeight(20, QTextBlockFormat::ProportionalHeight): 行間を 20 ピクセルに設定し、行間タイプを比例行間に設定します。
- setParagraphLevel(2): 段落レベルを 2 に設定します。これは、このテキストブロックが 2 番目の段落であることを示します。
- setLineHeight(16, QTextBlockFormat::MinimumLineHeight): 行間を 16 ピクセルに設定し、行間タイプを最小行間に設定します。
例 1
- setAlignment(Qt::AlignCenter): テキストブロックの中央揃えを設定します。
- setIndent(10): テキストブロックのインデントを 10 ピクセルに設定します。

これらの例は、QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() を使用してテキストブロックの書式設定を個別に設定する方法を示すほんの一例です。QTextBlockFormat クラスには、さまざまなメソッドが用意されているため、さまざまな書式設定を適用することができます。

コードを実行するには、Qt Creator などの Qt 開発環境が必要です。
これらの例は、Qt GUI ライブラリのバージョン 6.4.2 を使用して記述されています。

代替方法

以下の、QTextBlockFormat::QTextBlockFormat() の代替方法をいくつか紹介します。

コピーコンストラクタの使用

既存の QTextBlockFormat オブジェクトをコピーして、新しいオブジェクトを作成することができます。

QTextBlockFormat format1;

// テキストブロックの書式設定を設定
format1.setAlignment(Qt::AlignCenter);
format1.setIndent(10);

QTextBlockFormat format2 = format1;

このコードでは、format1 オブジェクトの書式設定情報が format2 オブジェクトにコピーされています。

QTextFormat クラスの使用

QTextFormat クラスは、文字フォーマット情報を格納するために使用されます。QTextBlockFormat クラスは、QTextFormat クラスを継承しており、文字フォーマット情報に加えて、テキストブロックに特有の書式設定情報も格納することができます。

QTextFormat クラスを使用して新しい QTextBlockFormat オブジェクトを作成するには、以下の方法があります。

QTextCharFormat クラスまたは QTextTableFormat クラスなどの派生クラスのコンストラクタを使用します。
既存の QTextFormat オブジェクトをコピーします。
QTextFormat クラスのデフォルトコンストラクタを使用します。

その後、toBlockFormat() メソッドを使用して、QTextBlockFormat オブジェクトに変換することができます。

QTextFormat format;

// 文字フォーマットを設定
format.setFontFamily("Arial");
format.setFontPointSize(12);

QTextBlockFormat blockFormat = format.toBlockFormat();

このコードでは、format オブジェクトにフォントファミリとフォントサイズを設定し、そのオブジェクトを blockFormat 変数に格納しています。blockFormat 変数は QTextBlockFormat 型であり、format オブジェクトの文字フォーマット情報が格納されています。

静的メソッドの使用

QTextBlockFormat クラスには、いくつかの便利な静的メソッドが用意されています。これらのメソッドを使用して、特定の書式設定を持つ新しい QTextBlockFormat オブジェクトを作成することができます。

QTextBlockFormat::centerFormat(): 中央揃えされたテキストブロック書式設定を作成します。
QTextBlockFormat::indentFormat(): インデントされたテキストブロック書式設定を作成します。
QTextBlockFormat::create(): 空のテキストブロック書式設定を作成します。
QTextBlockFormat::setDefaultFormat()：デフォルトのテキストブロック書式設定を取得します。

QTextBlockFormat defaultFormat = QTextBlockFormat::setDefaultFormat();

QTextBlockFormat indentFormat = QTextBlockFormat::indentFormat();

QTextBlockFormat centerFormat = QTextBlockFormat::centerFormat();

このコードでは、defaultFormat 変数にデフォルトのテキストブロック書式設定が格納され、indentFormat 変数にインデントされたテキストブロック書式設定が格納され、centerFormat 変数に中央揃えされたテキストブロック書式設定が格納されています。

QTextDocument クラスの使用

QTextDocument クラスには、defaultTextFormat() メソッドと defaultBlockFormat() メソッドが用意されています。これらのメソッドを使用して、デフォルトの文字フォーマットとテキストブロック書式設定を取得することができます。

QTextDocument document;

QTextFormat defaultTextFormat = document.defaultTextFormat();

QTextBlockFormat defaultBlockFormat = document.defaultBlockFormat();

このコードでは、defaultTextFormat 変数にデフォルトの文字フォーマットが格納され、defaultBlockFormat 変数にデフォルトのテキストブロック書式設定が格納されています。

最適な方法の選択

使用する代替方法は、状況によって異なります。

デフォルトの書式設定を取得する場合は、QTextDocument クラスのメソッドを使用するのが最善の方法です。
特定の書式設定を持つ新しい QTextBlockFormat オブジェクトをすばやく作成する場合は、静的メソッドを使用するのが最善の方法です。
文字フォーマット情報のみを設定する場合は、QTextFormat クラスを使用して新しい QTextBlockFormat オブジェクトを作成するのが最善の方法です。
既存の QTextBlockFormat オブジェクトに基づいて新しいオブジェクトを作成する場合は、コピーコンストラクタを使用するのが最善の方法です。