Qt GUI で段落装飾を自在に操る！QTextBlockFormat::setMarker() 関数の詳細ガイド

構文

void QTextBlockFormat::setMarker(QTextBlockFormat::MarkerType marker);

パラメータ

marker: 設定するマーカーの種類。以下のいずれかの値を使用できます。
- NoMarker: マーカーを設定しない
- ListMarker: 箇条書きマーカーを設定
- NumberMarker: 番号付きマーカーを設定
- CustomMarker: カスタムマーカーを設定

戻り値

なし

詳細

QTextBlockFormat::setMarker() 関数は、段落フォーマットオブジェクトにマーカーを設定します。このマーカーは、段落がレンダリングされるときに段落の先頭に表示されます。

マーカーの種類は、QTextBlockFormat::MarkerType 列挙体を使用して指定されます。NoMarker を指定すると、マーカーが設定されません。ListMarker を指定すると、箇条書きマーカーが設定されます。NumberMarker を指定すると、番号付きマーカーが設定されます。CustomMarker を指定すると、カスタムマーカーが設定されます。

カスタムマーカーを設定するには、QTextBlockFormat::setCustomMarker() 関数を使用する必要があります。この関数は、カスタムマーカーの画像またはテキストを指定するために使用されます。

例

以下のコードは、段落に箇条書きマーカーを設定する例です。

QTextBlockFormat format;
format.setMarker(QTextBlockFormat::ListMarker);

QTextDocument *document = new QTextDocument;
QTextCursor cursor(document);
cursor.insertBlock(format);

このコードは、新しいテキストドキュメントを作成し、そのドキュメントに箇条書きマーカー付きの段落を挿入します。

例 1: 箇条書きマーカーを設定する

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextBlockFormat>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QTextDocument document;
    QTextCursor cursor(&document);

    // 箇条書きマーカー付きの段落を挿入
    QTextBlockFormat format;
    format.setMarker(QTextBlockFormat::ListMarker);
    cursor.insertBlock(format);
    cursor.insertText("これは箇条書き項目です。");

    // 番号付きマーカー付きの段落を挿入
    format.setMarker(QTextBlockFormat::NumberMarker);
    cursor.insertBlock(format);
    cursor.insertText("これは番号付き項目です。");

    // マーカーなしの段落を挿入
    format.setMarker(QTextBlockFormat::NoMarker);
    cursor.insertBlock(format);
    cursor.insertText("これはマーカーなしの段落です。");

    // テキストドキュメントをテキストエディタに表示
    QTextEdit editor;
    editor.setDocument(&document);
    editor.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のテキストが表示されるテキストエディタが開きます。

* これは箇条書き項目です。
1. これは番号付き項目です。
これはマーカーなしの段落です。

この例では、QTextBlockFormat::setCustomMarker() 関数を使用して段落にカスタムマーカーを設定する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextBlockFormat>
#include <QPixmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QTextDocument document;
    QTextCursor cursor(&document);

    // カスタムマーカー画像を作成
    QPixmap markerPixmap(":/images/marker.png");

    // カスタムマーカー付きの段落を挿入
    QTextBlockFormat format;
    format.setCustomMarker(markerPixmap);
    cursor.insertBlock(format);
    cursor.insertText("これはカスタムマーカー付きの段落です。");

    // テキストドキュメントをテキストエディタに表示
    QTextEdit editor;
    editor.setDocument(&document);
    editor.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行するには、marker.png という名前の画像ファイルをプロジェクトに追加する必要があります。この画像ファイルは、段落の先頭に表示されるカスタムマーカーとして使用されます。

[カスタムマーカー] これはカスタムマーカー付きの段落です。

QTextBlockFormat::setMarker() 関数は、段落にマーカーを設定するために使用されます。しかし、この関数はいくつかの制限があります。

マーカーの位置を制御することはできません。マーカーは常に段落の先頭に表示されます。
カスタムマーカーを設定するには、QTextBlockFormat::setCustomMarker() 関数を使用する必要があります。この関数は、カスタムマーカーの画像またはテキストを指定するために使用されます。

これらの制限を回避するには、QTextBlockFormat::setIndent() 関数と QTextCharFormat::setProperty() 関数を使用して、独自の段落マーカーを実装することができます。

代替方法

QTextCharFormat::setProperty()` 関数を使用して、段落の先頭にカスタム文字を設定する

この方法は、段落の先頭にカスタム文字を設定するために使用できます。カスタム文字は、画像やアイコンなど、任意のものでることができます。

例：

QTextCharFormat format;
format.setProperty(QTextCharFormat::FontStrikeOut, true); // 取り消し線を表示
format.setProperty(QTextCharFormat::FontUnderline, true); // 下線を表示
format.setProperty(QTextCharFormat::Foreground, QColor(Qt::red)); // 赤色で表示

QTextDocument document;
QTextCursor cursor(&document);

// カスタムマーカー付きの段落を挿入
cursor.insertBlock();
cursor.insertText("これはカスタムマーカー付きの段落です。", format);

// テキストドキュメントをテキストエディタに表示
QTextEdit editor;
editor.setDocument(&document);
editor.show();

これはカスタムマーカー付きの段落です。

QTextCharFormat::setProperty()関数とQTextBlockFormat::setIndent()` 関数を使用して、段落の先頭にインデントとカスタム文字を設定する

QTextCharFormat format;
format.setProperty(QTextCharFormat::FontStrikeOut, true); // 取り消し線を表示
format.setProperty(QTextCharFormat::FontUnderline, true); // 下線を表示
format.setProperty(QTextCharFormat::Foreground, QColor(Qt::red)); // 赤色で表示

QTextDocument document;
QTextCursor cursor(&document);

// カスタムマーカー付きの段落を挿入
QTextBlockFormat blockFormat;
blockFormat.setIndent(20); // 20ピクセルのインデントを設定
cursor.insertBlock(blockFormat);
cursor.insertText("これはカスタムマーカー付きの段落です。", format);

// テキストドキュメントをテキストエディタに表示
QTextEdit editor;
editor.setDocument(&document);
editor.show();

これはカスタムマーカー付きの段落です。

利点

マーカーの位置を制御できます。
カスタムマーカーの外観を完全に制御できます。

QTextBlockFormat::setMarker() 関数よりも複雑です。