Qt GUI でテキストブロックを順序付ける: QTextBlock::operator<() のサンプルコード

QTextBlock::operator<() は、Qt GUI における QTextBlock クラスの演算子オーバーロードであり、2 つのテキストブロックを比較して、どちらが先に表示されるべきかを判断するために使用されます。これは、テキストエディタやドキュメントビューアなどのアプリケーションで、テキストブロックの順序を決定する際に役立ちます。

構文

bool QTextBlock::operator<(const QTextBlock &other) const;

引数

• other: 比較対象となる別の QTextBlock オブジェクト

戻り値

• false: other が呼び出し側のテキストブロックより前に表示される必要がある場合
• true: 呼び出し側のテキストブロックが other より前に表示される必要がある場合

比較基準

QTextBlock::operator<() は、以下の要素に基づいてテキストブロックを比較します。

1. ブロック番号: 文書内のブロックの位置を表します。ブロック番号が小さいほど、先に表示されます。
2. 行番号: ブロック内の行の位置を表します。行番号が小さいほど、先に表示されます。
3. 文字位置: 行内の文字の位置を表します。文字位置が小さいほど、先に表示されます。

例

QTextDocument document;
QTextBlock block1 = document.firstBlock();
QTextBlock block2 = block1.next();

if (block1 < block2) {
  // block1 が block2 より前に表示される
} else {
  // block2 が block1 より前に表示される
}

この例では、block1 と block2 を比較し、どちらが先に表示されるべきかを判断しています。block1 は文書内の最初のブロックなので、block2 より前に表示されることになります。

• この演算子は、テキストブロックのコンテンツを比較しません。つまり、2 つのテキストブロックの内容が同じであっても、ブロック番号や行番号の違いによって、異なる順序で表示される可能性があります。
• QTextBlock::operator<() は、テキストブロックの論理的な順序を比較するものであり、視覚的な表示順序とは異なる場合があります。例えば、右寄せされたテキストブロックは、左寄せされたテキストブロックよりも後に表示される可能性があります。

---

#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>
#include <QList>

int main() {
  QTextDocument document;

  // テキストブロックを作成する
  QTextBlock block1 = document.firstBlock();
  QTextBlock block2 = block1.next();
  QTextBlock block3 = block2.next();

  // テキストブロックのリストを作成する
  QList<QTextBlock> blocks;
  blocks << block1 << block2 << block3;

  // ブロック番号に基づいてリストをソートする
  std::sort(blocks.begin(), blocks.end());

  // 順序付けられたブロックを表示する
  for (const QTextBlock &block : blocks) {
    qDebug() << block.text();
  }

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が表示されます。

This is the first block.
This is the second block.
This is the third block.

例 2: カスタム比較基準

この例では、QTextBlock::operator<() のカスタム実装を使用して、テキストブロックを行番号と文字位置に基づいて比較する方法を示します。

#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>
#include <QList>

bool compareTextBlocks(const QTextBlock &block1, const QTextBlock &block2) {
  // 行番号を比較する
  if (block1.lineNumber() < block2.lineNumber()) {
    return true;
  } else if (block1.lineNumber() > block2.lineNumber()) {
    return false;
  }

  // 行番号が同じ場合は、文字位置を比較する
  return block1.position() < block2.position();
}

int main() {
  QTextDocument document;

  // テキストブロックを作成する
  QTextBlock block1 = document.firstBlock();
  QTextBlock block2 = block1.next();
  QTextBlock block3 = block2.next();

  // テキストブロックのリストを作成する
  QList<QTextBlock> blocks;
  blocks << block1 << block2 << block3;

  // カスタム比較基準を使用してリストをソートする
  std::sort(blocks.begin(), blocks.end(), compareTextBlocks);

  // 順序付けられたブロックを表示する
  for (const QTextBlock &block : blocks) {
    qDebug() << block.text();
  }

  return 0;
}

This is the second block.
This is the first block.
This is the third block.

説明

上記の例では、以下の点に注目してください。

• std::sort() 関数は、compareTextBlocks() 関数を使用して、テキストブロックのリストをソートします。
• 行番号が同じ場合は、文字位置を比較します。文字位置が小さいほど、先に表示されます。
• この関数はまず、ブロックの行番号を比較します。行番号が小さいほど、先に表示されます。
• compareTextBlocks() 関数は、2 つのテキストブロックを受け取り、どちらが先に表示されるべきかを判断します。

---

このような制限を克服するために、QTextBlock::operator<() の代替方法をいくつか検討することができます。

カスタム比較関数を使用する

前述の例で示したように、compareTextBlocks() などのカスタム比較関数を使用して、テキストブロックを比較することができます。この方法では、比較基準を自由に定義することができ、より柔軟なソートが可能になります。

QTextBlock::userData() を使用する

QTextBlock::userData() メソッドを使用して、テキストブロックにカスタムデータを保存することができます。このデータを使用して、テキストブロックを比較することができます。例えば、テキストブロックの重要度を表す整数を保存し、その値に基づいてソートすることができます。

QTextCursor を使用する

QTextCursor オブジェクトを使用して、テキストブロックを比較することができます。QTextCursor::operator==() 演算子を使用して、2 つのテキストカーソルの位置を比較することができます。

サードパーティライブラリを使用する

Qt には、テキストブロックを比較するためのサードパーティライブラリがいくつか存在します。例えば、QTextRange クラスは、テキスト範囲を比較するための機能を提供します。

最適な方法の選択

最適な方法は、具体的なニーズによって異なります。以下の点を考慮して、適切な方法を選択してください。

• パフォーマンス
• ソートの複雑性
• 比較基準

例

以下の例は、QTextCursor を使用してテキストブロックを比較する方法を示します。

#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>
#include <QTextCursor>
#include <QList>

bool compareTextBlocks(const QTextBlock &block1, const QTextBlock &block2) {
  QTextCursor cursor1(block1);
  QTextCursor cursor2(block2);

  // テキストカーソルの位置を比較する
  if (cursor1 < cursor2) {
    return true;
  } else if (cursor1 > cursor2) {
    return false;
  }

  // テキストカーソルの位置が同じ場合は、ブロック番号を比較する
  return block1.blockNumber() < block2.blockNumber();
}

int main() {
  QTextDocument document;

  // テキストブロックを作成する
  QTextBlock block1 = document.firstBlock();
  QTextBlock block2 = block1.next();
  QTextBlock block3 = block2.next();

  // テキストブロックのリストを作成する
  QList<QTextBlock> blocks;
  blocks << block1 << block2 << block3;

  // カスタム比較基準を使用してリストをソートする
  std::sort(blocks.begin(), blocks.end(), compareTextBlocks);

  // 順序付けられたブロックを表示する
  for (const QTextBlock &block : blocks) {
    qDebug() << block.text();
  }

  return 0;
}

This is the second block.
This is the first block.
This is the third block.