改訂番号でテキストブロックの変更をトラッキング：Qt GUIにおけるQTextBlock::revision()

QTextBlock::revision() は、Qt GUIにおける QTextDocument クラス内のテキストブロックの 改訂履歴 を取得するための関数です。テキストブロックは、ドキュメント内の段落やブロックを表すものであり、QTextBlock クラスを使用して操作することができます。

機能

QTextBlock::revision() 関数は、テキストブロックに関連付けられた 改訂番号 を返します。この番号は、ブロックの内容が最後に変更されたことを示すために使用されます。改訂番号は、ドキュメント全体の変更を追跡したり、特定の変更を特定したりするのに役立ちます。

使用方法

QTextBlock::revision() 関数は、以下の構文で使用されます。

int QTextBlock::revision() const;

この関数は、テキストブロックオブジェクトに対して呼び出され、現在の改訂番号を整数値として返します。

例

QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();

int revision = block.revision();
qDebug() << "Revision number:" << revision;

この例では、QTextDocument オブジェクトから最初のテキストブロックを取得し、その改訂番号を取得してコンソールに出力します。

改訂番号は、ドキュメント全体の変更を追跡したり、特定の変更を特定したりするのに役立ちます。
改訂番号は、テキストブロックの内容が変更されるたびに自動的に更新されます。
QTextBlock::revision() 関数は、読み取り専用の関数です。テキストブロックの改訂番号を変更するには、QTextBlock::setRevision() 関数を使用する必要があります。

QTextDocument::revision(): ドキュメント全体の改訂番号を取得します。
QTextBlock::setRevision(): テキストブロックの改訂番号を設定します。

例1：テキストブロックの改訂番号を取得する

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // ドキュメントにテキストを追加
  document.setPlainText("This is a text document.\nThis is another line of text.");

  // 最初のテキストブロックを取得
  QTextBlock block = document.firstBlock();

  // 改訂番号を取得
  int revision = block.revision();

  // コンソールに出力
  qDebug() << "Revision number of the first block:" << revision;

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに表示されます。

Revision number of the first block: 1

例2：テキストブロックの内容を変更し、改訂番号を確認する

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストドキュメントを作成
  QTextDocument document;

  // ドキュメントにテキストを追加
  document.setPlainText("This is a text document.\nThis is another line of text.");

  // 最初のテキストブロックを取得
  QTextBlock block = document.firstBlock();

  // 改訂番号を取得
  int revision = block.revision();

  // テキストブロックの内容を変更
  block.setText("This is a modified text document.\nThis is a modified line of text.");

  // 改訂番号を確認
  int newRevision = block.revision();

  // コンソールに出力
  qDebug() << "Revision number of the first block before modification:" << revision;
  qDebug() << "Revision number of the first block after modification:" << newRevision;

  return 0;
}

Revision number of the first block before modification: 1
Revision number of the first block after modification: 2

これらの例は、QTextBlock::revision() 関数をどのように使用して、テキストブロックの改訂履歴を追跡できるかを示しています。

改訂番号は、ドキュメント全体の変更を追跡したり、特定の変更を特定したりするのに役立ちます。
改訂番号は、テキストブロックの内容が変更されるたびに自動的に更新されます。
これらの例は、基本的な使用方法のみを示しています。実際のアプリケーションでは、より複雑なロジックが必要になる場合があります。

QTextDocument::version() を使用する

QTextDocument::version() 関数は、ドキュメント全体の改訂番号を取得します。これは、ドキュメント全体が変更されたかどうかを判断するのに役立ちますが、個々のテキストブロックを追跡するにはあまり役立ちません。

利点

ドキュメント全体の変更を判断するのに役立つ
シンプルで使いやすい

欠点

個々のテキストブロックを追跡できない

例

QTextDocument document;
int revision = document.version();
qDebug() << "Revision number of the document:" << revision;

カスタムフラグを使用する

テキストブロックにカスタムフラグを設定して、変更されたかどうかを追跡することができます。これは、よりきめ細かな制御が必要な場合に役立ちます。

利点

必要な情報のみを保存できる
個々のテキストブロックを追跡できる

欠点

フラグの管理が必要になる
コードが複雑になる

例

#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>

enum RevisionFlag {
  RevisionFlag_Unmodified,
  RevisionFlag_Modified
};

class MyTextBlock : public QTextBlock {
public:
  MyTextBlock() : QTextBlock() {
    flag = RevisionFlag_Unmodified;
  }

  RevisionFlag flag;

  void setText(const QString &text) override {
    QTextBlock::setText(text);
    flag = RevisionFlag_Modified;
  }
};

int main() {
  QTextDocument document;
  MyTextBlock block = document.firstBlock();

  if (block.flag == RevisionFlag_Modified) {
    qDebug() << "The block has been modified.";
  } else {
    qDebug() << "The block has not been modified.";
  }

  return 0;
}

シグナルとスロットを使用する

QTextBlock::textChanged() シグナルを使用して、テキストブロックの内容が変更されたときに通知を受け取ることができます。このシグナルをスロットに接続して、改訂履歴を更新することができます。

利点

変更がリアルタイムで検出される
コードが簡潔になる

欠点

すべての変更を追跡する必要がある場合、オーバーヘッドが発生する可能性がある

例

#include <QApplication>
#include <QTextDocument>
#include <QTextBlock>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget() {
    textDocument = new QTextDocument;
    connect(textDocument, &QTextDocument::textChanged, this, &MyWidget::onTextChanged);
  }

private:
  QTextDocument *textDocument;

public slots:
  void onTextChanged(const QTextBlock &block) {
    qDebug() << "Block with revision" << block.revision() << "has been modified.";
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);
  MyWidget widget;
  widget.show();
  return app.exec();
}

QTextBlock::revision() 関数は、テキストブロックの改訂履歴を追跡するための便利なツールですが、状況によっては代替方法の方が適切な場合もあります。上記で紹介した代替方法はそれぞれ利点と欠点があるため、要件に応じて最適な方法を選択する必要があります。

変更の追跡: すべての変更を追跡する必要がある場合は、シグナルとスロットを使用する必要があります。
コードの簡潔性: カスタムフラグを使用するよりも、シグナルとスロットを使用する方がコードが簡潔になります。
パフォーマンス: 大規模なドキュメントの場合は、QTextDocument::version() 関数を使用する方が効率的です。